サーバーエンジニアにおすすめの資格は?取得に必要な費用や勉強法も解説

サーバーエンジニアとしてインフラ業務に携わり、一定の経験を積んできた方のなかには、これからの働き方に迷いを感じている方もいるかもしれません。
インフラ業務に必要なスキルを積んでも、その経験を可視化するのが難しいため、単価交渉やキャリアアップにつながりにくい課題があります。
そこで注目されているのが、知識と実務経験の客観的な証明になる資格の取得です。
この記事では、OS・ネットワーク・マネジメントの実務に直結するおすすめの資格を紹介し、それぞれの費用や勉強方法も解説します。
資格を取得してキャリアを伸ばしたい方は、この記事を通じて自分に合った資格を選んでみましょう。
目次
サーバーエンジニアが資格を取得するメリット

インフラ業務の実務経験は評価の対象になりますが、それだけでは他者との差別化が難しい場面も存在します。サーバーエンジニアが資格を取得するメリットは、下記が挙げられます。
- スキルを客観的に証明できる
- 単価アップへのアピールポイントになる
それぞれのメリットについて、より具体的にみていきましょう。
スキルを客観的に証明できる
資格を持つメリットは、業務経験だけでは視覚化しにくいスキルレベルを第三者機関によって客観的に証明できることです。特にサーバー構築や運用では、実績を数値や文章で説明するのが難しいため、第三者からの評価にばらつきが出てしまうことが少なくありません。
そのような場合に、LinuCや情報処理技術者試験のように出題範囲が明確で認知度の高い資格が役立ちます。例えばLinuCレベル1では、シェル操作やパッケージ管理などの基本スキルが網羅されており、インフラ系の現場で即戦力があると判断されやすくなります。
実務経験に加えて資格でスキルレベルを証明できると、技術者としての信頼性が高まり、面談や書類選考でも優位に立てる場面が増えるでしょう。
単価アップへのアピールポイントになる

資格の取得でスキルを可視化できれば、単価アップへのアピールポイントにもなります。
現場にしっかり貢献しても、インフラ業務は成果が形に残りにくく、数字で評価するのが難しくなることもあります。
特にフリーランスや準委任の案件では、資格があるとスキルを証明でき、仕事につながりやすくなるでしょう。また、難易度の高い資格を持っていると、より好待遇の職場を目指しやすくなります。
資格を活かして単価アップを目指すなら、スキルを正当に評価してくれる環境も重要です。
テクニケーションでは、資格や成果が報酬に反映される単価給与連動制を取り入れています。
また、エンジニアに単価を開示しており、自分の評価に納得感を持てるので、選んだ案件にも積極的に取り組めるでしょう。
年収早見表も公開されており、自分が次のレベルに上がったらどのくらい年収が増えるのかはっきりわかることで、スキルアップへのモチベーションにもつながっています。
チーム制も導入され、まだ不安なスキルがあっても、先輩メンバーにサポートしてもらいながら成長できる環境もあります。
正当な評価を受けながらさらなる成長の機会もほしい方は、まずはカジュアル面談で現状のスキルや目標とするキャリアについて気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
OS関連のおすすめの資格と費用

OSに関する資格といえば、LPICを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、内容や活用シーンまで把握している方は少ないのではないでしょうか。
現場で評価されやすい3つの資格は、下記のとおりです。
- MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)
- LinuC
- LPIC
それぞれの資格が扱う内容や特徴、受験費用に加えて活用できるシーンを比較しながら紹介します。
MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)

マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト製品に関するスキルを公式に証明する資格です。以前のMCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)から、Microsoft Certification Program(マイクロソフト認定資格)という体系に再編されています。
100以上の試験がありますが、サーバー分野では中級レベルのAzure Administrator Associateが注目されています。仮想マシンやストレージ、ネットワークやID管理などAzure環境の運用スキルが出題され、クラウドが主流の環境で働きたい方におすすめの資格です。
試験は1科目(AZ-104)で、費用は20,300円(税抜)です。
マイクロソフト製品を導入し、クラウドへ移行している企業は少なくありません。そのため、クラウド運用のスキルを持つ技術者を求めるニーズは増えており、好条件のオファーを受ける機会が広がるでしょう。
LinuC
LinuCは、LPI-Japanが提供するLinux資格です。レベル1〜3に加えて、システムアーキテクト認定があり、ご自身のスキルレベルに応じて挑戦できます。
レベル1ではLinuxの基本操作を押さえ、レベル2ではネットワーク構成や運用管理など、レベル3では設計やセキュリティなど専門性の高い内容が出題されます。受験料は各科目16,500円(税込)で、レベル1・2は2科目、レベル3は3科目構成です。アーキテクト認定は2科目(SA01/SA02)で、各27,500円(税込)となっています。
日本国内ではLinuxを使っている現場が多く、LinuCを持っていることで単価交渉が有利に進み、収入が増えたというケースもあります。
LPIC

LPICは、日本国内に広まっているLinuCとよく比較される国際的なLinux資格です。カナダのLPI本部が主催しており、海外案件や外資系企業での信頼性が高い、世界中で通用する資格です。
レベルはLPIC-1(基本操作)とLPIC-2(応用管理)、LPIC-3(専門分野)に分かれており、LPIC-3は4つの分野のうち1科目に合格すれば認定を取得できます。受験料は、すべて1試験16,500円(税込)です。
国際的な認知度が高いため、海外ベンダーと連携する現場や外資系企業へ目を向けるきっかけになるかもしれません。
ネットワーク関連のおすすめの資格と費用

インフラ業務を続けていると、ご自身のネットワーク分野の知識に不安を感じる場面もあるかもしれません。ここでは、基礎から応用まで段階的に学べる3つの資格を紹介します。
いずれも認知度が高く、スキルの証明として活用できる資格です。それぞれの特徴や出題範囲、活用シーンを整理して、自分に合った資格を見極めましょう。
CCNA
CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワークの基本構造からルーティング、IP設計やセキュリティまで、幅広く基礎を身に付けたい方に向いている<strong class=”main”>入門資格</strong>です。
Cisco機器の操作スキルに加えて、セキュリティや仮想化・自動化など新しいトピックにも触れる内容になっています。試験は1科目のみで、受験料は300ドルです。受験自体は実務経験がなくても可能ですが、経験が浅いと試験の内容に対し難しく感じることがあるかもしれません。
CCNP

CCNP(Cisco Certified Network Professional)は、実務経験者向けの上級資格です。
コア試験(350-401 ENCOR)に加えて、BGPやOSPF、SD-WANなどの分野から1科目を選ぶコンセントレーション試験の、合計2科目の合格が必要です。受験料はコア試験が400ドル、コンセントレーション試験が300ドルで、設計やトラブル対応などの実践的な応用問題が出題されます。
サーバーエンジニアがCCNPを取得すると、インフラ構築のプロジェクトで、設計や運用面をリードする立場で働くチャンスにつながります。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は経済産業省が認定する国家資格です。いくつもの試験がありますが、サーバーエンジニアは応用情報技術者試験(AP)やネットワークスペシャリスト(NW)を目指すとよいでしょう。
初級~中級レベルの方に向けた内容で、ネットワークの設計・構築に必要な理論やセキュリティの知識に加えて、設計図作成や要件定義といった実務的なスキルも求められます。
どちらの試験も受験料は7,500円(税込)で、年に2回実施されています。資格としての信頼性が高く、転職やキャリアアップを検討する際にも、メリットの大きい資格です。
その他おすすめの資格と費用

サーバーエンジニアとして経験を重ねていくと、技術力だけではなく、運用全体の設計やチームの進行管理にも興味が湧いてくることがあります。そうした場合に役立つ資格があり、その資格は下記のものが挙げられます。
- ITIL®認定資格
- 応用情報技術者試験
- プロジェクトマネージャー試験
それぞれどのような資格なのかを、詳しく紹介していきましょう。
ITIL®認定資格
ITIL®は、ITサービスの運用管理を体系的に学べる国際資格で、認知度も高く世界中の多くの企業で採用されています。
ITIL®4ファンデーションは基本的な概念や用語を学ぶ初級者向けの資格です。試験は40問の選択式問題に対し26問以上の正解で合格となります。費用は試験実施機関によって異なるため、事前に確認しましょう。
応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、情報処理技術者試験のなかでも上級にあたる国家試験です。合格には、ネットワークやセキュリティ、プロジェクト管理や業務分析などIT全般の応用力や判断力が求められます。
受験料は7,500円(税込)で、年2回実施されます。設計・提案を担うポジションに関心がある方には、上流工程に関する理解があることを示せる資格です。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験は、情報処理技術者試験のなかでも上級に位置する国家試験です。要件定義から進行管理、納品までシステム開発全体を統括する立場を想定した内容で、管理職やプロジェクトリーダー以上の役割を目指す技術者に向いています。
出題範囲には進捗やコスト、品質やリスクなどの管理項目が含まれ、ご自身の経験をもとに論理的に説明が必要な論述問題もあります。受験料は7,500円(税込)で、年1回のみの実施です。
合格率は10〜15%前後と難関ですが、基本・応用情報技術者試験を通過し一定規模のプロジェクトを経験してきた方であれば、次のキャリアとして検討できる試験といえるでしょう。
資格取得に必要な時間

資格取得に興味が出てきても、業務と並行して勉強を進められるか不安に感じている方もいるかもしれません。
主要な資格の学習時間の目安と、無理なく進められるスケジュールの組み方を紹介します。
- LinuCレベル1/LPIC-1:実務経験者で約100時間または経験が浅い場合約150〜200時間
- CCNA:約200時間
- 応用情報技術者試験:約300時間
- プロジェクトマネージャー試験:経験者で約100時間または経験が浅い場合約250〜300時間
仕事と両立するには、毎日1〜2時間の学習を継続するのが一つの選択肢です。平日に時間を取るのが難しい方は、週末にまとまった時間を取ってもよいでしょう。平日1時間+週末4時間ずつ取り組めば、2〜3ヶ月で基礎レベルの資格が見えてくるケースもあります。
独学で学習を進めるのが不安な方もいるかもしれません。学習に充てられる時間や、これから取るべき資格を見極めるには、現場をよく知るエージェントに相談してみるのも一つの方法です。
テクニケーションでは、JavaGoldやLPIC-3、プロジェクトマネージャー試験などの会社が推奨する資格への受験費用や教科書代支給といった資格支援制度を取り入れ、エンジニアのスキルやキャリアをしっかりサポートしています。
さらにエンジニアのキャリアを尊重する案件選択制や、実力が給与に反映される単価給与連動制など、学びやすい環境づくりにも力を入れています。
スキルアップに悩んだときは、一人で抱え込まず気軽に相談してみましょう。無理なくスキルアップできる環境を整えられるよう、カジュアル面談で一緒に考えてみませんか。
資格を取得するための主な勉強法

いざ勉強を始めようとしても何から始めればよいのかわからず、調べるだけで手が止まってしまうこともあるかもしれません。仕事と両立しながら進めるには、無理のない勉強法を選ぶと取り組みやすくなります。
ここでは、代表的な学習方法を3つ紹介します。自分のペースに合った方法を選んで、習慣化を目指しましょう。
資格取得のための書籍を購入して勉強する
公式テキストや市販の書籍を一冊選ぶと、全体の流れをつかみやすくなります。試験範囲を網羅したテキストや、頻出問題を解説した問題集などが目的別にそろっています。
落ち着いて学習時間を確保できる方や、内容をじっくり頭に入れたい方には、書籍中心の学習が向いています。
Webコンテンツを利用する

時間や場所にとらわれず学習を進めたいときは、Web上の動画教材や解説サイトが便利です。
無料のチュートリアルや有料の講座形式のコンテンツもあり、操作手順や設定の流れを画面で確認できるので、効率よく理解が深まります。ネットワークやLinuxコマンドなどを実際に動かせる体験型の教材もあり、動作や結果を確かめながら学習したい方に向いている方法です。
まとまった学習時間を取りにくい方やスキマ時間を活用したい方にもおすすめです。
仮想マシンを作って実践学習をする
Linux操作やネットワーク設定などを身に付けたい場合は、仮想マシンを使った学習が効果的です。VirtualBoxやVMwareなどの無償のツールを使って、自宅のPC上に学習用のLinux環境を簡単に構築できます。
実際の運用に近い環境でコマンドを試せるため、書籍や動画だけではつかみにくい部分が理解しやすくなります。
実務に近い作業を通して知識を定着させたい方には、仮想環境を使った学習が向いています。
サーバーエンジニアにおすすめの資格を取得したいなら

資格を取ってスキルの幅を広げても、それをどう活かすかは働く環境によって大きく変わります。せっかく時間をかけて学んでも、評価されなければ仕事へのモチベーション維持も難しくなるかもしれません。
テクニケーションでは、資格取得の支援だけでなく、スキルを活かせる案件選びや単価評価の制度も整っています。エンジニア自身が案件を選べる案件選択制や、資格や貢献度に応じて収入に還元される単価給与連動制など、スキルアップと待遇改善を両立できる制度も特徴です。
また、チーム体制でプロジェクトに取り組む環境も整っており、経験のある先輩からのサポートを受けスキルを高めやすくなっています。
どの資格から始めるべきか迷っている方や、取得後の活かし方に悩んでいる方は、まずはテクニケーションのカジュアル面談で相談してみませんか。応募を前提としないため、今後の選択肢を整理する場として気軽に活用できます。