10代でIT業界へ。テスト業務からPython開発へ進み、20代で年収600万円に届いた島野さんのキャリア

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はじめに

IT業界に興味はあるけれど、「未経験から本当に入れるのか」「最初はどんな仕事をするのか」「そこからどうやって開発に進むのか」が見えず、不安を感じる人は少なくありません。

特に、10代や20代前半でこの業界に入る人にとっては、最初の一歩をどう踏み出すかで、その後のキャリアの伸び方が大きく変わってきます。

今回ご紹介する島野さんは、高校卒業後すぐにIT一直線だったわけではありません。
もともとは自動車関係の道を目指していたものの、家庭の事情で進路を変更。

その後、飲食店で働いていたときに、店長がExcel VBAで発注業務を自動化している姿を見て、「こういう世界があるんだ」とITに興味を持ったそうです。

そこから未経験でIT企業に入り、テスト業務を経験し、信頼関係の中でPythonに触れる機会をつかみ、今ではPythonを使ったWeb開発を中心に活躍しています。この記事では、その流れを一つにつなげて整理していきます。

島野さんのキャリア概要

項目内容
ITへの入口飲食店勤務中に店長のExcel VBA業務自動化を見て興味を持つ
入社時のスキルPCの電源を入れてスマホと同期を取る程度・タイピングにも自信なし
入社後のキャリアテスト業務2年半 → セキュリティ監査 → Python開発 → AWS活用へ
Python習得のきっかけ現場での信頼関係をきっかけに他社先輩エンジニアと一緒に学ぶ機会を得た
現在の年収28歳で年収600万円・次の案件で700〜750万円の可能性も

1. IT業界に興味を持ったきっかけは、飲食店で見た業務自動化だった

島野さんがITに興味を持った最初のきっかけは、飲食店で働いていたときの出来事でした。

当時の店長が、もともと手作業で時間をかけて行っていた発注業務を、Excel VBAで自動化していたそうです。今までかなりの時間を使っていた作業が、ほんの数秒で終わる。

その変化を目の当たりにして、「こんなことができる世界があるんだ」と強く惹かれたと語っています。

このエピソードが面白いのは、最初から高度なプログラミングに触れたわけではないことです。
すごいシステムを見たからではなく、身近な仕事が効率化される瞬間を見たことが、ITへの入口になっていました。

ITに進むきっかけは、必ずしも華やかなものではなくていい。目の前の「不便が便利になる体験」が、人の進路を変えることもあるのだとよくわかる話です。

2. 未経験で入社し、最初はテスターとして2年半経験を積んだ

その後、島野さんはハローワークを通じて未経験募集の会社を見つけ、19歳で活動を始め、20歳頃に入社しています。

当時の自分は、PCの電源を入れてスマホと同期を取るくらいしかできなかったと振り返っており、タイピングにも自信がある状態ではなかったそうです。

そんな中で入社し、最初に担当したのが、セキュリティシステムの評価検証、いわゆるテスターの業務でした。

このテスト業務は2年半続きました。
未経験からすると「開発ではなくテストから始まるのか」と感じる人もいるかもしれませんが、島野さん自身はこの経験が今も活きていると話しています。

開発したものは必ずテストしなければいけませんし、テスト観点や確認の仕方を知っていることは、後から開発側に回ったときにも大きな強みになります。

実際、テスト駆動的な考え方を求められる現場では、この経験がかなり役に立ったそうです。

また、単に技術だけではなく、仕事の進め方や人との関係性の作り方も、この時期に学んだと語られています。
最初の数年で土台を固める時期があったからこそ、その後により上流の仕事や開発へ広がっていけたのだと思います。

入口がテストだったことは、決して遠回りではなく、むしろ順当な成長ルートの一つだったといえそうです。

3. 現場で信頼を積み重ねたことが、Python開発へのチャンスにつながった

テスト業務の後、島野さんは同じ顧客環境の中で、システムを活用して課題解決を支援する案件へ移っています。

そこではログを分析し、不正操作や情報流出につながるような挙動がないかを監査する業務に携わっていたそうです。
いわゆるセキュリティ監査に近い立場で、システムを使いながら業務側の課題を見ていく役割でした。

その中で転機になったのが、面倒をよく見てくれていた他社の先輩エンジニアとの出会いです。
その先輩から「この世界で生きていくなら、どこかでプログラムの経験は積んだ方がいい」と言われたことが大きかったそうです。

ちょうどその先輩が手動で進めていた業務があり、そこを自動化したいという話が出たことで、一緒に学ぶ形でPythonを触る機会を得ました。
これが、島野さんにとって本格的な開発経験の入口になりました。

ここで重要なのは、いきなり「開発者として採用された」わけではないことです。
評価検証を2年半行い、その後も同じ顧客の中で仕事を続ける中で、周囲との信頼関係ができていた。
だからこそ、先輩も「島野さんなら一緒にやれそうだ」と思えたのだと思います。

キャリアは資格や勉強だけで切り開かれるものではなく、現場での信頼の積み重ねが次のチャンスを連れてくることがある。その好例です。

4. 前職で作った土台が、転職後の市場価値につながった

前職での最終的な年収は、おおよそ350万〜400万円程度だったとのことでした。

20代前半として見れば極端に低いわけではなかったかもしれませんが、後半になるにつれて、すでにPythonでの開発経験ができていたことを考えると、市場価値とのギャップは徐々に広がっていたように見えます。

つまり、社内での待遇は急激に上がっていなくても、外から見たときの価値は確実に積み上がっていた状態です。

その土台を持って転職したことで、入社後は一貫してPythonを使ったWebシステム開発を続けてきたそうです。
社内向けのシステムもあれば外部向けのシステムもあり、大手企業の案件も多かったとのことでした。

前職の最後の方でDjangoを使ったWebアプリ開発を経験していたこともあり、転職後もその流れを自然につなげられたことが強みになっています。

技術の軸がはっきりしている人は、案件の深さを取りやすくなりますし、それが次の単価や年収にも反映されやすくなります。

5. Pythonだけでなく、AWSまで触れることで視野が広がった

転職後に新しく経験できたこととして、島野さんが挙げていたのがAWSです。
最近は現場でAWSを扱うことも増え、インフラ寄りだった領域にも手を伸ばせるようになってきたと話しています。

Lambdaのようなサーバーレスの仕組みを含め、システムをどう作るかだけではなく、「それが本当に今の構成で適切なのか」「もっとコストを削減できないか」といった視点まで持てるようになってきたそうです。

これはかなり大きな変化です。
若いうちは、どうしても「書ける」「動かせる」といった実装そのものに意識が向きがちですが、その先で市場価値を上げる人は、アーキテクチャやコスト、運用面まで含めて見られるようになります。

島野さんも、ただ実装するだけではなく、予算や構成の妥当性まで現場で相談できる経験が増えてきたことを、良い変化として捉えていました。

6. 20代で年収600万円へ。ここからさらに伸びる可能性がある

現在の年収は600万円とのことで、28歳でこの水準に到達していると語られています。
さらに、今の案件経験が長くなってきていることから、次に案件が変わるタイミングでは700万〜750万円程度まで上がる可能性もあるのではないかという話も出ていました。

少なくとも今の時点で、技術経験と市場価値の両方がしっかり積み上がっていることは確かです。

ここから見えてくるのは、若いうちにチャンスをつかめるかどうかが、その後の伸びを大きく左右するということです。
店長のVBAを見て興味を持ったこと。未経験で入社したこと。

テスト業務を地道に続けたこと。現場で信頼を作ったこと。先輩からの声かけに乗ってPythonに触れたこと。

その一つひとつは小さく見えても、全部つながるとここまで大きな差になります。キャリアは一発逆転ではなく、小さな機会をちゃんと拾い続けた人が伸びていくのだと思います。

島野さんから学べる3つの教訓

① ITへの入口は、身近な「効率化の体験」でいい。すごいシステムや高度な技術に触れることだけが入口ではない。目の前の仕事が便利になる瞬間を見たことが、キャリアの出発点になることもある。

② テストから始まることは、遠回りではなくキャリアの土台になる。未経験からテスト業務に入ることは、開発への最短ルートではないように見えるが、テスト観点を持つことは開発側に回ったときの大きな強みになる。最初の数年で何を積み上げるかが、その後の成長速度を決める。

③ チャンスは、信頼を積み重ねた人のところにやってくる。Pythonへのスキルチェンジは、資格や自己学習だけで実現したものではなかった。現場で地道に信頼を作り続けたからこそ、先輩から声がかかり、実務の中で新しい技術に触れる機会が生まれた。

まとめ

島野さんのキャリアから見えてくるのは、未経験からでも、入口の選び方と現場での積み重ね次第で、しっかり市場価値を上げていけるということです。

最初は飲食店で見た業務自動化がきっかけでした。
そこから未経験でIT企業に入り、テスト業務を通じて仕事の土台を作り、現場で信頼を積み重ねる中でPython開発のチャンスを得た。

そして転職後はPythonを軸にWeb開発を続けながら、AWSまで触れるようになり、20代で年収600万円に届いています。

この話の本質は、最初から完璧なスキルを持っていたわけではないという点です。
何もできないところから入り、目の前の仕事をきちんとやり、信頼を得て、声をかけられたチャンスに乗ってきた。
その積み重ねが、今のキャリアを作っています。

今はまだIT企業にいない人でも、今の職場の中で効率化や改善に触れられる余地があるかもしれませんし、それを語れる経験に変えられれば、次の一歩につながる可能性があります。

テクニケーションシードは、年齢・バックグラウンドに関わらず、挑戦する意欲と学ぶ姿勢のある方を全力でサポートします。