プロジェクトの品質を守る!

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テストのシナリオ作成と実施の秘訣

システム開発において、「テスト」は品質を支える重要な工程です。
この記事では、筆者が実際に関わった2種類のテストパターンを紹介しながら、単体・結合テストにおけるシナリオ作成と実施のコツをお伝えします。


■ パターン①:自分で設計・開発した機能に対するテスト

このパターンでは、筆者自身が開発した画面やAPI、ツールなどのテストを行いました。
自分の作成物に対してテストを実施するため、基本的にはシンプルな単体・結合テストが中心でした。

● テストの進め方

  • 単体テスト:各関数やAPIの動作確認
  • 結合テスト:画面やAPIの一連の流れをチェック

● テスト項目作成の工夫

テスト項目書の作成では、過去の事例を参考にしながら進めました。
慣れないうちは「とりあえず作ってみて覚える」というスタイルで対応しましたが、難しかったのは以下の点です。

  • どこまで細かく書くべきかの判断
    細かすぎると時間がかかるし、ざっくりすぎると不備が出る…そのバランス感覚が重要でした。

● 注意点と学び

  • テスト項目が不足していると、リリース後に想定外の不具合が出る可能性がある
  • 設計書と実装の食い違いにも気づけるチャンスでもある
  • テスト項目は「簡潔に」「抜けなく」「現実的に」書くのがコツ

■ パターン②:大規模プロジェクトの総合テストへの参画

もう一つの経験は、大規模プロジェクトの総合テストに関わったときのものです。
この現場では、納期に追われるプレッシャーの中でのテスト実施が特徴的でした。

● 結合・総合テストの現場

  • 開発と並行でテストを行うような状況
  • 本来は結合テストで確認すべき部分が、スケジュールの都合で総合テストに持ち越されることも

● テスト内容と進め方

  • **画面操作の一連の流れを確認する「シナリオテスト」**が中心
  • テスト中に使用する業務ソフトの操作を覚える必要があり、最初は混乱する場面も多かったです

● トラブルと対処

  • データ不足や画面遷移エラーによりテストが止まることも頻繁に発生
  • 対応としては、
     → 簡単に直せそうなら試す
     → 無理そうならすぐに「テスト継続不可」と判断して次に進む
  • プロジェクト管理ツールにエラーや状況を記録し、進捗を止めない工夫をしていました

● チームでの進め方と雰囲気

  • 毎日、朝会・夕会で進捗報告
  • 指摘を受けることもありましたが、理由が明確であれば問題なし
  • テストがうまく進まず苦労したこともありましたが、非常に良い経験になりました

■ テストのコツと意識すべきポイント

項目内容
項目の粒度細かすぎず、抜けなく、実行可能なレベルで
エラー時の判断無理に粘らず、止まる理由を記録して次へ進む
ツール操作の習得周囲に聞きながら覚えるのが早道
記録を残すプロジェクト管理ツールやドキュメントにエラーと進捗状況を明記

■ まとめ:品質を守るのは「地道なテストと工夫」

テストは「確認作業」と思われがちですが、実際は不具合を見つけ、改善する最後の砦です。

  • 自分で作った機能に対するテストは、自信を持ってリリースするために不可欠
  • 大規模プロジェクトでは、限られた時間の中で工数と品質のバランスを意識して対応する力が問われる

不具合を未然に防ぐのは、派手な技術力ではなく、丁寧なチェックと柔軟な判断力です。