エンジニアのスキルマップって?作成方法や必要な理由についても解説

エンジニアのキャリアアップのために、スキルマップはとても大切です。スキルマップを作成すると、自分の目標達成のために何が必要なのかを可視化できます。そのため、エンジニアとしての成長や評価に不安がある方にこそ、スキルマップは重要なツールです。
しかし、スキルマップが大切であることは聞いたことがあっても、そもそもスキルマップがわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スキルマップの重要性や作成方法を具体的に解説していきます。キャリアアップに必要なスキルマップを作成できるようになるために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
エンジニアのスキルマップについて

スキルマップとは、自分やチームメンバーのスキルを可視化し、評価される基準を作るためのツールです。自分の持っているスキルや知識、これまでの経験を整理して一覧化します。スキルは熟練度によって段階的に評価され、レベルごとに表記するのが一般的です。
このスキルマップにより、保有スキルや熟練度が誰が見てもすぐに把握できるようになります。個人としてのキャリアアップのツールとして使用するのはもちろん、組織全体の底上げにも役立ちます。
スキルマップは力量管理表・スキルマトリクス・力量表・スキルマトリックスと呼ばれるケースもあるため、覚えておきましょう。
エンジニアにスキルマップが必要な理由

スキルマップはエンジニア個人にとっても、管理者にとっても便利なツールです。
スキルマップを作成すると、さまざまなメリットを得ることができます。具体的にどのようなメリットが得られるのか、詳しくみていきましょう。
スキルの可視化ができる
スキルマップの作成により、個人が持っているスキルが可視化できます。エンジニアのスキルはプログラミングやPC業務に必要な基礎的なものから、専門的なスキルまでさまざまです。
例えば、同じITエンジニアでもソフトウェア開発やプログラミングを行うエンジニアと、データベースの設計や開発・運用を行うエンジニアでは必要なスキルが異なります。
複数の分野にまたがった業務内容をこなすこともあり、求められるスキルやプログラミング言語は変わってくるでしょう。
スキルマップがあれば、個人が持つそれぞれのスキルをひと目で把握できるようになります。自分の得意分野や弱点が明確になり、今後のキャリアアッププランを立てるのに役立つでしょう。
モチベーションの向上につながる

スキルマップはエンジニアのモチベーション向上にもつながります。各エンジニアのスキルマップを比較すると、自分が現在どの立ち位置にいるかを把握できるようになるでしょう。
同期のエンジニアが自分よりも高い評価であれば、競争心が高まり、さらに努力しようと思えるはずです。また、以前のスキルマップと比較すれば、自分自身の成長を視覚的に把握できます。
自分の成長を感じられれば、達成感を得られ、今後も成長し続けたい気持ちを維持できるでしょう。
メンバーの評価管理がしやすくなる
スキルマップは人事評価にも役立ちます。エンジニアは一般職よりも評価項目が多く、適切な判断が難しいと感じる人事担当も多いでしょう。
年功序列がいまだ根強く、実際のスキルよりも勤続年数や年齢が評価対象になっている企業も少なくありません。スキルマップを作成すると、エンジニアの立ち位置が明確になることで人事評価の根拠資料となり、公平な評価がしやすくなります。
さらに、現在のスキルマップと過去のスキルマップを比較すると、対象のエンジニアの成長が把握できます。納得のいく評価をしてもらうことで、エンジニアのモチベーション向上にもつながるでしょう。
効率的に研修を行うことができる

スキルマップがあることで、エンジニアが現在持っているスキルだけでなく、不足しているスキルをひと目で把握できます。
すでに持っているスキル習得のための研修をしても、効果はあまり得られません。現状不足しているスキルに絞って研修すれば、必要なスキルを優先的に強化し、エンジニアを効率的に育成できるでしょう。
足りないレベルを効率的に上げることで、エンジニア個人だけでなく組織全体のスキルアップにもつながります。自社に足りていない技能が把握できるため、研修だけでなく、必要に応じて新しい人材の登用も可能です。
エンジニアがスキルマップを作成するために確認したいこと

エンジニアがスキルマップを作成する前に、いくつかの準備が必要です。しっかり準備してからスキルマップを作成すれば、キャリアアップに役立つ有効なスキルマップを作成できます。
ここからはスキルマップを作成するにあたり、準備するポイントや確認しておくべき内容を解説していくため、ぜひ参考にしてください。
持っている資格や現在の状況
まずは、持っている資格や現在の状況を洗い出しておきましょう。エンジニアには必ずしも資格が必要なわけではありませんが、なかには国家資格やベンダー資格を持っている方もいます。
資格があればキャリアアップや転職の武器になるため、書き出しておくのがおすすめです。公式な資格以外にも、深い知識をもった分野があれば、スキルとして役立てることができます。
資格やスキル以外にこれまでに関わったプロジェクトも、一覧でまとめておきましょう。また、現在自分が担当している業務の洗い出しもポイントです。業務を細かく分類し、自分にしかできない業務を知っておくと評価しやすくなります。
エンジニアとしてスキルマップを広げ、キャリアアップを目指すなら、私たちテクニケーションが全力でサポートします。テクニケーションは資格取得支援制度を通じて、エンジニアが必要なスキルや知識を効率的に学び、キャリアに直結する資格を取得できる環境を整えています。資格取得の費用負担を軽減しながら、新しい分野への挑戦をバックアップします。
また、テクニケーションでは、あなたが挑戦したいプロジェクトや身に付けたいスキルに合った仕事を選べる案件選択制を採用しています。自分の成長プランに合わせて実務経験を積むことができるため、スキルの幅を計画的に広げることが可能です。
さらに、チーム制を採用しており、大規模プロジェクトや複雑な課題にも仲間と協力しながら取り組むことができます。実務を通じて高度なスキルを習得し、一人では得られない成長を実感できる環境です。
「スキルマップを拡大して理想のキャリアを実現したい」と考えている方は、ぜひお気軽にカジュアル面談でご相談ください。
エンジニアとしてのキャリアの方向性

エンジニアとしてキャリアアップしていくためには、どのような目標に向けて努力しているのか、方向性を決めておく必要があります。具体的なキャリアパスを描くことで、必要なスキルや経験が把握しやすくなるでしょう。
例えばエンジニアのスペシャリストを目指すならば、ひとつの分野に特化し、専門的なスキルを身に付ける必要があります。幅広い業務を行うゼネラリストや管理職であるマネージャーを目指す場合は、チーム全体のマネジメント能力が求められるでしょう。
フリーランスとして独立したいと考えている方は、エンジニアとしてのスキルだけでなく営業や経理などのスキルも必要です。
自分がどの分野に向いているかわからない方は、まず自己分析を行いましょう。適性や能力・価値観を客観視すれば、自分に合った方向性が見えてくるはずです。
スキルマップの作成方法

スキルアップの重要性や準備しておくべきポイントを解説しましたが、具体的にどのように作ったらよいかわからないと思っている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、スキルマップの作成方法を段階別に解説していきます。
スキル名を入力する

スキルマップの作成にはExcelやGoogleスプレッドシートを使うのがおすすめです。その他にスキル管理のための専用ツールもあるので、システムを導入する方法もあります。
ツールが決まったら、記入するスキル項目を決めましょう。スキルマップ作成の目的やエンジニアの役割によって、記入するスキル項目は異なります。
例えば、セキュリティエンジニアであれば、情報セキュリティやセキュアプログラミングの知識・セキュリティに関する法令や規格に関する知識がスキル項目として有効です。また、クラウドエンジニアであれば、オンプレミスやサーバー・ネットワークの知識が求められます。
エンジニアの種類や目標に向けたスキル設定を行いましょう。スキル項目はできるだけ細分化し、具体的なスキル名への設定が大切です。
段階評価を入力する
スキル項目が決まったら、数値や記号を使って段階評価を入力していきます。1~5までの5段階評価や、A・B・Cや○・△・✕などの3段階評価で可視化するのが一般的です。
階層を多くしすぎると、管理が大変になるので注意しましょう。3段階~5段階程度で評価基準を設定するのがおすすめです。
評価基準を設定したら、自分のスキルを客観的に評価し、各セルに入力していきましょう。高すぎる自己評価は、現実との差が出てしまうので注意が必要です。反対に低すぎると、必要な成長ステップを逃しかねませんので、適正な自己評価が求められます。
条件付き書式などを活用して見やすくする
最後に条件付き書式を使って、見やすくしていきます。スキルマップは視覚的に自分を評価するためのツールなので、ひと目で情報を把握できることが大切です。
そのため、条件付き書式を使い、パッと見ただけで自分の強みと弱みを把握できるようにしておきます。一定以上のレベルのセルや基準値に満たないレベルのセルを別の色にすると、すぐに全体の状況を把握できるでしょう。
また、管理者のスキルマップの場合も、条件付き書式は便利です。プロジェクトのメンバーを決めるときなど、レベル別に色が付いていると、絞り込みやすくなります。
スキルマップ作成時の注意点

ここからは、スキルマップ作成時の注意点を解説します。
要点を押さえておかないと、成長に必要なスキルマップにならない可能性があるため、注意が必要です。
落とし穴に注意して、成功するスキルマップを作成しましょう。
短期目標・長期目標を設定する
まずは、短期目標と長期目標を設定します。短期目標は半年以内に達成したい目標です。
取得したい資格やできるようになりたい作業内容を目標にするとよいでしょう。長期目標は5年以内に達成したい大きな目標です。キャリアパスに基づいた具体的な目標を定めてください。
具体的に目標を立てておくことで、キャリアアップに向けた行動がしやすくなります。また、ゴールがわかっていることで、モチベーションも維持しやすいでしょう。
定期的に更新を行う

スキルマップを作成して満足してしまう方も多いですが、それで終わりにせずに定期的な更新をすることが大切です。
自分が身に付けたスキルを追加したり、熟練度が上がったスキルのレベルを上げることで、視覚的に自分の成長を把握できます。チームとしてのスキルマップの場合には、メンバーの更新も必要です。
メンバーからのヒアリングも行いながら、その都度必要なスキルを追加します。作成時には気付かなかった課題が出てきた場合は、変更の過程を記録に残しておくと便利です。
スキルマップを定期的に見直すことで、自分自身やチーム全体を成長させたり、課題を解決したりするのに役立つスキルマップになるでしょう。
評価は複数人で行う

スキルマップの評価を自分だけ、または管理者が一人だけで判断すると、評価が偏る危険性があります。そのため、一人で評価するのではなく、複数人で客観的に評価しましょう。
異なる視点から評価すれば、業務の新たな側面や別のスキル項目が見えてくる可能性もあります。自分の評価と周りの見方の差にも気付くことができ、成長の糧になることでしょう。評価者を選ぶ際には、公平に評価できる人材を選ぶことが大切です。
スキルマップを拡大する方法

スキルマップは単なるスキルの棚卸しツールではありません。スキルマップを拡大して、最大限に活用していきましょう。スキルマップの拡大には、下記の方法が効果的です。
- 専門性を深める
- 横断的なスキルを習得する
- 市場のトレンドに合わせて更新する
- 現場経験を増やし、実践力を向上させる
現在のスキルマップで自分に足りない分野を特定し、専門的なスキルを身に付けましょう。情報セキュリティやAIスキル、クラウド技術を習得すると、新たな分野で活躍できるようになる可能性があります。
また、専門的なスキルだけでなく、マネジメントやコミュニケーションスキルなどほかの職種との連携に必要な横断的スキルを身に付けることも大切です。それにより、視野が広がり、自身の成長に役立つでしょう。
エンジニア業界はトレンドが日々変化しています。現状のスキルや経験で満足するのではなく、新しい技術や業界のトレンドに常にアンテナを張り、時代に合ったスキルを身に付けるようにしましょう。
さらに、現場経験を増やすことで、実践力向上にもつながります。上司や同僚から受けたフィードバックは定期的にスキルマップに反映させていきましょう。
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スキルマップを拡大するなら高還元SES企業での仕事に挑戦しよう

エンジニアのスキルマップの重要性や作成方法を解説してきました。エンジニアとしてキャリアアップし、長く活躍するためにはスキルマップの作成が重要です。自分の得意なところと足りないところを可視化し、成長につなげることができるでしょう。
スキルマップは作成するだけで満足するのではなく、定期的な更新やスキルマップの拡大が大切です。スキルマップを効率的に拡大したい方は、高還元SES企業での仕事がおすすめです。
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