システムの不具合、原因特定の流れ

不具合やバグは、どんな現場でも避けられないものです。重要なのは、発生したときに冷静に原因を特定し、正しく対処すること。そのためには、感覚に頼らず、一定の手順に沿って調査を進めることが大切です。この記事では、実際の開発現場で役立つ「原因特定の流れ」を紹介します。
目次
原因特定の流れ
1.問題の再現
最初に不具合が再現するかどうか調べます。
再現手順はできるだけ詳しくメモしておきましょう。
操作の順番や使ったデータの種類なども重要です。
再現時に確認すること
・どんな操作をしたときに問題が起きたか?
・特定のデータや条件でのみ発生するか?
・何回試しても同じように発生するか?
・どの環境(本番、開発、ステージング)で再現するか?
2.関連するログやエラー情報を集める
以下のようなログや画面の情報を集めましょう。
・エラーメッセージ
・ブラウザの開発者ツールでConsoleエラーを見る
・アプリのログ
・スクリーンショットや動画
3.対象範囲の絞り込み
不具合が画面にあるのか、サーバーやAPIにあるのかなど、どこに問題があるかを分けて考えるため、不具合が発生した箇所の周辺と思われる部分にログを仕込んだりして、不具合箇所を絞り込みます。「どこまでは正常に動作しているか?」を確認し、そこから先を重点的に調査すると、不具合の発生箇所を絞り込みやすくなります。
4.影響範囲を確認する
原因の候補が見えてきたら、次は影響がどこまで広がっているのかを把握します。
・他のユーザーや画面でも同様の問題が発生しているか?
・他のブラウザや端末でも再現するか?
・機能全体に影響があるのか、それとも一部だけか?
・本番環境だけか、ステージングでも再現するか?
この調査により、緊急度や優先度を判断でき、チームへの報告も的確に行えます。
5.仮説を立てて再現・検証する
ログや挙動から得られた情報をもとに、「なぜこの不具合が起きているのか?」の仮説を立ててみましょう。再現実験がうまくいけば、「どこに」「どういう条件で」「何が原因で」問題が起きているのかが明確になります。
6. 原因を特定し、修正内容を明確にする
仮説の検証によって不具合の原因が特定できたら、次にやるべきは「どのコードをどう修正すればよいか」を明確にすることです。ただ修正するだけでなく、「なぜそれが問題だったのか」「なぜその修正で直るのか」を自分なりに説明できる状態にしておくと、レビュー時にもスムーズです。関連コードの中で他に同様のロジックがないか、同じバグが潜在していないかも見ておきましょう。また、修正による副作用が他の機能に影響を与えないかも重要な観点です。変更前後の挙動を比べたり、必要に応じてテストコードを追加・修正して、再発防止につなげることも忘れないようにしましょう。