40代から生成AIを実務へ導入!ベテランプランナーの学び直しと挑戦

アイキャッチ画像

こんにちは!ゲーム業界で20年以上、企画立案、仕様書作成、データ設計、進行管理、品質管理などに携わってきたゲームプランナーです。

「40代から生成AIを学び始めても、実務で本当に使えるのだろうか」

「新しいツールは、若い世代のほうが使いこなせるのではないか」

私も生成AIに触れ始めた頃は、同じような不安がありました。しかし、実際に業務へ取り入れてみると、生成AIはベテランの経験を置き換えるものではなく、これまで蓄積した知識や判断を、より速く形にするための補助役だと分かりました。

今回は、40代のゲームプランナーが、どのように生成AIを学び、実務へ取り入れてきたのかをご紹介します。

生成AIを学び始めたきっかけ

ゲームプランナーの仕事では、仕様書、企画書、マスターデータ、デバッグ項目書、議事録など、多くの資料を作成します。

経験を重ねるほど判断できることは増えますが、情報整理や文章化にかかる時間が自動的に減るわけではありません。

特に新規開発では、メニュー、ショップ、ガチャ、ログインボーナス、フレンド、報酬画面など、多数の機能を並行して検討します。仕様の抜け漏れを防ぎながら、エンジニアやデザイナーへ正確に伝えるには、相応の時間と集中力が必要です。

そこで注目したのが、ChatGPTやGeminiなどの生成AIです。

最初から大きな成果を狙ったわけではありません。「会議メモを整理する」「仕様書の見出し案を作る」といった、失敗しても影響の小さい作業から試しました。

最初に実務へ取り入れた業務

最初に効果を感じたのは、文章のたたき台作りです。

例えば仕様書を作成する場合、「目的」「画面遷移」「基本挙動」「例外処理」「エラー表示」「デバッグ観点」といった項目を生成AIに整理させます。

生成された内容をそのまま採用するのではなく、実際のゲーム設計やプロジェクトのルールに合わせて修正していきました。

ほかにも、市場トレンドの整理、パラメータ案の比較、ゲームバランス調整の観点出し、議事録の構造化などに活用しています。

また、TRPG(テーブルトークRPG)とAIを組み合わせたWebサービスでは、物語生成やキャラクター対話の仕組みを検討しました。個人で受注したゲーミフィケーションアプリでは、クライアントとの要件整理から実装方針の検討まで生成AIを利用しています。

生成AIを「答えを出す機械」ではなく、「考えるための壁打ち相手」として扱うことが、実務導入の第一歩でした。

実際に感じた効果

最も大きな変化は、ゼロから文章を書き始める負担が減ったことです。

何もない状態から仕様書を書く場合、最初の構成を決めるだけでも時間がかかります。生成AIに前提条件と目的を伝えることで、複数の構成案を短時間で比較できるようになりました。

その分、内容の妥当性、ユーザー体験、実装上のリスクなど、プランナーが本来判断すべき部分へ集中しやすくなりました。

例外ケースの洗い出しにも役立ちます。

「通信が切れた場合はどうするか」

「所持上限を超えた場合はどうするか」

「開催期間外に画面へ遷移した場合はどうするか」

このように条件を変えながら質問すると、自分だけでは見落としていた検討項目に気づくことがあります。

ただし、生成された内容が常に正しいわけではありません。生成AIの効果を引き出すには、出力を評価し、現場に合う形へ修正できる実務経験が必要です。

使って分かった注意点

生成AIは、もっともらしい文章を作ることが得意です。

しかし、プロジェクト固有の仕様、過去の経緯、チーム内の暗黙知までは理解していません。曖昧な指示では、一般論としては正しくても、現場では使えない内容が返ってくることがあります。

そのため現在は、次のような情報をできるだけ具体的に伝えています。

  • 何のために作るのか
  • 誰が利用する機能なのか
  • どのような前提条件があるのか
  • 何をしてはいけないのか
  • どのような形式で出力してほしいのか

また、機密情報や未公開情報を入力しないこと、数値や固有名詞を必ず確認すること、最終判断は人が行うことも欠かせません。

生成AIの導入で重要なのは、プロンプトを作る技術だけではなく、「どこが足りないか」「どこが間違っているか」を見抜く力だと感じています。

ベテランだからこそ生かせる生成AI

40代からの学び直しは、決して遅くありません。

長年の経験があるからこそ、生成AIの回答に対して、次のような判断ができます。

「この仕様ではユーザーが迷うのではないか」

「この進行方法では開発現場が回らないのではないか」

「この数値ではゲームバランスが崩れるのではないか」

過去に身につけた知識を捨てるのではなく、新しい技術と組み合わせることで、経験の価値を更新できます。

一方で、「経験があるから今までの方法で十分」と考えた瞬間に、成長は止まります。

分からないことを恥じるよりも、まずは小さく試してみる。うまくいかなければ原因を調べ、実務で使える形へ修正する。その繰り返しが、年齢に関係なく新しい武器を増やす方法だと思います。

まとめ

生成AIを実務へ導入して分かったのは、年齢よりも試行回数のほうが重要だということです。

最初から高度な使い方を目指す必要はありません。議事録の整理、文章の要約、見出し案の作成など、身近な一つの業務から始めるだけでも十分です。

そして、生成された内容を鵜呑みにせず、自分の経験で検証しながら改善することが欠かせません。

これからも、ゲームプランナーとして培ってきた企画力、分析力、進行管理力に生成AIを掛け合わせ、より質の高い提案と効率的な開発支援に挑戦していきたいと考えています。

同じように「今からでは遅いかもしれない」と感じている方にとって、この記事が最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。