組込みエンジニアにおすすめの資格は?難易度や勉強方法についても解説

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近年組込み技術の重要性が高まる中、専門性の高いこの分野でキャリアを築くエンジニアにとって、スキルの可視化は大きな課題です。

組込み開発はほかのIT分野と比べて専門性が高いため、自身の市場価値やキャリアパスが見えにくいと感じるエンジニアも多いのではないでしょうか。

この記事では、組込みエンジニアの市場価値を高め、キャリアアップを実現するための資格について詳しく解説します。SES企業やフリーランスとして活躍したい方におすすめの資格や、その難易度、効果的な勉強方法までカバーしています。

ぜひ、組込みエンジニアとしてのキャリア形成や年収アップを目指す際の参考にしてください。

組込みエンジニアに求められるスキル

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組込みエンジニアに求められる重要なスキルは、以下の5つです。

  • 戦略的思考力
  • 要件定義・設計スキル
  • 開発技術力
  • マネジメント能力
  • 資産管理能力


組込みエンジニアは、IoTを含む組込みシステムの開発において、さまざまな能力を総合的に発揮する必要があります。

市場動向を把握し競争力ある製品戦略を策定する戦略的思考力は不可欠です。システムの機能要件を分析し、ハードウェアとソフトウェア間で適切な機能分担を実現する要件定義、設計スキルも重要となります。

実践面では、リアルタイムOSの知識や汎用モジュールの活用力といった開発技術力が求められます。また、開発工程を主導し後進を指導するマネジメント能力も欠かせません。

また、開発資産の再利用性を評価し、拡張性のあるシステム設計を行うための資産管理能力も重要です。

IoT技術の急速な発展により、これらのスキルをバランスよく持ち、変化する市場ニーズに柔軟に対応できる組込みエンジニアの重要性は今後さらに高まっていくでしょう。

組込みエンジニアが資格を取得するメリット

悩む男女のビジネスマン


資格は形式的なものと思われがちで、取得しても意味がないと感じる方もいるかもしれません。しかし実際に組込みエンジニアの資格を取得できると、大きなメリットがあります。

具体的にどのようなメリットがあるのかを、みていきましょう。

スキルを客観的に証明できる

資格を取得すれば、自身のスキルレベルを客観的に第三者へ示すことができます。特に転職活動や社内昇進の際には、スキルの証明として大きな強みです。

スキルアップにつながる

資格の勉強過程では現場業務だけでは触れにくい新しい技術や体系的な知識を習得できるため、効果的なスキルアップにつながります。日常の開発業務では得られない広い視野を養うことができるのです。

例えば組込みソフトウェア技術者試験の知識は、リアルタイムOSやマイコン制御など、実際の開発現場で頻出するテーマへの理解を深めるのに役立ちます。

また資格勉強を通じてC言語やアーキテクチャの基礎を再確認することで、バグの原因究明やレビューの質も向上できるでしょう。現場でなぜその設計にしたのかを説明できるエンジニアは信頼されやすく、資格学習はその力を底上げする手段ともいえます。

年収アップが期待できる

資格取得は年収アップにも貢献します。特にフリーランスやSES企業で働く場合、資格が案件単価に直結することも少なくありません。案件獲得や単価交渉の際に、保有資格が選択肢を広げる強力なツールとなります。

高還元SES企業であるテクニケーションでは、スキルの向上や収入アップを目指すことが可能なエンジニアファーストのSES企業です。高還元SESとは、エンジニアの単価に対する還元率が高いSES企業を指します。

高還元SESの実現に向けた取り組みとして、単価給与連動制を採用しています。実力に見合った報酬を得られる仕組みになっていますので、実力がある方ほど高い収入を得ることが可能です。

実力に見合った報酬を得られることは正当に評価されていることになるため、モチベーションにも大きく影響します。高いモチベーションで業務を行えば、クライアントへのサービスの質も高くなり、よりよい成果物を納品することにつながります。

また、自身の市場価値を高められる案件選択制も採用しています。この制度を通じて、エンジニアは自分の得意分野や成長したい領域に専念できるため、やりがいを持って仕事に取り組むことができます。

「年収アップを目指したい!」「自分の市場価値を高めたい!」とお考えの方は、ぜひカジュアル面談にてキャリア形成をお聞かせください。

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組込みエンジニアにおすすめの資格と難易度

パソコンとスマホを使いながら考える女性


組込み系の分野にはさまざまな資格があり、自分に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。現場で役立つのか、キャリアアップに有利かどうか、さらには試験の難易度などを考慮する必要があります。

組込みエンジニアにとっておすすめできる資格を、難易度とあわせてご紹介します。ご自身のスキルレベルや目指すキャリアに合わせて、資格選びの参考にしてください。

応用情報技術者試験

IT全般の知識が問われる国家試験です。組込み分野だけでなく、プロジェクトマネジメントやセキュリティ、ネットワークなど幅広い知識を網羅しています。

2009年4月の情報処理技術者試験制度改正で、旧ソフトウェア開発技術者試験の後継として誕生しました。

前身の試験がソフトウェア開発に重点を置いていたのに対し、応用情報技術者試験は5つの人材像を想定しています。5つの人材像は以下のとおりです。

  • ストラテジスト
  • システムアーキテクト
  • サービスマネージャ
  • プロジェクトマネージャ
  • テクニカルスペシャリスト


そのため出題範囲も広がり、テクノロジ系だけでなく、マネジメント系やストラテジ系の問題も含まれるようになりました。

応用情報を取得することで、技術力の土台を固めることができます。春期と秋期の年に2回、実施されます。難易度は、中級から上級です。

ETEC(組込み技術者試験)

組込みシステム分野に特化した知識とスキルを評価する民間資格です。C言語やRTOS、ハードウェア制御など、実務に即した範囲から出題されます。現場で求められる知識の基礎固めに適しており、実践に直結しやすい内容となります。

合格基準はなく、試験の結果がスコアとして数値化され、受験者の技術力をしめす方式です。エントリレベルのクラス2とミドルレベルのクラス1の2段階に分かれています。クラス1を受験するには、クラス2で800点満点中500点以上のスコアを取得する必要があります。難易度は、初級から中級です。

OCRES(OMG認定技術者資格試験)

UML教育研究所が実施し、130ヶ国以上で通用する国際資格です。組込みソフトウェア開発者向けで、UML知識を重視しています。

OCUPファンダメンタル、OCRESインターメディエイト、OCRESアドバンストの3段階があります。上位レベルに合格しても、下位レベルの試験に合格しなければ資格として認定されないのが特徴です。

UMLはシステム全体像の把握に役立つため、ハードウェアとソフトウェアが混在する複雑な組込みソフト開発現場でも、UMLの技能を持つ人材は重宝されるでしょう。

またOCRESは世界基準の資格のため、取得すれば国際的に通用するエンジニアとして認められることになります。難易度は中級から上級です。

JSTQB認定テスト技術者資格

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ソフトウェアテストにおける国際的な認定資格です。グローバルな基準に沿った力を証明する手段として活用されています。

現代社会ではソフトウェアが生活のあらゆる場面に浸透するのに伴いソフトウェアの不具合発見のためのテスト需要も拡大しています。高品質なソフトウェア開発には確かなテスト技術が必須であり、テストエンジニアの技術力を評価するために設立されました。難易度は初級から中級です。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

組込みシステム専門のエンジニア向け国家資格です。

IoT含む組込みシステムは高い安定性と安全性が求められ、ソフトウェアとハードウェア両面の専門知識とマネジメント能力を持ち、システム設計と構築を主導できる人材を評価します。

スマート家電やドローンの普及により組込みシステムの需要が高まり、専門家の重要性も増しています。難易度は上級です。

LPIC

Linuxシステムの構築と運用、保守とトラブル対応に関するスキルを証明する、国際的な認定資格です。日本企業の7割ほどがLinuxを導入しており、インターネットサーバーの50%以上でLinuxが使用されているため、需要は高くなっています。

3つのレベルに分かれており、ステップアップ型のため下位試験に受かっていないと上位試験に進めません。難易度は中級です。

LinuC

Linux環境での組込み開発に関わる方向けの、実務に直結した出題傾向が特徴です。LPICと似ていますが、LinuCの方が国内に特化しています。

試験範囲は実際の運用に即しレベル1から3まで設けられています。難易度は、中級です。

組込みエンジニアが取得する資格を選ぶポイント

ログラミング


多種多様な資格試験があるなかで、選ぶポイントは以下の3点です。自身の今のスキルレベルに合っているか、将来のキャリアに直結しているか、そして企業の評価が高いかになります。

初級レベルでは、組込み技術の基礎を学べるETECクラス2や、ソフトウェアテストの基本を問うJSTQB Foundation Levelがおすすめです。これらは未経験者や若手エンジニア向けで、現場で必要な基本スキルを身につけるのに役立ちます。

中級レベルの経験者には、実務に即した知識を評価するETECクラス1や、Linux技術を認定するLPICやLinuCがおすすめです。

また国家資格である応用情報技術者試験や、UML設計力を問うOCRESインターミディエイトも中級レベルに該当し、業務の幅を広げたい中堅エンジニアに適しています。

上級レベルでは、より高度な専門性とマネジメント能力が求められます。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験は、組込み分野の国家試験のなかでも難関とされ、IoTやスマートデバイスに関わる技術者にとって強力な証明になるでしょう。

OCRESアドバンストなどの国際資格も、世界で通用する技術者を目指すうえで有効です。

自分の現在地と将来像を明確にし、段階的に資格取得を進めていくことで、キャリアアップへの道が開けます。

テクニケーションでは、会社が推奨する資格の受験費用や参考書代支給といった資格支援制度を取り入れて、エンジニアのキャリアサポートを行っています。

高還元SESの実現に向けた取り組みとして、単価給与連動制を採用しています。実力に見合った報酬を得られる仕組みになっていますので、実力がある方ほど高い収入を得ることが可能です。

また、自身の市場価値を高められる案件選択制も採用し、自分の得意分野や成長したい領域に専念できるため、やりがいを持って仕事に取り組むことができます。

一人で行う案件もありますが、チームで行う案件も中にはあります。チームで1つのプロジェクトを進めていくため、効率よくプロジェクトを進行できるうえ、質の高い成果物を提供することが可能です。

キャリアに不安のある方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でお気軽にご相談ください。

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組込みエンジニアの資格取得に向けた学習方法

パソコン持つ笑顔のビジネスマン


各資格には公式テキストや過去問を中心に学習を進めましょう。実際の業務とリンクさせながら学習すると、知識の定着率が上がります。

試験対策のためのオンライン講座や勉強会も増えているので、独学が難しい場合は利用しましょう。

長期戦になることがあるため、計画的にスケジュールを立てて学習を進めることが大切です。

組込みエンジニアの指標となるETSS(組込みスキル標準)とは

タブレットパソコンとグラフ


ETSSとは、組込み業界で求められるスキルやキャリアの指針を示したものです。経済産業省の支援のもとで整備されており、企業の人材育成にも活用されています。

スキル基準

技術スキルの可視化を目的として、組込みソフトウェア開発に必要な能力を次の3つのカテゴリに分類しています。

  • 技術要素
  • 開発技術
  • 管理技術


さらに各カテゴリのスキル項目は、以下の4段階のレベルでスキル診断が行われる仕組みです。

  • 初級
  • 中級
  • 上級
  • 最上級


ETSSのスキル基準は、組込みエンジニアが自身の現在地を把握し、成長の道筋を明確にするための優れたツールです。

スキルレベルごとに必要な能力や役割が整理されているため、自分がどの領域を強化すべきかを客観的に把握できます。また企業にとっても社員のスキルを可視化することで、配置転換や人材育成に活用できます。

キャリア基準

ETSSで定義されている組込みシステム開発の専門分野と職種は、以下の10種類です。またそれぞれ1から7段階のキャリアレベルがあります。

  • 組込みシステムのプロジェクトマネージャ
  • 組込みソフトウェア開発のプロジェクトマネージャ
  • 組込み関連技術のドメインスペシャリスト
  • 組込みアプリケーション開発のシステムアーキテクト
  • 組込みプラットフォーム開発のシステムアーキテクト
  • 組込みアプリケーション開発のソフトウェアエンジニア
  • 組込みプラットフォーム開発のソフトウェアエンジニア
  • 組込みソフトウェア開発のブリッジSE
  • 組込みソフトウェア開発の開発環境エンジニア
  • 組込みソフトウェア開発プロセス改善スペシャリスト
  • 組込みソフトウェア開発QAスペシャリスト
  • 組込みシステム開発のテストエンジニア


キャリア基準は、職種ごとの専門性と責任範囲を明確にし、組込みエンジニアが将来的に目指すべきキャリアパスを可視化しました。企業にとっても、各職種ごとの期待値を基準化できるため、人事評価や昇進基準の明確化にもつながります。

教育研修基準

ETSSのスキル基準やキャリア基準を使い、教育プログラムの入口と出口を定量的に可視化します。入口は受講者の現状のスキルレベルや人材像で、出口は育成後の目標となるスキルレベルや人材像です。

受講者の入口と出口の差異を分析して、具体的に何を習得すべきかを明確化していきます。その差異を埋めるために必要な科目や、適切な教育課程を設計していくのです。このようなフレームワークにより、体系的かつ効果的な人材育成プログラムを構築できます。

ETSSを基準として活用することで、業界標準に沿った客観的な指標に基づいた教育の実現が見込めます。

組込みエンジニアの資格を取得したいなら

ビジネスマン


組込みエンジニアとして長く活躍するためには、継続的な学習姿勢が不可欠です。資格取得はその一環として、スキルを証明し、キャリアを切り開く強力なツールになります。

自分の現在地と将来像を見据えて、まずは一つの資格からチャレンジしてみましょう。そして、実務と勉強をバランスよく組み合わせながら、着実にスキルアップを目指していきましょう。

エンジニアとしてキャリアアップを目指すなら、技術力だけでなく戦略的なスキルアップが必要です。

表


私たち高還元SES企業のテクニケーションは、エンジニア一人ひとりの成長とキャリア形成を支援するため、さまざまな仕組みを整えています。

またテクニケーションでは、単価給与連動制を採用しており、あなたの経験やスキルが報酬にしっかりと反映される環境です。

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