経歴詐称がもたらす“本当の被害”とは

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はじめに

SES業界では、以前から「経歴詐称」は闇として語られてきました。しかし、実際に自分たちの現場で起きることは多くありません。そんな中、ついに我々のチームでも経歴詐称の被害が発生しました。
今回は、実際に起きた出来事をもとに、何が問題なのか、なぜ起きるのか、どうすれば防げるのかを整理していきます。

何が起きたのか

増員枠が出たため、協力会社経由で40代のエンジニアが参画しました。しかし、割り振ったタスクがまったく進まない。現場でヒアリングしたところ、本人から「実は…」と経歴詐称が発覚しました。

さらに元請けに確認すると「うちの社員ではありません」という回答。その先に別の会社が存在し、昇流が深い構造が露呈しました。

本人と所属会社との直接対話

事態を整理するため、本人と所属会社の社長に来社してもらいました。対応したのは木村と私。驚いたのは、本人がすぐに詐称を認めたことです。

・経験が浅い
・40代未経験
・案件が決まらない
・「本当の入社時期を言えば切られる」と思った

認めてくれたことで訴訟などには発展せず、まずは事実確認が完了しました。

なぜ経歴を詐称したのか

本人の話をまとめると、理由はシンプルです。

・研修は受けたが実務経験がない
・未経験のままでは案件が決まらない
・代表が「チャンスを与えたい」と採用した
・しかし現場に出るには経験が必要

そのギャップを埋めるために経歴を盛ったということです。気持ちは分かります。ただし、それが許される世界ではありません。

経歴詐称が良くない理由

① 現場への迷惑が甚大

今回も、本人が担当すべきタスクをすべて当社のメンバーが巻き取りました。契約解除や損害賠償のリスクもあり、現場全体に大きな負担がかかります。

② 他の候補者の席を奪う

今回の枠には、本来入るべき人がいました。
・40代でJava Goldを取得した人
・実務経験がある人
・努力してきた人

限られた席を、詐称した人が奪ってしまった。これは非常に重い問題です。

業界構造の問題(昇流の深さ)

今回のケースでは、
元請け → その下の会社 → さらにその下の会社

という多重構造がありました。間に会社が挟まるほど責任が曖昧になり、「所属会社に辿り着けない」というケースも珍しくありません。今回は運良く繋がりましたが、通常は闇に消えることもあります。

本人への“救済”と今後のチャンス

本人は現場を退場となりましたが、ここで終わりではありません。代表の判断で「週1で研修する」という異例の対応が決まりました。

40代未経験で、代表直々の研修を受けられるのは極めてレアです。まさにラストチャンス。ここで成果を出せなければ、エンジニアとして続けるのは難しいでしょう。

会社として目指す姿

今回の件を通じて、改めて感じたことがあります。

・経験が浅い人をチームでフォローできる体制を作ること
・案件をまるっと受ける
・チームで若手を育てる
・生産性の差をチームで補う
・経験を積ませる“場”を提供する

これができれば、経歴詐称に頼らずともチャンスを与えられる世界が作れます。

まとめ:経歴詐称は誰も得しない

今回のケースは、本人、現場、他の候補者、協力会社、すべてにとって不幸な結果でした。

しかし同時に、「チャンスを与える仕組みさえあれば救える人もいる」ということも分かりました。業界をクリーンにしていくためには、企業側が“育てる体制”を持つことが欠かせません。
今回の件を教訓に、より健全な業界づくりを進めていきたいと思います。

株式会社テクニケーションシード