CCNAとはどのような資格?取得のメリットや勉強方法、合格のコツなどを解説

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は米国のCISCO社が運営する、ネットワーク関連の知識を学べる資格です。難易度が高過ぎないうえ、トップレベルのシェアを誇るCISCO製品の操作方法を習得できます。
キャリアアップを目指すITエンジニアやネットワークエンジニアにとって、活躍の場が広がる資格です。本記事ではCCNAの基本情報や取得するメリット、勉強方法、合格に必要なコツを解説します。
目次
CCNAとはどのような資格?

CCNAはネットワークやインフラの基礎的な知識を幅広く学べる資格です。世界的な知名度も高く、ネットワークエンジニアやITエンジニアを目指す方の登竜門として位置付けられています。
はじめに、試験の基本情報となる難易度・出題範囲・受験料・有効期間を紹介します。
難易度と合格ライン
CCNAの難易度は、ネットワーク関連の資格のなかでは決して高くありません。Ciscoが運営する認定資格は、求められる知識レベルが高い順にプロフェッショナル・アソシエイト・エントリーなどに分かれています。
CCNAは下から数えて2番目のアソシエイトに属しています。合格基準点は公式に発表されていませんが、1000点満点中850点が目安です。
8割以上の正答率が求められると聞くと、難易度が高いのではと不安を覚える方もいるでしょう。しかしCISCO社の認定資格には、試験前に行われるアンケートに答えると300点が加算される仕組みがあります。
CCNAの場合、実質的には700点中550点獲得すれば合格基準点に達します。正答率に換算すると75%まで引き下がるため、合格は決して難しくないといえるでしょう。
出題数と範囲

CCNAの試験は、120分間の制限時間内に102〜103の問題に答える必要があります。単純計算で1分間に1問答えるスピード感が求められるため、時間配分は合格の重要なポイントです。
試験範囲は大きく6つのカテゴリに分かれており、具体的な分類は次のとおりです。
- ネットワーク基礎(TCP/IP、OSI参照モデルなど)
- ネットワークアクセス(ネットワーク接続機器の仕組みや設定など)
- IP接続(ルーティングの仕組みやIPアドレスの設定など)
- IPサービス(通信プロトコルの種類や同期の手法など)
- セキュリティの基礎(暗号化の仕方やセキュリティの脅威など)
- 自動化とプログラムアビリティ(仮想化やネットワーク機器の分散・集中管理など)
CCNAの試験は解答方法にも注意が必要です。一般的な四肢択一のほか、適切な回答を書き込む穴埋め式や、回答群の選択肢を適切な位置に当てはめるドラッグ&ドロップ方式があります。
さらに、与えられたシナリオをもとに解決策や対処法を回答するシナリオ問題が出されます。問題文の読解力が求められるため、過去問を繰り返し説いて、長文問題に慣れておきましょう。
受験料
CISCO認定試験の受験料は米ドルで表記され、アソシエイトレベルの試験は300ドルです。1ドル=150円で換算すると、日本円で45,000円の支払いが必要です。
CCNA試験の支払い方法はクレジットカード方式とバウチャー方式に分かれ、利用者が自ら好きな方を選択できます。バウチャー方式は有効期限付きの利用チケットを事前に購入する方法で、教育機関や企業が学生や従業員に配布する目的で使用されています。
個人の申し込みではバウチャー方式を利用できる可能性は低いため、注意が必要です。
有効期間
CCNAは一度合格すれば永久的に権利を主張できる資格ではなく、3年間の有効期間が存在します。更新せずに期限を過ぎた場合、失効するため、履歴書や面接でアピールすることは認められません。
CCNAを保有し続けるには3年以内の再受験、もしくは上位資格の合格のいずれかが必要です。上位のCISCO認定資格であるCCNP・CCIE・CCArを保有すれば、より高度のネットワークやインフラの知識をもっている証明が得られます。
CCNAを取得するメリット

CCNAを取得するメリットは次のとおりです。
- ネットワーク関連の基礎スキルの証明
- 業務に活かせる知識の習得
- 時代に即した新たな知見の獲得
- キャリアアップの実現
これからITエンジニアを目指す方や経験が浅いネットワークエンジニアにとって、価値ある自己投資の一種です。CCNAが自身のキャリアに与える影響を具体的に解説します。
基本スキルの証明
CCNAの資格を取得すると、ネットワーク関連の基本スキルがあるという証明を得られます。就活や転職を円滑に進めるうえで有効な武器になるでしょう。
ES(エントリーシート)や面接の場で資格の保有をアピールすることで、現在の知識のレベル感を具体的にアピールできます。
口頭で「ネットワークの知見を持っています」と伝えても、何をどこまで理解できているか判別は難しいといわざるを得ません。資格保有者に対しては試験範囲は学習済みだと判断できるため、面接官は応募者の知識レベルを客観的に判定できるでしょう。
実務で活かせる知識を学べる
CCNA試験では、実務で使用するネットワーク関連機器の扱い方を習得します。試験範囲にはルーターやスイッチをはじめ、実際に業務で扱うCISCO製品の操作方法が含まれます。
試験勉強と業務範囲に重なりがあるため、資格を取得すれば仕事に取り組むうえで有利に運ぶでしょう。CCNAの試験で扱い方を学ぶCISCO製品は、世界的にも大きなシェアを誇っています。
基本的な操作方法を知ることで国内の企業はもちろん、グローバル企業の就職にも有利に働くと考えられます。
時代に即した新しい知識を身に付けられる

CCNAはネットワークやセキュリティ関連の新しい知識をブラッシュアップできる資格です。更新の制度があり、3年ごとに学び直しを求められる点が大きいでしょう。
一度合格すれば永久的に保持できる資格はキャリア形成の観点では有意義でも、時が経つと知識が形骸化する恐れがあります。
特にセキュリティは変化が激しい領域です。サイバー攻撃は日々新しい手法が登場しており、企業とハッカーのいたちごっこが続いています。
不正アクセスや情報の窃取と関わりが深いネットワーク知識のアップデートは、安定的かつ信頼性が高いITインフラの構築に不可欠です。
単価や社内評価の向上
CCNAの資格取得はフリーランスであれば高単価の案件獲得、会社員であれば社内評価の向上につながる可能性があります。
フロントエンドを担うエンジニアがネットワーク関連の知識を学び、バックエンドの業務もできるようになれば、フルスタックな技術者として活躍できます。
業務の範囲が広がれば、高単価の案件にアサインされるチャンスが増えるでしょう。また会社員の場合、上位職への昇進や手当による給与の上昇が期待できます。
世界的に知名度が高く、業務に必要な知識が身に付くCCNAの保有者に対して資格手当を支給する企業は少なくありません。
CCNAが活かせる職種

CCNAが活きる職種はネットワークエンジニアやインフラエンジニアです。
安定したネットワークはWebサイトやWebアプリ、ITシステムが稼働するうえで不可欠です。CCNAの勉強を通して学ぶ知識は、さまざまな職種のエンジニアに必要とされます。
ネットワークエンジニアの主な業務内容は通信機器の選定や通信網の構築、拡張です。
一方インフラエンジニアはサーバーの調達や運用が主たる業務であり、業務内容に応じて、クラウドエンジニアやサーバーエンジニアと呼ばれる場合があります。
なおネットワークエンジニアとインフラエンジニアは名称が別個ですが、業務内容は似通う、または重なり合うケースも珍しくありません。
CCNAの資格をキャリアアップに活かしたい方は積極的に求人に応募し、現場の経験を積みましょう。SESを利用すれば、たとえ経験が浅くても参画できるプロジェクトが見つかりやすいでしょう。
テクニケーションは、エンジニアが自由に案件を選べる案件選択制を導入するSESです。希望の業務領域や伸ばしたいスキルに合わせて、案件を決められます。
CCNAの資格が活きるネットワークエンジニアやインフラエンジニアの求人も少なくありません。興味がある方はぜひカジュアル面談にてお話をお聞かせください。
CCNA取得に向けた勉強方法

すでにエンジニアとして就業中の方はCISCO製品の操作方法やネットワークの一定の知識があるため、試験に合格しやすい状況だといえます。
一方で業務以外に何をすればよいか、勉強方法がわからないと悩む方も少なくありません。実務経験者向けにCCNAの効果的な勉強方法を解説します。
ITエンジニア経験者の場合
ITエンジニア経験者はネットワークの基礎知識を有していると想定されます。ゼロからの未経験者と比べると、学習に必要な時間は短くて済むでしょう。
ITエンジニアのCCNAの勉強には、書店やインターネットで購入した参考書や問題集を使って学ぶ方法が適しています。
本の利点は資格取得に必要な知識が体系的にまとまっているため、自らの弱点を踏まえた特化型の学習ができることです。
ネットワークの基礎知識に乏しい自覚がある方はスクールの利用を検討してもよいでしょう。
ネットワークエンジニア経験者の場合
ネットワークエンジニアは、ネットワーク以外を主たる業務領域にするITエンジニアよりも深く広い知識を有していると想定されます。
したがって問題集や過去問を解き、足りない知識や苦手なジャンルに絞って知識を習得する学習が効率的です。
CCNAの特徴は制限時間に対して問題数があることです。すでに業務を通じて合格に必要な知識を身に付けていても、本番では時間が足りずに十分な正答率を確保できない方も少なくありません。
試験勉強で問題を解く際は、できる限り当日と同じ環境で取り組む経験をすることが重要です。
CCNA合格のコツ

ネットワーク関連の知識レベルはエンジニアごとにばらつきがあります。必要な勉強法は個人ごとに異なるため、自分に合った手法を選択することがポイントです。
合格に直結するCCNA試験の勉強のコツを解説します。
資格講座を受講する
ITエンジニアではない方や、ネットワークの知識が足りない自覚がある方は資格講座の利用を検討しましょう。
わからないことはすぐに講師に質問・相談できる環境があるうえに、最初から最後まで講義を受ければ試験範囲を網羅できます。
受講料の支払いが生じるのはネックですが、合格後に給与アップや単価の向上につながるメリットを考慮すると、コストパフォーマンスは決して悪いとはいえません。
また周囲に一緒に学ぶ仲間がいるため、一人で孤独に学ぶよりもモチベーションを継続しやすい環境が得られます。
CISCO提供の練習問題を解く
CISCOの公式サイト上で公開されている問題を解くことも有効な対策です。過去問のほか、さまざまな練習問題やCISCO機器の操作方法に関わるチュートリアルが用意されています。
CCNAの受験方式は自宅受験とテストセンターの二つの方式に分かれ、家で受ける際はデバイスに専用のソフトウェアをインストールする必要があります。
初めての受験では機器の操作にてこずり、回答に使える時間が少なくなるトラブルに見舞われる場合が珍しくありません。
CCNAを利用すれば、チュートリアルの動画を視聴して、受験に必要な設定を学べます。
自主学習を行う
必要に応じて自主学習に取り組み、足りない知識の習得や苦手分野の克服に励みましょう。幸運なことに、CCNAはインターネット上で利用できる学習サイトが多数存在します。
問題集や参考書の購入に費用をかけずに、合格に必要な知識を習得できる環境があります。学習サイトのメリットは、スマートフォンを活用して自分の好きなタイミングで学べることです。
通勤途中の電車や寝る前のすき間時間で勉強して、着実にスキルと知識を伸ばせます。継続して学習に励めば、まとまった学習時間がとれなくても得点力の向上が可能です。
CCNA取得で必要な勉強時間の目安

CCNAの取得に必要な学習時間の目安は初学者の場合は200時間以上、ITエンジニアやネットワークエンジニアの経験者は60時間以上です。
1日2時間の勉強時間を確保できれば、1〜3ヶ月で合格することは不可能ではありません。
週末にまとめて学習したり、試験直前に有給を使って追い込みしたりすれば、無理なく取り組めるでしょう。
ただしITエンジニアの経験がなく、ネットワークの知識も乏しい場合、200時間の勉強では足りないケースが想定されます。
CCNAの合格率を上げるには座学に固執せず、先に現場で実務経験を積むことも有効です。業務の一環でCISCO製品の操作を経験すれば、ネットワーク関連の知識が自然に身に付きます。
テクニケーションは、ベテランエンジニアと経験が浅いエンジニアが一緒に案件に参画できるチーム制の仕組みがあるSESです。
フォローアップ体制が整っているため、スキルアップやスキルチェンジを目指すことが可能です。
さらに、単価と給与が連動する単価給与連動制、さらに会社間単価の透明な開示により、エンジニアが納得感を持ってキャリアアップに挑める環境を整えています。
自分一人では即戦力として活躍できる力がない方でも、現場の経験が積める貴重な環境です。少しでも興味があるならば、ぜひ次のリンクよりお気軽にお問い合わせください。
専門性を高める資格でキャリアアップを目指すなら

ネットワークやインフラの幅広い知識が学べるCCNAは、キャリアアップを望むエンジニアに適した資格です。CISCOが提供するより上位の資格取得にチャレンジすれば、効率的に専門性を高められます。
自身で高みを目指すことはもちろんですが、専門性を高められる環境であれば、より一層上位を目指していたいという気持ちが高まるでしょう。
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テクニケーションは、エンジニアの知識やスキルを正当に評価する環境がある高還元SES企業です。資格保有者に対して、ネットワークやインフラ関連の案件を優先的に紹介しています。
さらに給与連動の評価体制・案件選択制・スキルアップの支援体制など、エンジニアがモチベーションを維持して気持ちよく働けるための制度が充実しています。
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