API実装、最初の一歩が踏み出せないあなたへ──“手が止まる”を分解してみた

アイキャッチ画像

これまで私は、React/Nextや、MUI・Chakra UI・shadcn/uiなどのライブラリを使ったフロントエンド開発をメインに、業務や学習を進めてきました。

コンポーネントの設計やスタイルの調整、状態管理の実装には慣れている一方で、APIの実装やバックエンドの構築となると、まだあまり経験がないのが実情です。

そこで、

「〇〇機能のAPIを実装してください」

と言われても対応できるよう、最近ではバックエンドの知識を深めるために、Flaskを使った学習を進めています。

その中で実感したのが、「困難を分割して考える」ことで、難しそうに見える課題も意外と進めやすくなるということでした。

この記事では、API実装に取り組む際の思考法として「困難の分割」について整理し、実際にどのようなステップで進めるとスムーズだったかをまとめてみたいと思います。

なぜ手が止まってしまうのか?

「APIを実装してください」と言われたとき、私のようにフロントエンドがメインだった方にとっては、以下のような不安を感じやすいのではないでしょうか。

・何から手を付ければよいかわからない

・ライブラリを使うべきか、標準機能で足りるのか判断がつかない

・設計書を読んでも、要件がふんわりしていてつかみどころがない

何となく「こういうAPIが必要そうだな」と思っても、具体的にどのように書いていけばよいかが曖昧なまま時間が過ぎてしまう……ということが現時点では起こってしまうように感じていました。

「困難を分割する」という考え方

そこで取り入れてみたのが、「困難を分割する」というシンプルな思考法です。

一度にすべてを理解・実装しようとするのではなく、作業を小さく分解して、一つずつ取り組んでいくというものです。

例えばAPIを実装するときも、「データベースからデータを取得する」「それを整形して返す」といった処理を順番に整理していくと、全体の見通しが良くなります。

この考え方をベースにして、今では以下のような手順で学習を進めるようにしています。

API実装を進めるための4ステップ

Step 0:設計書から目的を読み解く

設計書がないPJというのはほとんどないため、実務ではこのstep0から始めることが重要と感じています。

最初に行うのは、設計書を読みながら「このAPIが何のために存在しているのか」を確認することです。

例えば、レスポンスとして返されるJSONの構造や、必要なクエリパラメータが書かれている場合があります。

その内容を見ながら、以下の点を意識して整理します:

・どういったデータを取得・返却するのか

・入力(リクエストパラメータ)は何か

・成功時/エラー時のレスポンスはどうなっているか

設計書が曖昧な場合でも、「この出力を得るにはどんな処理が必要そうか」という観点で、まずはゴールのイメージを持つことを目標に読み進めます。

Step 1:やりたいことを日本語で書き出す

設計書の内容から、APIで実現したいことを日本語で整理していきます。

この段階ではまだコードは書かず、「何をするAPIなのか」を明文化することが目的です。

例えば、ユーザー一覧を返すAPIであれば、以下のように分解できます:

・ユーザーテーブルから必要なデータを取得する

・必要に応じて絞り込み(例:退会済みユーザーを除外)を行う

・結果をJSON形式に整形して返す

・該当データがなければ空配列または404を返す

・処理中にエラーが発生したら500を返す

このように日本語でやることを並べるだけでも、実装すべき処理の全体像が見えてきます。

Step 2:コードの枠だけ先に書いてみる

やることが整理できたら、まずはコードの「枠組み」だけでも書いてみると、手が動かしやすくなります。

@app.route(“/users”, methods=[“GET”])

def get_users():

    # ここに処理を書く

    return jsonify(data)

この段階では、まだ data の中身が決まっていなくても構いません。

「どこに何を書くか」を見える形にするだけでも、後の作業の見通しが良くなります。

Step 3:分からないところはその都度調べる

枠を作った後は、少しずつ中身を埋めていきます。

@app.route(“/users”, methods=[“GET”])

def get_users():

    try:

        users = db.session.query(User).all()

        user_list = [user.to_dict() for user in users]

        return jsonify(user_list)

    except Exception as e:

        return jsonify({“error”: str(e)}), 500

たとえ一発で完璧に書けなくても、書きながら都度調べたり、コメントで「あとで確認すること」を残しておくくらいの気軽さで進めることが大切だと感じています。

おわりに

現在私は、フロントエンドに加えてバックエンドのスキルも身につけようと、Flaskを使ったAPI開発の学習を進めています。

最初は手が止まりがちでしたが、「困難を分割する」という考え方を取り入れることで、「まずは枠だけでも書いてみよう」と思えるようになり、コードに向き合うことが楽になりました。

もし私と同じように、「フロントエンドは慣れているけれど、API実装になると手が止まりがち……」という方がいらっしゃれば、

この考え方が少しでも参考になれば嬉しいです。