組み込みエンジニアとは？仕事内容や年収の目安、将来性を解説
新たな案件に挑戦し、スキルやキャリアを高めたいと考えるエンジニアも少なくないのではないでしょうか。
エンジニアの業務は幅広く案件を取り扱っていますが、そのなかでも組み込み案件はスキルやキャリアアップしたいとお考えの方におすすめです。
組み込みエンジニアは今後も社会の基盤を支える重要な人材であり、開発や設計とさまざまなポジションがあるため、幅広いキャリアが望めます。
しかし、実際のところ組み込みエンジニアがどのような作業をしているのか、また自分が向いているのか気になっている方もいるでしょう。
今回は、組み込みエンジニアの仕事内容や必要なスキル、年収やキャリアパスをご紹介します。
目次
組み込みエンジニアとは？
まずは組み込みエンジニアの概要を紹介します。組み込みエンジニアは家電製品や自動車、医療機器、IoT機器などの内部システム開発を行うエンジニアをいいます。
例えば外にいながら、遠隔操作で自宅のエアコンの電源を付けることが可能な機器について耳にしたことがあるのではないでしょうか。これも組み込みエンジニアが開発した1つのシステムです。
このように組み込み系は、ハードウェアとソフトウェアの間をつなぐ役割を担っており、現場で行う作業も少なくありません。
組み込みエンジニアは日常生活に必要な製品に関われるため、人の役に立てるお仕事であり、とてもやりがいのある職種となっています。
組み込みエンジニアの仕事内容
組み込みエンジニアは日常生活に必要な製品に携わることができ、やりがいのある職種であることがわかりました。
しかし現場での役割や担当範囲が広すぎて、組み込みエンジニアの仕事内容について、具体的なイメージが湧きにくいと感じる方もいるかもしれません。組み込みエンジニアの業務範囲は多岐にわたります。
- システム設計
- ハードウェア設計
- ソフトウェア設計
- 開発
- テスト
システム開発を行うにあたって、まずは設計書を作成してからプログラム開発に入り、設計書に基づき、システムが正しく動作するかを検証するテストを実施します。
組み込み系は、システム開発の設計フェーズで3つに分けられるのが特徴です。また組み込みエンジニアは経験に応じて上流から下流まで携わることのできる職種です。
次でこの3つの設計と、開発とテストの仕事内容を、より詳しく説明します。
システム設計
まずはシステム設計の概要を説明します。システム設計とはお客様と打ち合わせをし、要件定義にまとめられた資料をもとに、実装すべき機能を具体化する工程です。
設計書をもとにプログラマーは実際にプログラムを組んでいくため、設計はとても重要な役割を持っています。
組み込み系は機能が限定されており、またハードウェアやソフトウェアに配慮した設計を行うことが必要です。システム設計は実行する機能はわかりやすく、明確にしておく必要があります。
ハードウェア設計
ハードウェアとは物理的な要素をいい、例えばパソコン本体やディスプレイ、マウスやキーボードなどです。
そして組み込み系のハードウェアは、組み込み機器に使用される、特定用途に限定されたハードウェアを指します。
ハードウェア設計では、指定されたハードウェアに搭載可能かつ実現可能な仕様を前提として、設計を行います。
ソフトウェア設計
一方ソフトウェアとは、コンピューターに命令を出すプログラムの総称です。そして組み込み系のソフトウェアは、内部に書き込まれたプログラムを読み込み、実際の動作を制御する役割を担います。
したがってソフトウェア設計では、ハードウェアに搭載されている装置の動作に関するプログラムを設計していきます。
開発
設計が完成したら次は開発になりますが、ここのフェーズはプログラマーが行う作業です。
プログラマーはシステム設計・ハードウェア設計・ソフトウェア設計をもとに、実際にプログラムを組んで開発していきます。
プログラミング言語は主にC言語やアセンブラ言語が使用されており、コーディングやデバッグを行いながら、設計書に従ってプログラムの実装とデバッグを進めます。
テスト
開発が終了したら、実際に設計書どおりにプログラムが動くか確認するテストです。テストはまず、個々の機能が設計書どおりに動作するか確認する単体テストを行います。
単体テストが終了したら、複数の機能を組み合わせてチェックする、結合テストを行います。正常な動作確認も重要ですが、組み込み系では耐久性や安全性の面でも入念にチェックすることが重要です。
この時点で改善点が見つかった場合、プログラミングの見直しを行います。そして実際に利用者にもチェックをしてもらい、不具合の有無を確認し、必要に応じて修正を行います。
組み込みエンジニアの年収の目安
専門的で独自の領域とされる組み込み案件は、年収が低いと誤解されがちですが、実際はそうではありません。組み込みエンジニアの年収は経験や分野によって大きく異なります。
自動車・医療・ロボットの分野では6,000,000円～8,000,000円を超えることもあります。
また組み込み系に使用されるC言語やリアルタイムOS、マイコン制御などの専門スキルを習得することで、高年収を目指すことが可能です。
組み込みエンジニアは専門性の高い職種であり、スキル習得によって年収アップの可能性が高まるでしょう。
テクニケーションは高還元SESを掲げており、エンジニアがプロジェクトに直接貢献した分だけの報酬が得られるため、モチベーションの維持を実現しています。単価もエンジニアに開示しているため、納得したうえで気持ちよく業務を進めることが可能です。
また、エンジニア自身で案件を自由に選択できる案件選択制も導入しています。得意とする分野はもちろん、スキルアップを目指したい分野への参画もできるため、業務に対しやりがいをもって対応することが可能です。
案件のなかにはチームで参画できるものもあり、一人では難しい案件にも挑戦できるだけでなく、経験豊富なエンジニアより直接アドバイスやフォローをもらいながらスキルアップすることもできます。
「成長できる環境でスキルアップを目指したい！」「実力に見合った報酬を得たい」とお考えの方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談にてお気軽にご相談ください。
組み込みエンジニアに求められる主なスキル
組み込みエンジニアはハード寄りの知識がないと難しいのではないかと不安に思う方もいるかもしれません。たしかに組み込みエンジニアになるためには、さまざまな知識やスキルが必要です。
- プログラミング言語
- OSの知識
- 組み込みの知識
覚えることが少なくない組み込みエンジニアですが、初心者でも携われる領域もあります。また実務経験を積むことで幅広い範囲のキャッチアップも可能です。
次で求められる3つのスキルを詳しく説明します。
プログラミング言語
前述しましたが、組み込み系でよく使用されるプログラミング言語はC言語です。ほかにも組み込み系で使用される代表的な言語には、アセンブラ言語やC++があります。
C言語は、メモリの使用効率が高い点や実行速度が速い点が特徴です。機器を動かすプログラムには使えるメモリに制限があるなか、高速な処理性能が求められます。
したがって、組み込み系ではC言語の使用が適しています。その分C言語はハードウェアを制御する要素があり、習得には一定の難易度があるため、少し学習に時間がかかるかもしれません。
しかしC言語は古くから存在している言語であり、書籍やWebサイトも豊富にあり、学習しやすい環境が整っています。C言語を習得できれば、専門性のあるエンジニアとして重宝されます。
OSの知識
OSとはシステム全体の管理や制御を行っている重要なソフトウェアの一種です。そして組み込み系では、システムの要求に対してリアルタイム性能を満足することに重点を置いたOSが使用されています。
リアルタイムOSは、制約のある処理を実施するための予測性能を持ち、適切な時間内に適切な処理を完了させられるように組み込まれています。
OSに関する知識は、エンジニアにとって不可欠です。リアルタイムOSの活用技法に関する書籍も存在するため、初心者はまず基礎から学んでいく必要があります。
組み込みの知識
組み込みエンジニアは言わずもがなですが、組み込みの知識習得が必須になります。必要な知識は、マイコンの制御やハードウェアの周辺機器の知識です。
マイコンの制御とは、電子機器にマイクロコンピュータを使って、その電子機器を制御することです。マイコンによる制御により、電子機器の小型化と高性能化を実現します。
周辺機器とはパソコン本体に接続する機器の総称で、キーボードやマウスなどが挙げられます。
組み込みエンジニアにおすすめの資格
組み込みエンジニアに必要なスキルはわかりましたが、キャリアチェンジのために何を学んでおくべきか、わからない方もいるでしょう。
キャリアチェンジを検討している方には資格取得がおすすめです。資格の取得でスキルが認められ、将来のキャリアアップも見込めます。
そして組み込みエンジニアにおすすめな資格は、以下5点です。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ETEC（組込み技術者試験制度）
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- JSTQB認定テスト技術者資格
次で各資格の難易度や、活かせるシーンを紹介します。
基本情報技術者試験
まずは基本情報技術者試験を目指してみるとよいです。基本情報技術者試験は多くの初心者エンジニアが目指す登竜門的な位置づけの資格になります。
出題される問題はプログラミング手法やサーバーやネットワーク、ハードウェアなど多岐にわたります。
難易度は中程度とされており、しっかり知識を学習したうえで試験に挑むことが重要です。
組み込み系に限らず基本情報技術者試験は、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせることができるので、この資格からの取得が適しています。
応用情報技術者試験
基本情報技術者試験に合格できたら、次は応用情報技術者試験に挑戦するとよいです。
応用情報技術者試験ではさらにシステム開発やIT基盤構築など、より深い知識が求められます。もちろん難易度は基本情報技術者試験より高めです。
しかし、エンジニアとしてのキャリアをより向上させたいとお考えの方は、取得をおすすめします。
ETEC（組込み技術者試験制度）
ETECは初心者の組み込みエンジニアにおすすめな試験です。試験は合否判定ではなく、客観的なレベル判定で行われ、グレードA～Cで評価されます。
試験は組み込みソフトウェア技術者試験クラス2とクラス1で分かれており、クラス2がエントリレベルです。
クラス1を受講するためには、クラス2で500以上のスコアを獲得しなければいけないので、初心者はクラス2の高いスコア取得を目指します。
クラス2の試験内容はCPUやメモリなどの技術要素やソフトウェア設計、テスト技法や通信などに関する知識が問われるため、これらの試験対策が必要です。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、対象者が組み込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う人材とされているため、高度な知識が求められます。
したがって、組み込みエンジニアは中級者から上級者向けであり、難易度も極めて高いです。
初心者はまずETECクラス2から受験し、ゆくゆくはエンベデッドシステムスペシャリスト試験の受講が適しています。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格はテスト技法やテスト評価のスキルを証明する資格です。
この資格は組み込み系に特化した資格ではありませんが、開発したシステムが設計書どおりに動作するか確認するテストはとても重要なポジションになります。
したがってテストエンジニアリングに関する資格を持っていることは、組み込みエンジニアとして向上させるために必要な資格です。
テクニケーションは福利厚生として資格取得支援制度を取り入れています。会社が推奨する資格の受験費用や参考書代を支給し、エンジニアのスキルアップを支援しています。
資格支援のみならず、実際の業務で経験やスキルアップできる体制をも整えています。エンジニアのキャリア形成を支える案件選択制は、自由に案件を選択することが可能です。得意分野やスキルアップを目指す分野へ専念ができるため、やりがいを持って取り組むことができます。
スキルアップを目指したいとお考えの方は、まずはテクニケーションにお気軽にご相談ください。
組み込みエンジニアの将来性
IT業界では今、クラウドやAIの進歩が著しいなかで、組み込み系に将来性があるか疑問に思う方もいるでしょう。結論として、組み込み系には十分な将来性があります。
理由は自動車業界や医療業界、ロボット分野やIoTなどの領域で需要が高まっていくからです。自動車業界では電気自動車や自動運転の導入により、組み込み系の技術が必要です。
医療業界も、今後は医者と患者がネットワークでつながり、患者が在宅でいながらも遠隔で指示できるIoT対応医療機器も増えていくでしょう。
またロボット分野で組み込み系は重宝されます。例えば大手外食チェーン店に行くと、ロボットが食事を持ってきてくれたり、予約番号を発券してくれたりなどの風景も多く見られるようになってきました。
これは人件費削減のために導入されたシステムです。今後もロボット技術の開発・導入が進むと見込まれます。
そして組み込み系は、AIと連携する組み込み技術（エッジAI）も可能です。組み込み系とAIが融合することで、即応性やセキュリティの向上が可能です。
このように組み込み系は幅広い業界や分野での需要があるため、クラウドやAIと同様に、リアルな現場での技術として将来性が見込まれます。
組み込みエンジニアとして働きたいなら
本記事では、組み込みエンジニアの仕事内容や必要なスキル、年収とキャリアパスについて紹介しました。
クラウドやAIの進歩とともに、組み込み系もそれらと融合したシステム開発が今後増えると期待されています。
新しい案件にチャレンジしたい方や、キャリアチェンジを検討中の方は、エンジニアが成長できる環境を整えているSES企業がおすすめです。そのなかでも、エンジニアの単価に対し高い還元率を実現している高還元SES企業を検討してみてはいかがでしょうか。
テクニケーションは、本人の希望にあわせてアサインできる案件選択制を採用しており、経験が浅くても挑戦できる環境が整っています。単価も開示しているため、エンジニア自身が納得したうえで気持ちよく業務を行うことが可能です。
また継続的なスキルアップ支援や整ったチーム体制、高還元率を実現させています。
より詳しいお話をお聞きしたい方は、ぜひ一度カジュアル面談にてご相談ください。
