初めての若手マネジメント。少数のプランナーチームで実践した「任せて育てる」指導法
今回は、私がゲームプランナーとして初めてリード職に就き、若手マネジメントに直面した際の「失敗と気づき」をテーマにお話しします。過去の自分や、現在マネジメントで悩んでいる後輩プランナーに向けた知見として、少しでも参考になれば幸いです。
目次
1. 「自分でやったほうが早い」の罠(問題提起)
私が初めてリードプランナーとして若手育成やチームの品質管理を主導したのは、2012年のソーシャルカードゲーム運営プロジェクトでした。
当時のプロジェクトは12名規模で、私はプレイングマネージャーとして自分でもガチャやイベント機能の仕様策定を行いつつ、チーム全体の成果に責任を持つ立場でした。 ここで最初に直面したのが、「経験の浅い若手に任せるより、自分で仕様書を書いたほうが圧倒的に早いし確実だ」というジレンマです。
- 抱えていた課題:
- 若手に仕事を振っても、上がってくる成果物の意図がズレており、結局自分で手直しをしてしまう。
- プレイング業務に追われ、メンバーの進行フォローに手が回らない。
- 結果としてチームの属人化が進み、開発スケールが頭打ちになる。
2. 「作業の記録」ではなく「課題解決のストーリー」を共有する
この状況を打破するためには、仕事をただ「振る」のではなく、業務フローそのものを改善する必要がありました。
まず取り組んだのは、指示の出し方の見直しです。
- 若手に対して「〇〇の仕様書を書いて」と結果だけを求めるのをやめました。
- なぜその仕様にするのか、比較してどうだったのかという「技術的な深みと高い再現性」を持たせた課題解決のストーリーとして共有するようにしました。
- 新人の時にこれを知りたかった、実際の案件で直面し乗り越えた、という自分自身の出来事ベースの知見を伝えることで、若手が自発的に考えられる土台を作りました。
3. 少人数チームで実践した「任せる・育てる」仕組み
その後、スマートフォン向けアクションゲームやPC向けオンラインシミュレーションなど、4〜5名のプランナーチームを率いる中で、以下のマネジメント手法を定着させました。
- タスクの割り当てとリソース管理:
- 個人の抱えるタスク量を可視化し、適切な割り振りを実施。
- エンジニアやデザイナーへの制作指示・タスク管理を若手に行わせつつ、その進行管理を裏からフォローする体制を構築。
- 定期的な1on1ミーティングの実施:
- 若手メンバーの育成とメンタリングを目的とした1on1を定期的に開催。
- 業務上の「わからないこと」を不確実なまま放置させず、心理的ハードルを下げて相談できる環境づくりを徹底。
- レビューと品質チェックの徹底:
- 任せっぱなしにするのではなく、チーム全体の成果物レビューおよび品質チェックのフローを構築。
- デバッグ項目の作成やテスト進行管理もサポートし、最終的なアウトプットの品質をリーダーが担保する。
4. 経験を抽象化し、チームの資産に変える
マネジメントにおいて非常に重要なのは、若手が起こしたミスやエラーを個人の責任で終わらせず、チームの知見として昇華させることです。
- 顧客固有のシステム名や機密情報を適切にパージし、一般的な事象へと「抽象化」して共有する。
- 「なぜ失敗したのか」「どうすれば防げたのか」という自分なりの気づきを言語化し、マニュアルやドキュメントに落とし込む。
- 近年では、この資料整備やナレッジ共有の高速化に生成AI(ChatGPTやGeminiなど)を積極的に導入し、生産性の向上を図っています。
おわりに:一緒に成長できる環境がここにあります
若手のマネジメントは、公式ドキュメントのコピペのように「正解」があるものではありません。一人ひとりのメンバーと向き合い、泥臭い試行錯誤を繰り返すことでしか得られない「気づき」がたくさんあります。



















