データセンターのクローズ(閉鎖)

データセンターをクローズし、取り壊しが決まっていましたので、中を空っぽにする必要がありました。全サーバの撤去、各フロア整理など多くの特別な作業がありました。
・作業の削減(ユーザとの契約が次々に終了し作業が減っていくことによって起きた事象)
– 要員の削減
作業がどんどんなくなって行くので当然人がいらなくなります。私が在籍していた運用チームは18名
から最後の1年は3名。オペレータも12人から9人(シフト勤務が成立するギリギリの人数)へ減って行
きました。
- 作業工数の更新
作業が減ってくると、1つ1つに割り当てられていた単価も減って行きます。この資料の更新は難癖が
あり、ユーザからサーバが減る連絡はあってもこの作業がなくなる連絡は来ない、半端に作業が残っ
たり、自己判断で進めては行かなければならないケースも多く、金銭も絡んでくる内容でしたので
様々な状況を確認や整理し、慎重を期す対処が必要であったところがなかなか大変なところでした。
– 監視の更新
サーバの撤去が進むと監視していたサーバの監視もどんどんなくなって行きます。事前連絡があった
ものについては、オペレータへは非監視指示を出し、後に監視設定を削除、あるいは変更。事前に連
絡がないものは障害として検知してしまうので、例として「サーバ停止がした」などのメッセージを
目安にサーバールームで作業している可能性があるので直接確認しに行ったり、いない場合は運用側
でユーザと連絡取ったり、なかなかの面倒が発生しました。
– 各種手順書の更新
契約が終わり全作業が終了する以外は、ザーバが減少する度、監視が減ったり、オペレータが巡回作
業で見る機器が減ったり、定例作業がなくなったりするため、手順書の更新が頻繁に必要になりま
す。事前連絡がないものは後手を踏むので混乱を招く場合も…。
– 残オペレーション業務の引継ぎ、及びスケジュール調整
残るオペレーション業務をオフショア(海外)へ引継ぐ必要がありましたので、スケジュール調整を行
い、オペレータをアサインし引継ぎを実施。若干日本語に不自由な面もありましたので、手順書の修
正も多々実施…。
・サーバやラックの撤去
ラックを撤去する際には通常のサーバールームの出入口から出入り出来ないため、非常口の申請が必要
になります。同様にトラックの進入も正面玄関から出来ないため、裏門の開放の申請も必要でした。
・各部屋の整理
– 書類の処分
ほとんどの案件が終了したため、数年(ものよっては10年以上も)溜め込んだ資料の廃
棄、残った書類については委託元へ郵送、あるいはPDF化を実施
– 電話機の縮小
オペレーションルームには過去に大人数で働いていた遺産として電話機が10機以上残っていました。
用途の分からないものもあり、案件が少なくなりすべての案件を把握出来るタイミングで各ユーザへ
アナウンスし、徐々に縮小させ、最終的には2機まで減らし終了させました。
– PC整理
監視用、オペレータ業務用、用途不明のPC、壊れて放置されてるPC、整理していると様々なPCが出
来てました。委託元から頂いた型番一覧と一致しなかったり、あるはずのものが出てこなかったり、 直接オペレーションルームに出向いて埃まみれになりながら片っ端から探しました。出てこなかっ
たものは既に廃棄済みで処理を…。こちらも最終的には電話機同様、少しずつ減らし、最後は必要
な監視システムを業務用に見られるようにして、まとめました。
・問題点
ユーザへ貸し出していたロッカーが何年も使っていなかった、当時の担当者しか知らないなどの理由でロック番号がわからず空かないロッカーの鍵を破壊。契約が終了し退去したユーザのロッカーもあり、それも鍵を破壊し、契約が終了したにも関わらず中身どうするのかを対応。
テープ保管庫も同様、ユーザが持ち帰らなかった、または過去に契約が終わっている(数年も経っている)ものや、テープのケースなどが多数見つかり、連絡が付くユーザは連絡を取り(ほぼ廃棄してくれ依頼)、他はすべて廃棄処分行きに。
さらに運用の部屋も同様、用途の不明なCD-ROMやフロッピーディスク、書類なども多数見つかり、空かないキャビネットは鍵を破壊。とっくにコロナ対応(フルリモート)や異動などで運用で残っていた3名以外は使う必要がない部屋だっため、委託元の指示で(持ち帰らない方が悪いと言う事で)、私物を含め、すべて処分。お守りや金銭など迂闊に捨てられないものは委託元の社員へお渡し。
なんとかすべてをこなし最終日を迎え、無事に終われたので一安心でした。