ネットワークエンジニアのスキルマップとは?メリットや作成方法、注意点について解説

ネットワークエンジニアとして業務を継続している方は、自分の強みや得意分野を的確に把握できているでしょうか。
「今後はどのような方向へ進むべきなんだろうか」と漠然と不安を抱く方も少なくありません。迷ったときの解決方法の一つにスキルマップの活用があります。
普段何気なく使用しているスキルや経験の習熟度を可視化することで、現在の職場でのキャリアアップはもちろん、転職活動でも効果的なツールです。
スキルマップを効果的に活かすことで、自分の市場価値を知り、理想的なキャリアパスを実現しましょう。
本記事では、ネットワークエンジニアのスキルマップのメリットや作成方法から注意点について解説します。ぜひ、効果的に活用してみてください。
目次
スキルマップとは

スキルマップとは、個人のスキルの習熟度や知識のレベル、業務の経験度を可視化した一覧表を指します。
スキルマップを構成する要素として、厚生労働省が発行している職業能力評価基準によると、以下の3点が主な項目です。
- スキル:ハードスキルとソフトスキル
- 各スキルのレベル:4段階評価が主流
- 目標とする具体的な設定:SMARTの法則の推奨
ハードスキルはネットワークエンジニアとしての専門的な知識と、技術的なスキルやビジネススキルまでをカテゴライズ(分類)しましょう。
ソフトスキルは参画した業務でのコミュニケーション力やマネージメントスキルを分析することも重要です。
スキルレベルはレベル1の指導を受けながらの業務とレベル2の自力で基本業務の遂行、レベル3は応用的な業務の遂行と他者への指導と、レベル4は専門家レベルに分けて評価してみましょう。
目標設定をする際に用いるSMARTの法則を詳しくみていきましょう。
- Specific(具体的):目標のを明確に数字を交えて設定
- Measurable(測定可能):目標の達成度を測定可能な指標を設定
- Achievable(達成可能):目標が現実的かどうかを検討
- Relevant(関連性がある):目標が自身のキャリアと関連があるか検討
- Time-bound(期限が明確):目標達成の期限を設定
曖昧な目標にならないように、具体的かつ詳細な目標設定を行うことが重要です。
また、スキルマップの構成要素の的確な活用で、キャリア形成は実用的なツールとして効果を発揮します。
ネットワークエンジニアのスキルマップのメリット

自身のスキルの可視化や数値化をすることで、現在不足しているスキルを明確に把握できます。また、ほかのエンジニアと、比較もしやすくなるでしょう。
不足しているスキルを明確にすることで、自分を客観的に見直すことができ、今後の成長につながる新たな分野への気付きも得られるはずです。
スキルマップの作成で得られるメリットは以下のとおりです。
- モチベーションがあがる
- 今後のキャリアパスが明確になる
- 転職活動へ活用できる
スキルを可視化することで現在の立ち位置や課題が明確になり、日々の業務への姿勢や目標設定にもよい影響を与えるでしょう。
モチベーションアップになる
スキルマップの作成はネットワークエンジニアにとってもモチベーションアップにつながります。
不足しているスキルや経験、知識の可視化によって学習目標ができ、日々の業務への取り組み方も前向きになります。
定期的にスキルマップを更新することも、達成度がわかりやすいのでおすすめです。
キャリアアップを考える糧になる
自分に足りないスキルが数値化されるので、ほかのエンジニアとの比較や先をいく先輩エンジニアとの比較も容易にできます。
スキルアップした先には、できなかった業務にも参画できるようになるため、将来のキャリアパスを考える際の判断材料になっていくでしょう。
転職を考える際の参考になる

転職を考える際にスキルマップは有効的なツールとなります。自分の強みを具体的に理解ができ、目指す転職先で求められるスキルの差を明確に分析できます。
転職活動では単なるスキルの羅列ではなく、使えるスキルで何を達成したかを成果と紐づけることが重要です。
志望する企業で求められるスキルに不足がある場合は、重点的にスキルアップを図り、補強しておくことで面接時に自分の成長意欲や適応力を積極的にアピールが可能になります。
私たちテクニケーションでは、自由に案件を選ぶことができる案件選択制や先輩エンジニアと一緒に仕事ができるチーム制プロジェクトを取り入れています。
自分に足りないスキルはハイレベルな同僚や先輩と一緒に働ける環境にあるため、さまざまな経験を積み、磨いていけるでしょう。
「ネットワークエンジニアとして成長を目指したい」と将来のキャリアパスを日々の業務をしながら考えていきたい方は、ぜひ一度テクニケーションのカジュアル面談にご相談ください。
ネットワークエンジニアのスキルマップの作成方法

ネットワークエンジニアのスキルマップの作成の方法は、まず必要なスキルのリストアップから始めましょう。
一般的にExcelやスプレッドシートで一覧表を作成します。縦軸には必要なスキルや知識と業務内容、横軸にはスキルの達成度を表す評価レベルを記載します。
評価レベルは5段階から3段階(〇△×)と習熟度を設定できるので、理解しやすいレベル表記をしましょう。
参考になるスキルマップのフォーマットとして厚生労働省の職業能力評価シートと独立行政法人の情報システムユーザースキル標準(UISS)が参考になります。
ネットワークエンジニアに必要なスキルをリストアップする
IT業界でスキルのリストアップをするなら以下の3点から始めましょう。
- OSでの開発やシステム管理経験:LPIC-1など
- ネットワークの知識:ネットワークプロトコルや機器の知識とCCNAの資格など
- ネットワークセキュリティ:TCPやIPとファイアウォールなど
ネットワークエンジニアの仕事は主に下流工程の運用と保守、上流工程の設計と構築のしごとがあります。それぞれの経験によってもスキルは異なります。
今までやってきた案件と紐づけてリストアップしてみましょう。
スキルの習得状態を記載する
リストアップした各スキルに対して、自分の現状のレベルを自己評価していきましょう。必要なら実績や成果をだした物や数字なども付け加えるとさらに、分りやすくなります。
可視化したスキルマップを作成する際に、気を付けなければいけないことの一つに自己評価する際に客観的な視点を忘れないことです。
自己評価の際は、過大評価や過小評価になりすぎないように、可能なら上司や同僚に確認してもらうことがおすすめです。
ネットワークエンジニアのスキルマップの注意点

スキルマップを作成するにあたっての注意点があります。「作成しても意味があるのか?」と疑問をもつケースもあるでしょう。
気を付けなければならない点は以下の3点です。
- スキルの項目を具体的に記載する
- スキルマップを作成する目的を明確にする
- 作成したスキルマップを定期的に更新する
スキルマップは今後のキャリアパスを明確にするうえで有効です。現在の職場だけではなく転職市場でも、自身の市場価値を高める重要なツールとなります。
具体的な項目を設定する
スキルのとらえ方は、業務にどのように関与するかによって変わってきます。
例えば問題解決力といっても、業務改善や顧客対応、トラブル対処や社内調整などの状況によって求められるスキルは大きく異なります。
自分の不足しているスキルを磨くために、より具体的かつ細分化をした項目の設定が必要になるでしょう。
作成したままにせず更新する
自分では気付いていなかったスキルを、日々の業務を通じて周りの同僚や先輩エンジニアの行動から新たに気付く場合もあり、随時スキルマップに反映させることが重要です。
一度作成して終わりではなく、スキルマップの定期的な更新は、自分の成長や課題を継続的に振り返ることができます。
スキルマップを活かしたネットワークエンジニアの転職

スキルマップで自分のスキルに対してのレベルが可視化したことにより、IT業界での立ち位置が客観的に把握できます。
自分が補充するスキルが今後、どのようなキャリアパスが自分に向いているのか、明確に見えてくるはずです。
スキルマップで整理した自分のスキルセットをもとに、志望する企業や職種が求めるスキルとのギャップを分析することで、応募先の選定や自己PRの方向性を明確にできます。
キャリア相談に活かす
スキルマップの提示は、現状の自分の強みと希望や、今後伸ばしていきたい分野を具体的に伝えられます。
キャリアパスの実現にむけてスキルマップなどと連動することで、目指すべき職種やポジションが明確になり、必要なスキル習得計画の相談もしやすくなります。
「いつまでに資格を取得する」などの時間軸を加えることでより、現実的に目標達成に近づけることができるでしょう。
応募書類に活かす

定期的に更新してきたスキルマップは一覧表にまとめられているため、応募書類に添付も可能です。
また、職務経歴書や履歴書にスキルマップから選択した強みを簡潔にまとめ、さらにはスキルの明記だけでなく習熟レベルや実務経験年数も一緒に記載すると説得力があります。
応募書類に記載する際は、志望企業や志望職種が求めるスキルを強調することが重要です。
面接に活かす
スキルマップにまとめられた自分の強みと課題への取り組みを段階的に説明ができるため、自分のスキルを説得力をもってアピールできます。
面接官から問われる「今後伸ばしたいスキルはありますか?」「どのような経験を積んできましたか?」などの質問には、スキルマップが台本として整理された回答ができるため、分りやすく伝わります。
面接の説明材料としてたいへん有効的です。
私たちテクニケーションでは、エンジニアの成長を後押しする、資格取得支援制度を導入しています。業務をこなしながら学習できる環境が整っているため、着実にスキルアップが可能です。
また、自分が目指すキャリアパスに向かって経験を重ねられるように自由に案件が選べる案件選択制を採用しています。興味のある分野の案件にも参画できるため、挑戦しやすい環境です。
「さらに成長を目指したい」「自分の市場価値を高めたい」という方は、一度テクニケーションのカジュアル面談にご相談ください。
ネットワークエンジニアのキャリアパス

現代社会に欠かせない通信インフラの設計や構築を担うネットワークエンジニアは、高度な専門性が求められる職種です。
キャリアパスによって、必要とされるスキルや知識の方向性はさまざまです。ネットワークエンジニアの代表的なキャリアパスを3つ紹介します。
それぞれの特徴と必要スキルもあわせて解説していきます。
スペシャリストへのキャリアアップ
ネットワークエンジニアは、特定分野の専門知識やスキルを深めることで、スペシャリストとしてのキャリアを築く道があります。
スペシャリストとしてキャリアアップを考えている方に必要なスキルは以下のとおりです。
- CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert):国際的にも高い評価
- ネットワークスペシャリスト試験:専門性の高い大変高難易度の国家試験
- 情報処理安全確保支援試験:情報とセキュリティの国家試験
上記に挙げたスキルは、ネットワークエンジニアとして高い知識と技術を証明できる試験になります。
専門性がたいへん高いので、エンジニアとしての市場価値と収入も上がり、活躍できる場も増えていきます。
ゼネラリストへのキャリアアップ

IT全般の知識とネットワーク技術の習得で、上流工程からシステム全体を見渡せるようになり、プロジェクトマネジャーとして大きな案件に参画も可能です。
IT技術に加えて経営知識の習得で、ITの専門的な視点から経営課題の解決やクライアントの利益向上に貢献でき、ITコンサルタントとして活躍も可能になります。
ゼネラリストとして必要なスキルは以下のとおりです。
- CCNA・CCNP:Cisco認定のベンダー資格
- 応用情報技術者試験:基本情報技術者試験の上位の国家資格試験
Cisco社のネットワーク機器に限らず、ネットワーク全般の証明資格として多くの企業で認められている資格になります。
フルスタックへのキャリアアップ
フルスタックエンジニアはシステム開発で、フロントエンドからバックエンド、インフラまでの幅広い範囲を一人で扱えるマルチエンジニアです。
全工程を担うなかで専門領域を広げていくため、常に技術と知識をアップデートし続けることは不可欠です。
また、必要なスキルは、基礎知識の習得と上位スキルに位置づけられる有効的なスキルを紹介します。
- 応用情報技術者試験:情報技術の応用能力とシステムに関する知識
- データベーススペシャリスト試験:データベースに関する知識
- ITストラテジスト:国家資格でIT分野で経営戦略を実現する人材
- CCNP:シスコシステムズ社のベンダー資格でグレードの高い3番目の資格
オールラウンドなスキルを求められるフルスタックエンジニアは、未経験からすぐに目指すのは難しい職種です。
ですが、現場での経験を重ねながらスキルを広げていくことで、ネットワークエンジニアとしてのキャリアアップにとても有効な選択肢になります。
スキルマップを活かして他のSES企業に転職しよう

ネットワークエンジニアにとってのスキルマップの必要性と作成方法から注意点まで解説してきました。
現在SES企業で、「現在の職場には将来性が感じられない」「自分のスキルをもっと活かし、キャリアアップしたい」と転職を考えている方も少なくありません。
これからも需要が高まるネットワークエンジニアの職種は、市場からも求められていきます。
テクニケーションは、案件選択制やチーム制でエンジニアが経験を積みやすい職場環境が整っている企業です。
自分が成長できそうな案件を自由に選んで経験を積んでいけば、より早いスピードで理想のキャリアパスに近づけます。
また、資格支援制度の採用によりスキルアップ支援にも協力的です。会社が推奨する資格には、受験費用や参考書代の支援もあり、仕事をしながら資格も取得可能です。
将来のキャリアアップを目指すなら、テクニケーションのカジュアル面談で一度、ご相談ください。