4年間のRPA開発現場で学んだこと

アイキャッチ画像

現在多くの企業でRPAを活用した業務効率化が積極的に行われています。
筆者はIT業界で5年働いていますが、そのうち約4年間はRPAを使った業務効率化に携わってきました。
「ローコードだから開発も簡単でしょ」と思うかもしれませんがそんな事はありません。
多くの現場では既存業務の自動化という性質上、ITを専門としていないユーザーと
密にコミュニケーションを取りながら進めていく必要があります。
ここでは私の経験の中で参考になりそうな点をいくつかお話したいと思います。

初回の打ち合わせ前に業務内容の整理・見直しをユーザーにお願いしましょう。

RPAを導入すると聞くと「手作業でやっていることを代わりにプログラムに置き換える」とイメージすると思います。確かにその通りですが、そのまま置き換えるのではなく「本当にその業務は必要なのか」「非効率なやり方をしていないか」といった観点でユーザーに現在行っている業務を整理・見直しをしてもらいます。もしもユーザーから「整理の仕方がわからない」などと相談された場合はできる限り相談に乗って一緒に考えましょう。ここで「よくわからないので」「私たちの役割ではないので」と言ってしまうと実装やテストなどでユーザーの協力が得られないといったことに繋がってしまいますので丁寧に対応してください。

初回打ち合わせ後の進め方

初回の打ち合わせではユーザーから現在の状況や改善したいところをヒアリングします。
それを踏まえてどのように処理を進めるのかを図や文章に書き出して整理し要件を固めつつ
詳細設計も進めていきます。その過程で不明点が出てくると思いますので、証跡を残すためにも
QA表を作成し回答依頼をチャットやメールで送るか次回の打ち合わせで回答をお願いしましょう。

もし口頭だけで進めてしまうと後から「言った言っていない」のトラブルとなったり、後から振り返る際にどのような経緯で仕様が決まったのかがわからなくなったりします。
もし業務の進め方やシステムの操作方法がわからないという事があった場合は遠慮なく質問しましょう。
「何回も聞いたら相手に迷惑かも…」「今は忙しいみたいだから…」と推測で進めてしまうと仕様とは違うものが
出来上がってしまい結果的に大きな迷惑をかけてしまいます。
筆者も質問をして面倒そうに対応されたこともありますが、必要な確認をせずに開発を進める方が、結果として相手へ大きな迷惑をかけることになりますから分からないことは遠慮せず確認しましょう。 

対ユーザーとのやりとりについて

ユーザーの方へ説明する際は、相手のITへの理解度を事前に確認し専門用語の使用をさけたりするなど
相手に合わせてください。
また開発側と違いユーザーにとってRPAの開発はたくさんある業務のうちの1つですので、忙しいタイミングでは
回答を後回しにされてしまうこともあります。なので余裕をもってやり取りをし、場合によっては催促するなどこちら側でコントロールする必要があります。

お客様システムの利用時に気を付けたいこと

実装作業では、ユーザーが利用しているシステムを使うことになります。
現場によっては本番環境しかないという場合やアクセスできる時間が決まっている場合など
様々な制約が存在することが多いので事前に利用上の注意点を確認しチーム内で共有しておきましょう。

実装で困ったこと

設計段階でUIの要素をチェックし問題がなくても動かしてみるとエラーとなったり違うボタンを押したりと様々な問題が起きます。操作対象のシステムが独自のフレームワークを使っているといった環境ではデバッグが長引くことは珍しくありません(筆者は担当したRPAで3か月遅延したことがあります)ですので予めユーザー側もしくはシステム担当者に遅延要因  となるような部分がないか事前に確認しておきましょう。

最後に

ローコード開発と聞くと冒頭にも述べた通り「誰でも」「簡単に」「短時間で」できるものと思われるかもしれません。一方で、現実には他の言語と変わらない工数がかかりますし、人によっては対ユーザーとのコミュニケーションが増える分負担に感じるかもしれません。ですが、ほかの言語と比べると開発したシステムが開発者にとって身近な分、稼働が安定した時の 達成感やユーザーからのお礼の言葉はRPA開発の魅力だと思います。