SESで有給休暇を取得できる?取得のポイントや拒否された場合の対処法を解説

SES企業で働いていると、有給休暇を本当に取得できるのか不安に感じませんか。常駐先との関係や契約形態の影響で、有給が取りづらいと感じる方も少なくありません。
本記事では、SESエンジニアでも有給休暇を取得できる法的根拠・取得のタイミング・申請のポイント・取得を妨げる要因とその対処法まで詳しく解説します。
不安や疑問を解消し、有給休暇を取得するための知識を身につけましょう。
目次
有給休暇はどのタイミングから何日間取得できる?

SESは有給休暇を取得できるのか、何日間もらえるのかと疑問に思う方もいるでしょう。
有給休暇がいつから、どのくらい取得できるかは、法律により明確に決まっています。
有給休暇のルールを知っておけば、取得し損ねることを防いで働くことができます。ポイントは次の4つです。
- 有給休暇が付与される条件
- 付与日数と勤続年数の関係
- 有給休暇を取得できるタイミング
- 有給休暇の繰越しについて
これらについて、一つずつ解説します。
有給休暇が付与される条件
有給休暇を取得するためには、法律で定められた次の2つの条件を満たす必要があります。
- 同じ会社に6ヶ月以上継続して勤務していること
- 6ヶ月間の出勤率が80%以上であること
この条件は、正社員だけでなく契約社員・派遣社員・SESにも平等に適用されます。有給休暇は法律上の権利であるため、雇用形態に関わらず、上記の条件さえ満たせば企業側は拒否できません。
付与日数と勤続年数の関係
雇入れからの勤続期間と付与される有給休暇の日数は、勤続年数によって次のとおりに段階的に増えていきます。
- 勤続6ヶ月:10労働日
- 勤続1年6ヶ月:11労働日
- 勤続2年6ヶ月:12労働日
- 勤続3年6ヶ月:14労働日
- 勤続4年6ヶ月:16労働日
- 勤続5年6ヶ月:18労働日
- 勤続6年6ヶ月以上:20労働日
入社後6ヶ月が経過した時点で初めて10日間付与され、多い場合の付与期間は6年6ヶ月を超えた時点の20日間です。これは法律で定められた基準で、企業によってはこれを上回る日数を設定している場合もあります。
SESも、雇用主が同じであればこの基準にしたがって有給日数が増えます。自分の勤続年数を把握して、どれだけの有給があるか確認しておきましょう。
有給休暇を取得できるタイミング

有給休暇は、入社して6ヶ月が経過して出勤率が80%以上なら、その翌日から付与された日数を自由に使えます。毎年の基準日に新たな有給休暇が自動的に付与され、原則として、取得は本人が希望する時期に行うことができます。
有給休暇には有効期限があり、基本的には付与された日から2年間が使用可能な期間です。ただし、業務に支障があると会社が判断した場合には、時季変更権を行使することもあります。
放置していると古い有給から順に失効するため、SESとして客先常駐しても自分の付与日と残日数をきちんと確認し、消化できるようにしましょう。
有給休暇の繰越しについて
付与された有給休暇は原則として2年間有効ですが、1年間で使い切れなかった分は翌年に繰り越すことができます。10日間付与されて5日しか使わなかった場合、残りの5日は次年度に繰り越され、合計15日分を使用できるようになります。
ただし、2年以内に使わなければ時効により失効するので注意しましょう。放置すると、せっかくの有給が無駄になります。権利を守るためには、繰り越し可能な期間を理解し、計画的に消化していくことが重要です。
企業は社員に有給休暇を取得させる義務がある?

企業には、2019年の労働基準法改正によって定められた、社員に有給休暇を取得させる法的な義務があります。
雇用形態を問わず年10日以上の有給休暇が付与されるすべての労働者に対して、企業がそのうち少なくとも年5日を取得させなければならない義務です。SES企業で働くエンジニアにも当てはまります。
企業が違反すると、労働基準監督署から是正指導を受けたり、罰則が科されたりする可能性もあります。有給休暇は労働者に与えられた正当な権利であり、しっかり取得させることは企業の責任です。
SESでも有給休暇を取得できる?

SESとして働いていても、有給休暇は法律に基づいて取得できます。労働基準法では、正社員や契約社員だけでなく、SES契約で働くエンジニアも対象です。
雇用主はSES企業であり、実際の勤務先がクライアント企業であっても、有給休暇の申請や管理は雇用契約を結んでいるSES企業が担います。
つまり、SESも6ヶ月以上継続して勤務し出勤率が80%以上であれば、法的に有給休暇が付与されます。クライアント先の事情で取得しにくい場合があっても、企業に認められた権利として、取得の申請は正当な行為です。
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SESで有給を取得しにくい理由

SESが有給が取得しにくいと感じる理由は、主に次の4つです。
- プロジェクトの人員が不足しているため
- 納期の制約があるため
- 稼働時間の下限が設けられているため
- 有給休暇取得を言い出しづらい立場のため
それぞれの理由と背景を解説します。
プロジェクトの人員が不足しているため
有給休暇の取得が難しくなる要因の一つが、人員不足です。SESでは少人数で構成されるプロジェクトも多く、一人が抜けるだけで業務に支障が出やすい傾向があります。
クライアント先での作業が中心となる場合、自社よりも現場の都合が優先されがちです。そのような状況下では、有給を申請すること自体に気が引けるようになり、本来の権利が行使しづらくなります。
納期の制約があるため
プロジェクトにはあらかじめ決められた納期があり、その期日までに成果物を完成させなければなりません。作業の進捗や品質が厳しく管理されている現場では、休暇より納期の遵守が優先される傾向があります。
また、納期前になると業務が集中し、ほかのスタッフにも余裕がなくなるため休暇を取りにくくなります。SESでは、自社と現場の両方の事情に配慮しなければならず、有給取得の優先順位が低く見られてしまうことが課題です。
稼働時間の下限が設けられているため

SES契約には、月ごとに稼働時間の下限が設定されていることがあり、月140時間を下回ると契約単価が下がる仕組みが一般的です。
このような契約形態の場合、有給休暇を取得すると稼働時間が減り、売上や評価に悪影響が出ると懸念されることがあります。場合によっては、自社の営業や上司から下限を割らないようにと、暗にプレッシャーを受けることもあります。
このため、有給取得が正当な権利であっても、実際には制度が使いづらいです。
有給休暇取得を言い出しづらい立場のため
SESの働き方では、雇用主である自社と、日々の業務を行うクライアント企業という二重の関係のなかで働くことになります。有給休暇を取得するには両方の調整が必要となるため、心理的なハードルが高くなりがちです。
現場での立場が弱く感じられる場合、業務の負担や評価への影響を気にして、申請をためらってしまう方も少なくありません。また、周囲に有給を取得している方がいない場合、空気を読んで遠慮してしまうこともあるでしょう。
私たちテクニケーションは、エンジニアが無理なく、安心感を持って働ける環境づくりに力を入れています。
業務の進め方や働き方について、一人ひとりの声を大切にしながら、より良い環境を整える取り組みを日々進めています。
社内ではチームで協力し合う風土が根づいており、リーダーやマネジメントへのチャレンジも可能です。そのため、スキルや希望に応じて、適したプロジェクトや働き方を考えることができます。
「もっと自分らしく働きたい」「納得感のある環境で成長したい」というような思いをお持ちのSESエンジニアの方こそ、ぜひ一度、テクニケーションのカジュアル面談で、あなたの理想の働き方についてお話してみませんか?
SESで有給休暇を取得するためのポイント

SESで有給休暇をスムーズに取得するには、いくつかの注意点があります。取得の際に意識したいポイントは、次の3つです。
- クライアント先企業と自社SES企業両方に有給休暇を取得したい旨を伝える
- 日程に余裕をもって早めに申請を行う
- 有給休暇を取得する理由を考えておく
これらについて、順番に解説します。
クライアント先企業と自社SES企業両方に有給休暇を取得したい旨を伝える
有給休暇を取得する際には、自社だけでなく常駐しているクライアント先にも連絡を入れることが大切です。SESの働き方では、実際の作業場所が自社とは異なるため、双方への報告と了承が必要になります。
自社の担当者とクライアントの現場責任者の両方に取得の意思を伝えることで、休暇が認められやすくなり、周囲との調整もスムーズに進みます。
日程に余裕をもって早めに申請を行う
有給休暇をしっかり取得するには、余裕をもって有給取得の1ヶ月前、遅くとも2週間前などに早めに申請しましょう。SESの場合は、自社とクライアントの両方にスケジュールを確認してもらう必要があるため、直前の申請では対応が難しくなることがあります。
また、現場によっては申請フローや書式が定められていることもあるため、事前に確認しておきましょう。計画的に準備を進めれば、周囲に迷惑をかける心配も減り、自分自身も落ち着いて休暇を迎えられます。
有給休暇を取得する理由を考えておく
有給休暇は法律上、理由を問わず取得できますが、実際は理由を求められる場合があります。クライアント先に対しては、納得してもらえるような説明があると理解を得やすいでしょう。
無理に詳しく話す必要はありませんが、業務に支障をきたさないことを前提に、簡潔に伝えられる理由を用意しておきましょう。体調管理や私用の予定など、一般的な内容であれば問題視されることはありません。
SESで有給休暇取得を拒否された場合の対処法

有給休暇は法律上、理由なく拒否できません。もし拒否されても、適切な手順で状況を改善できます。
有給休暇を拒否されたときにどう対応すべきかを、次の2つの場面に分けて解説します。
- クライアント企業で拒否された場合
- 自社のSES企業で拒否された場合
それぞれ以下で見ていきましょう。
クライアント企業で拒否された場合
クライアント企業で有給休暇の申請を断られた場合は、まず自社のSES企業に相談しましょう。SES契約では雇用関係は自社との間にあるため、クライアント先に有給取得を判断する権利はありません。
本来の手続きは、自社に申請し、自社が管理する労働時間に基づいて有給を付与します。クライアントの業務都合で取得が難しい場合も、調整役となるのは雇用元であるSES企業です。
感情的にならず、まずは自社の担当者に事実を伝えて調整を依頼しましょう。冷静に対処すれば、権利を守りながら現場との関係も維持できます。
自社のSES企業で拒否された場合
自社であるSES企業から有給休暇の取得を不当に拒否された場合は、法的に正当な対応を取りましょう。労働基準法第39条では、一定の条件を満たした労働者に対して年次有給休暇の付与が義務付けられており、企業側には時季変更権以外に拒否する正当な理由はありません。
明確な理由なく拒否された場合は、まず書面で理由の説明を求めるとともに、最寄りの労働基準監督署に相談する手段もあります。必要に応じて、労働組合や法律相談窓口の活用も視野に入れましょう。
有給休暇が取りやすい環境が整っている優良SES企業を選ぼう

有給休暇は、心身の健康を守りつつ働き続けるうえで欠かせません。SESは、常駐先の都合や契約条件によって有給の取得が難しいこともあるため、慎重に企業を選びましょう。
優良なSES企業は、労働者の権利を尊重し、情報公開や労働条件の透明性を重視しています。明確な制度設計や相談体制が整っている企業であれば、有給休暇の取得もスムーズに進みやすいです。
有給休暇は制度があっても、取得しづらいと感じてしまう職場も多いのが現実です。テクニケーションでは、有給休暇の申請や取得を前提とした働き方が整備されており、エンジニアの働きやすさを第一に考えた制度が整っています。事前に相談しやすく、有給も取りやすい環境です。
エンジニアに正当な報酬が還元される高還元SESとして、単価給与連動制・案件選択制・チーム制などを採用し、自律的にキャリアを築きながらしっかり休める働き方を実現できます。
テクニケーションでは、エンジニアの裁量を尊重した働き方が可能です。福利厚生も充実しており、書籍購入補助や資格手当など、スキルアップも後押しします。
キャリアの幅を広げたい方にも、理想的な職場環境です。有給取得のたびに気を遣う職場に疲れている方や自分らしく働ける職場に出会いたい方、有給休暇を取りたいときにちゃんと取れるSES企業をお探しの方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談で、一度ご相談ください。