Python3エンジニア認定基礎試験の難易度は?学習時間や勉強法について解説

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Pythonを業務で扱う機会が増えるなかで、体系的な知識やスキルを客観的に証明できないなどの課題を感じているエンジニアは少なくありません。資格取得は、そのような課題に対してスキルを証明する手段となります。

今回は、Pythonの基礎力を測る資格であるPython3エンジニア認定基礎試験について試験範囲や難易度、効率的な学習方法を紹介します。試験では、実務に直結する内容を体系的にカバーしているので、現場での実務力を引き上げることも可能です。

Pythonスキルを活かしてキャリアの幅を広げたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

Pythonとは

Python


Pythonは、世界中で幅広く利用されている人気の高いプログラミング言語です。なかでもAI開発やデータサイエンスの分野で特に注目を集めており、Webアプリケーション開発や機械学習など多くの用途で活用されています。文法がシンプルでわかりやすいため、学びやすいだけでなく実用性も高いことが魅力です。

さらにPythonには、目的別に使えるライブラリが豊富に用意されていることも特徴の1つです。数値計算用や機械学習用などのライブラリを活用することで、1からコードを書く必要がなくなり、複雑な作業も少ない手間で実現できるようになります。

Pythonエンジニアの需要は年々増加傾向にあるため、今後も現場での活用範囲が拡大するとともに、エンジニアとしてのキャリアアップで重要なスキルとなることが期待されます。

Python3エンジニア認定基礎試験の概要

パソコンと白い紙


Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験です。本試験は、ITエンジニアのスキルやキャリアの指針が示されている経済産業省が定めるITスキル標準(ITSS)で、レベル1として位置付けられています。

主に、Pythonの文法基礎を問われる問題が出題されるため、Pythonの利便性などを正しく理解しているかが重要です。

では、Python3エンジニア認定基礎試験の出題範囲や問題数と出題形式、合格率、有効期限について紹介します。

出題範囲

Python3エンジニア認定基礎試験は、オライリー・ジャパン出版のPythonチュートリアル第4版に掲載されている内容から出題されます。

この書籍はPython入門者を対象としており、Pythonの特徴から全体像の把握まで理解できる公式参考書です。また、14章で構成されており、各章からの出題数も公表されているので受験前には変更がないか公式サイトで確認しておきましょう。

問題数と出題形式

試験勉強


Python3エンジニア認定基礎試験の問題数は全40問の選択式で、試験時間は60分です。試験は試験会場のコンピュータを使って受験するCBT形式のため、通年受験が可能です。

先ほど説明したように、各章の出題数が以下のように公表されています。

  • 1章:1問
  • 2章:1問
  • 3章:6問
  • 4章:9問
  • 5章:7問
  • 6章:2問
  • 7章:1問
  • 8章:4問
  • 9章:2問
  • 10章 :4問
  • 11章 :1問
  • 12章 :1問
  • 13章 :0問
  • 14章 :1問


制御ツールやデータ構造などのPythonプログラミングの文法基礎が出題され、各章で出題比率が異なることにも注意しましょう。

合格率

Python3エンジニア認定基礎試験の合格率は約70〜80%と、合格率は高いです。

試験の合格ラインは正答率70%以上なので、出題範囲と基礎的な知識をきちんと理解しておけば合格できる試験となっています。さらに、現場経験者であれば余裕をもって合格を狙える資格です。

有効期限

Python3エンジニア認定基礎試験の資格に有効期限はありません。そのため、一度合格すれば更新不要で資格を保持することが可能です。

しかし、プログラミング言語は常に学びながらアップデートしていく必要があります。そのため、新しいバージョンの試験が出た場合には、再度新たな試験を受験することが推奨されています。

Python3エンジニア認定基礎試験の難易度

ビジネスマン


Python3エンジニア認定基礎試験は、Pythonの入門〜初級レベルの知識を問う内容で構成されており、難易度はそれほど高くありません。

日常的に現場でPythonに触れている方であれば学習内容の理解も早いため、基本をしっかり押さえていれば十分に合格が狙える試験です。また、合格率も高いので、スキルを証明する資格として取り組みやすいでしょう。

試験対策は、先程紹介したオライリー・ジャパンのPythonチュートリアル第4版を中心に学習を進めることが効果的です。

また、試験を主催している一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が認定しているスクールが提供している模擬試験も活用しましょう。模擬試験を受けることで、本番の出題形式や問題の雰囲気を事前に把握することができます。

私たちテクニケーションでは、スキルアップを全力でサポートするための資格取得支援制度を設けています。資格取得後は、専門性を活かした案件を自ら選べる案件選択制により、自分の強みを活かしたキャリア設計が可能です。

また、チームで働くスタイルを重視しており、経験豊富なエンジニアからの実践的なアドバイスを受けながら実務に取り組むことができます。単価給与連動制により報酬の仕組みも明確で、自分のスキルが正当に評価される環境です。

学んだ知識を確かなキャリアにつなげたい方は、ぜひ一度テクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。

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Python3エンジニア認定基礎試験で必要になる分野

女性


Python3エンジニア認定基礎試験で問われる範囲は文法基礎がメインですが、そのなかでも出題率が高い以下の4つの分野を、簡単に解説していきます。

  • エラー時の例外処理(8章)
  • 制御構造ツール(4章)
  • データの構造把握(5章)
  • 標準ライブラリ(10章)


どの分野の知識も実務経験と照らし合わせることで理解が深まるため、イメージしながら学習を進めるようにしましょう。

エラー時の例外処理

エラー時の例外処理は、実用的なプログラム作成で不可欠な技術です。try-except文の使用方法や、さまざまな例外の種類とその対処法を理解しておく必要があります。

この分野では、プログラム実行時に発生する可能性のある例外の種類や、それらを適切に処理する方法について出題されます。実際のプログラミング現場でも頻繁に使用される技術であるため、理論だけでなく実践的な理解も重要です。

制御構造ツール

プログラミング


制御構造ツールは、試験で出題率が高い範囲なので重点的に学習を行う必要がある分野です。
代表的な内容を以下に紹介します。

  • 条件分岐を行うif文
  • 反復処理を行うfor文
  • 指定した範囲の整数を生成するrange()関数
  • 反復をスルーするbreak文
  • ループ内で以降の処理をスキップし、次の繰り返しに進むcontinue文


その他にもさまざまな制御構造があります。これらの制御構造は、プログラムを効率的かつ柔軟に制御するために必須の知識なので、十分に理解を深めておきましょう。

データの構造把握

Pythonのデータ構造は、プログラムで複数の値をまとめて管理したり、操作したりするための基本要素です。

主に出題される項目と特徴は以下のとおりです。

  • list:順序が大事なデータの格納や追加・削除が頻繁な場合
  • tuple:変更されたくないデータの保持や多重代入
  • set:重複を自動的に除去したい場合や集合演算
  • dict:キーと値のペアで高速にデータを管理したい場合


リストとタプルの違いやそれぞれの特性を理解したうえで使い分ける方法などを、実務のなかでの活用例と照らし合わせて学習するとよいでしょう。

標準ライブラリ

Pythonは豊富な標準ライブラリを備えており、試験ではそのなかでもよく使われるモジュールについて問われることがほとんどです。

Pythonの標準ライブラリは、Pythonをインストールすると最初から利用できる便利なものです。標準ライブラリを活用することで複雑な処理を1から準備する必要がなくなり、効率的に開発を行うことができます。

学習を行う際は、どのような用途で使うかをイメージしながら勉強しましょう。例えば日付操作ならdatetime、ファイルやディレクトリ操作ならosというように、具体的な場面をイメージしながら学習するとより知識が定着しやすくなります。

Python系の資格ごとの学習時間

小さな冊子を見るビジネスマン


Python3エンジニア認定基礎試験のほかにも、以下のようなPythonに関連する資格があります。

  • Python3エンジニア認定データ分析試験
  • Python3エンジニア認定実践試験
  • PythonZen&PEP8検定試験


それぞれの資格で、合格を目指せる学習時間はどれぐらいでしょう。

Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを用いたデータ分析の基礎や方法が出題されます。問題数は選択式全40問で、試験時間は60分です。難易度は中級レベルで、合格ラインは基礎試験と同じく正答率70%となっています。

合格するために必要な時間は、実務経験者の場合は30〜50時間です。そのため、余裕をもって1ヶ月間を勉強期間と設定すれば、無理なく学習を進められるでしょう。

学習を行う際は、基礎知識の習得と並行して実際に自分で分析を行うことで、より知識が身につきやすくなります。

Python3エンジニア認定実践試験

印刷されたソースコードとキーボード


Python3エンジニア認定実践試験は、Pythonの仕様やライブラリなどの使い方が出題されます。2022年に始まった試験で、Python3エンジニア認定基礎試験の上位試験の位置づけです。

問題数は選択式全40問で、試験時間は75分です。難易度は中級〜上級レベルで、合格ラインは基礎試験と同じ正答率70%となっています。

合格するために必要な時間は、40〜50時間程度です。実務経験者の場合は30時間程度で合格を目指すことは可能ですが、Python系の資格のなかでも難しいといわれているので、十分な学習時間を確保しておくとより合格に近づくでしょう。

PythonZen&PEP8検定試験

PythonZen&PEP8検定試験は、Pythonの設計哲学であるThe Zen of Pythonと、公式コーディング規約であるPEP8に関する知識を問う問題が出題されます。

受験料は無料で、問題数は選択式全20問です。Pythonのコードの可読性や一貫性、Pythonらしい書き方を理解しているかが重要視されます。

PythonZen&PEP8検定試験に合格するために必要な時間は、10時間程度です。Python系の資格のなかでは初級レベルなので、実務経験者なら数日の学習時間でチャレンジが可能です。

私たちテクニケーションでは、Java GoldやLPICなど会社が推奨する資格の受験費用や参考書代支給する資格取得支援制度を採用しています。成長意欲のあるエンジニアにとって、大変魅力がある環境です。

さらに案件選択制により、得意分野をはじめ希望する分野の業務に取り組めるため、スキルアップや市場価値を高められるのも大きな特徴です。

また、ベテランエンジニアによる手厚いフォロー体制があるため、成長できる環境が整っています。単価を開示することで自分の市場価値を見える化でき、納得してキャリアを積み重ねることも可能です。

まずはテクニケーションのカジュアル面談で、お気軽にご相談ください。

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Python3エンジニア認定基礎試験取得のための勉強法

学ぶ男性


Python3エンジニア認定基礎試験を受験したいけど、どのように勉強すればよいかわからない方もいるかもしれません。

そこで効率的な勉強法として、模擬試験や過去問の活用学習コンテンツや書籍の利用の2つについて紹介します。

模擬試験や過去問の活用

Python3エンジニア認定基礎試験に合格するためには、模擬試験や過去問を積極的に活用しましょう。試験と同じ形式や時間制限で問題を解くことで、本番の試験環境に慣れることができます。

模擬試験は、Pythonエンジニア育成推進協会の認定を受けたスクールが無料で公開しているものもあるので、有効活用しましょう。また、過去問は出題傾向や自分の苦手分野を知るためにも効果的です。間違えた問題は自分で調べて理解を深めることが重要なので、なぜ間違えたかの復習を行うようにしましょう。

学習コンテンツや書籍の利用

Python3エンジニア認定基礎試験の公式書籍であるオライリー・ジャパンのPythonチュートリアル第4版は、試験範囲を理解するために必須です。

またオンライン学習サービスのPyQでは、Python3エンジニア認定基礎試験に対応したコースがあり、演習問題や模擬試験を通じて学習できます。

自分にあった参考書を活用することが合格への近道なので、学習スタイルにあった教材で効率よく学習を行いましょう。

Python3エンジニア認定基礎試験を取得して上流工程を目指すには

指をさす男性


Pythonスキルを客観的に証明することは、要件定義や設計などの上流工程へ携わるための大きな強みとなります。基礎的なPythonスキルをしっかり身につけ、資格取得によってそれを証明することが重要です。

また、スキルや意欲を正当に評価して成長を後押ししてくれる環境に身を置くことも欠かせません。そうした環境であれば、自分の能力を発揮しながら、よりチャレンジングな案件や上流工程に携わるチャンスを掴むことができます。

SES比較表


私たちテクニケーションでは、案件選択制を導入し、エンジニア一人ひとりのキャリアビジョンやスキルに見合った案件を自由に選択できる環境を提供しています。スキルや能力に合った案件を選べることにより、キャリア形成における制約がない点が魅力的です。

また、チーム制でプロジェクトに取り組むため、ベテランエンジニアからのサポートを受けながら実績を作ることが可能です。ほかにも、スキルに見合った報酬が得られる単価給与連動制の給与体系など、実力がきちんと反映される環境が整っています。

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