開発現場で役立つターミナルツール(Tera Term/WinScp)活用術

目次
なぜターミナルツールが必要なのか?
開発現場では、単なるコードの記述だけでなく、サーバーへのデプロイ、ログ取得、ファイル転送、プロセス管理など、様々な作業が発生します。
その際、強力な味方となるのが「ターミナルツール」(例えば、Tera TermやWinSCP)です。
現代の開発・運用現場では、次の理由からターミナルツールが不可欠となっています。
1.リモートサーバーへのアクセスが必須
現代のアプリケーションの大半は、Linuxサーバーなどのリモート環境で動作します。
それらへ接続し、状態確認・メンテ・デプロイを行うのがターミナルツールの役割です。
2.GUIだけではできない作業が多数
ログの取得、プロセス監視、ファイル操作など、テキストベースで行う作業が多く、
ターミナルがないと現場での対応力が大きく制限されます。
3.効率・正確性が求められる
マウス操作だけでは煩わしい作業も、ターミナルからの一発コマンドで瞬時に完了します。
また、テキストベースの操作は履歴・再現性が高く、ヒューマンエラーの防止につながります。
4.現場で求められる速さ・確実性に応えられる
例えば、次のような状況を考えてみましょう:
・デプロイ後、サーバー上のログをすぐに確認したい
・複数サーバーへ同一ファイルを配置したい
・夜間バッチ処理の状況をリモートから監視したい
これらの作業は、ターミナルツールがあれば数秒から数分で対応できるものの、使えなければ数十分から数時間も余計に費やしてしまうことがあります。
Tera Termとは?
Tera Termは、Windows向けのターミナルエミュレーターソフトで、主にリモートサーバー(Linux/Windows)へSSH接続する際によく使われています。現代の開発現場や運用現場で、サーバーへ接続してログの取得、サービスの再起動、デプロイ後の動作確認などを行う際の定番ツールとなっています。
Tera Termを使うとできること
・IPアドレス・ホスト名を指定してサーバーへ接続
・ユーザー名・パスワードまたは鍵ファイルでログイン
・接続後、サーバーのコマンド操作が可能
など
WinSCPとは?
WinSCPは、Windowsからリモートサーバーへファイルを転送できるツールです。
主に、SCP(Secure Copy)やSFTP(SSH File Transfer Protocol)を使って、WindowsとLinuxサーバー間でファイルをやり取りします。
Windows上でよく使うエクスプローラーのような画面で、サーバー上のファイル操作ができるため、現場での作業効率が大幅に向上します。
WinSCPの強みの一つが、Windowsのエクスプローラー感覚で使えることです。
左側にWindows側のファイル・フォルダがあり、右側にサーバー側のファイル・ディレクトリがあるので例えば、Windows側からファイルを右側へドラッグ&ドロップするだけで、サーバーへファイルが転送されます。サーバーからWindowsへダウンロードも同様です。
WinSCPを使うとできること
・ログ取得
・デプロイファイルのアップロード
・設定ファイルのバックアップ・更新
など
Tera TermとWinSCPの連携
ここからは、Windows環境からサーバへファイルを配置し、すぐにその動作を確認・検証する際の具体的な手順を紹介します。
WinSCPでファイルをサーバへ転送し、Tera TermからSSHでログインして操作することで、デプロイ後の確認やエラー監視まで一連の作業をスムーズに行えます。
以下の例では、JenkinsでビルドしたアプリケーションをWinSCPで配置し、続いてTera Termからサーバへ接続して、ファイルの配置状況の確認や、デプロイ後のログ監視までの流れを説明します。
例.
1.WinSCPで資材アップロード
Jenkinsでビルドしたアプリケーション(例:app.war)をWinSCPを使って対象サーバの所定ディレクトリにアップロード
2.Tera Termでサーバログイン
同じ接続情報を使ってTera TermでSSHログイン
サーバ上でファイル配置の確認(lsコマンド等)
デプロイ後、サービスを再起動
tail -fでログ監視、エラー確認
というような流れになります。