SESは残業を拒否できる?サービス残業の指示を受けたときの対処法や注意点も解説

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SESエンジニアのなかには、過去にサービス残業を求められた経験があったり、今後の働き方に不安を感じたりする方もいるのではないでしょうか。

SESエンジニアには、契約内容や法律に基づいて正当な理由がある場合、残業を拒否できる権利があります。

この記事では、SESエンジニアが残業が発生しやすい背景や契約・法律に基づく正しい対応方法を解説します。

さらに、円滑に交渉するためのコツや企業選びのポイントまで解説しますので、ぜひ最後まで確認してください。

SESは残業を拒否できる?

悩めるビジネスマン達


SESの契約形態によっては、正当な理由があれば残業を拒否できる場合があります。しかし、現場の状況や勤務先のSES企業の方針によって考え方が変わる可能性があります。

また、残業を拒否すると、評価に影響を及ぼす場合もあるので注意が必要です。そのため、状況に応じて適切に対応することが重要です。

以下で、詳しく確認しましょう。

契約内容を超えて働く義務は生じない

SESは、準委任契約または派遣契約のもとで、クライアント企業に常駐するのが一般的です。準委任契約では、指揮命令権がクライアント企業ではなく自社にあり、クライアント企業が直接残業を指示することは違法です。

そのため、クライアント企業から直接残業を指示された場合は、法的に拒否できます。ただし、自社の現場責任者から残業の指示を受けた場合は適法です。

また、準委任契約では業務遂行が義務であり、成果物に対する責任は問われません。そのため、残業を断りやすい傾向があります。

一方、派遣契約では、準委任契約と異なりクライアント企業が指揮命令権を持ちます。ただし、指揮命令権を持たない方からの残業指示は、法的に拒否することが可能です。

残業を法的に拒否できるかどうかは、契約形態と指揮命令権を持つ者によって決まります。派遣契約の場合は、労使協定や36協定に基づく残業規定を確認することが重要です。

現場の状況次第では拒否しづらい

考える女性


法的に違法ではないとしていても、クライアント企業に常駐するSESエンジニアはチームの雰囲気やプロジェクトの進行状況によっては、残業を断りづらい場合があります。

納期や修正対応が終わらず、クライアント企業のエンジニアが残業していると、SESエンジニアも「チームのために残るべきだ」と感じる雰囲気になることがあります。

企業によっては評価に関わることがある

残業を断ることが評価に影響するかは、自社SES企業やクライアント企業の考え方によって異なります。

実際に残業を断ったとしても、自社SES企業が契約内容に基づいて働くことを評価してくれることもあれば、チームワークの観点を重視して評価が下がるケースもあるでしょう。

また、クライアント企業がチームメンバーは残業しているのに残業に対応せず協力的ではないと考える場合には、評価に影響する可能性が考えられます。チームの状況によって対応を考えることも大切なことです。

しかし、評価のために無理に残業を続けると体調を崩し業務効率の低下や欠勤につながり、かえって評価に悪影響が出る可能性もあります。無理な残業を避け、自分に合った働き方を選びましょう。

契約種類ごとの残業拒否のしやすさ

パソコン見る女性


SESエンジニアは、契約形態によって残業を断りやすいかどうかが異なります。

ここでは、以下の3つの契約形態ごとの特徴と残業が断わりやすいかどうかを、詳しく解説していきます。

  • 準委任契約
  • 請負契約
  • 派遣契約


自分の契約形態を、それぞれ確認しましょう。

準委任契約

準委任契約は、成果物の納品ではなく業務の遂行が求められる契約です。あらかじめ自社SES企業とクライアントとの間で、定められた契約内容に基づいた労働時間によって報酬が支払われるため契約上、時間外労働の義務はありません。

勤怠管理はクライアント企業ではなく、自社SES企業が行います。そのため、勤務時間の調整が可能であり、残業を断りやすい契約形態です。

請負契約

請負契約は、業務の遂行ではなく、特定の成果物を納品することに責任を持つ契約形態です。

この契約では、作業の進め方や労働時間は受注側が自由に決めることができ、原則としてクライアントからの指揮命令を受けることはありません。そのため、請負契約は労働時間の裁量が大きく、残業を拒否しやすい契約形態といえるでしょう。

ただし、請負契約では納期に対する責任が大きいためスケジュールが厳しい場合は、結果的に残業をせざるを得ない状況に追い込まれることもあります。

また、クライアントが過度な修正や追加業務を求める場合、長時間労働につながることもあります。

派遣契約

ミーティング


派遣契約では、派遣会社と労働契約を結び、前述のとおり派遣先企業の指揮命令のもとで働くことになります。この契約形態では、派遣先の就業規則に従う必要があり、残業を拒否するのが難しいケースが多くなります。

ただし、契約時に残業の対応をしないことが明確に定められていれば、その条件のもとで働くことが可能です。そのため、残業を拒否することもできます。

派遣契約を検討する際は、事前に労働条件を確認し、自分の希望に合った環境を選ぶことが大切です。

私たちテクニケーションは、理想の働き方でできるよう案件選択制を採用しています。エンジニア一人ひとりのスキルや希望を丁寧にヒアリングし、ワークライフバランスが整った労働環境にて業務を行うことが可能です。

報酬についても、単価給与連動制を導入し、単価に応じて実力に見合った収入を得ることができます。会社間の単価も開示しているため、納得したうえでお互い気持ちよく働けることが可能です。

また、キャリア開発や昇進の機会提供・困ったときには仲間と相談できるチーム制を導入し、スキルアップを諦めない環境を整えています。

まずはテクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。一人ひとりに合った理想の労働環境や、キャリアの道筋を一緒に見つけていきましょう。

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SESの残業は規則だとどう扱われる?

悩む女性


SESにおける残業の法律的な位置付けを理解することは、不当な残業を避け自分の身を守るために大切です。

そのために知っておきたい法律は、以下の2つです。

  • 36協定
  • 労働基準法


それぞれ、詳しく確認しましょう。

36協定

36(サブロク)協定とは、企業が法定労働時間を超えて従業員に、残業や休日出勤を命じるための許可を得る契約です。

日本の労働基準法では、原則として1日8時間・週40時間を超えて労働させることを禁止しています。

ただし、企業が時間外労働を必要とする場合は、労働組合または労働者の代表と36協定を結ぶことで定められた範囲内で残業や休日出勤が認められます。協定を結んでいない場合には、会社が従業員に残業を命じることはできません。

労働基準法

握手をするスーツ姿の女性


法定労働時間を超える労働に対しては、企業が労働者に対して残業代を支払う義務があります。

具体的には、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合、通常の賃金の25%以上の残業代を支払う必要があるのです。

さらに、深夜(22時から翌5時まで)の労働には25%以上の深夜割増賃金が加わり、休日労働については35%以上の割増賃金が必要となります。

SES企業では、就業規則や賃金規定において残業代の支払いについて明確に規定している必要があります。そのため、SES企業に就職する際や新しいプロジェクトに参加する際には、残業代の取り扱いについて事前に確認することが大切です。

特に、みなし残業や固定残業制の有無、残業代の計算方法についても確認しておきしょう。

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SESでサービス残業の指示を受けたときの対処法や注意点

3人の男女


サービス残業を指示された場合は、次の4つのポイントを押さえて適切に対応することが大切です。

  • 契約内容を確認する
  • 法律に反しないか確認する
  • 緊急性があれば対応し常態化しない
  • 残業代の支払いについて確認する


対処法や注意点を、事前に確認しておきましょう。

契約内容を確認する

まず、サービス残業の指示を受けた際は、契約内容を確認し残業が契約上どのように扱われているのかを把握しましょう。

その際は、みなし残業の有無や残業代の計算方法など、残業代の支払い条件を事前に確認しておくことが重要です。

万が一契約内容に反してる場合は、自社SES企業の人事や労務担当、またはクライアント企業の信頼できる担当者に相談をして冷静に対応しましょう。

法律に反しないか確認する

女性弁護士


労働基準法では、残業を命じるには36協定の締結が必要とされています。さらに、残業を行った場合には、企業は労働者に残業代を支払う義務があります。

そのため、36協定の有無や契約内容と一致した方法で、残業が指示されているかを確認しましょう。

残業代が未払いのまま労働を強いられたり、契約に反した残業を命じられたりすることは、いずれも違法です。特に以下のようなケースは、注意が必要です。

  • 未払いのまま残業を強制される
  • 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えているのに適切な手続きがない
  • 休日や深夜に無償で働かされる(深夜・休日労働の割増賃金未払い)
  • 契約内容に反した労働を求められている


これらのケースに該当したら、信頼できる上司や人事に相談をしましょう。しかし、それでもなかなか解決まで至らない場合もあります。

その場合は、労働基準監督署への相談を検討することが大切です。労働基準監督署​への相談や申告は、サービス残業の証拠を集めておくと効果的です。そのため、残業を指示された証拠(上司とのやりとり・タイムカード・給与明細など)を保存しておきましょう。

さらに、弁護士や専門家に相談することも、選択肢の一つとして挙げられます。弁護士は法律の専門家として助言を行い、必要に応じて交渉を代理で行うこともできます。直接の相談に抵抗がある方は、匿名で相談できるホットラインを活用するのもおすすめです。

緊急性があれば対応し常態化しない

時計を持つビジネスマン


エンジニアは納期や修正対応に追われることが多く、その業務の性質上、どうしても緊急で残業が必要な場合もあります。しかし、そのような残業はあくまで例外的な対応にとどめることが大切です。

緊急対応を繰り返すうちに、それが常態化すると、残業が当たり前のものと見なされてしまいます。その結果、身体的・精神的な負担が増え、業務の生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、対応する際は「今回限りの対応である」と明確に伝え、業務時間内に完了できるように調整を依頼することが大切です。

また、過度な残業が常態化している場合は、上司に業務量の見直しを依頼することも有効な対策です。

「現在の業務量では定時内の完了が困難なため、効率化や業務分担の見直しについて相談したい」と上司に冷静に伝えることで、具体的な改善策を検討できる可能性があります。

残業代の支払いについて確認する

残業を行った場合は、残業代が契約内容に基づいて残業代が適切に支払われているかを、必ず確認しましょう。

企業が残業代の支払いを怠った場合は、未払いの残業代を請求することができます。証拠としてタイムカード・出退勤記録・給与明細・業務指示の記録などを保存しておくことが重要です。

また、未払い分の残業代は3年前まで遡って請求可能です。会社が対応しない場合は、労働基準監督署や労働組合、弁護士などに相談することで解決の糸口が見つかる可能性があります。

SESの残業拒否の交渉方法

パソコン作業をする女性二人


SESエンジニアの残業を拒否する際に、クライアントへどのように交渉すればよいかを具体的に紹介します。

単に拒否するのではなく、適切な伝え方や代替案の提示によって、クライアントとの関係を損なわずに交渉を進めるポイントを確認しましょう。

契約以上の労働時間外だと丁寧に相談する

困った顔で携帯を指差す女性


まず、残業を拒否する際には、契約内容に基づく正当な理由を説明することが大切です。残業に関して法的な根拠を示すことで、相手が納得しやすくなります。

そのため、自分の契約内容をあらためて確認しましょう。契約内容には、労働時間や残業の有無・条件などが明記されているはずです。

確認したうえで、契約内容以上の労働が発生している場合には、残業が契約の範囲を超えていることを冷静かつ丁寧に伝えることが重要です。

自社への判断を仰ぐと伝える

直接的に拒否するのではなく、間接的に自社に判断を仰ぎ対応することも一つの方法です。これにより、相手との対立を避けながらも、適切な対応を取ることができます。

特に準委任契約では契約範囲を超える業務については自社の判断を仰ぐ必要があるため、「契約内容に関わる可能性があるので自社に確認します」と伝えると、スムーズに対応しやすくなります。

また、SES契約では各メンバーが契約条件に沿った働き方を守っているため、「ほかのメンバーと同じ契約条件のもとで業務を行っているので個別の判断はできず一度自社に確認する必要があります」と伝えることが大切です。

このように伝えることで、個人的な意見ではなく社内ルールに基づく判断であることを示しやすくなるかもしれません。

残業で気になる偽装請負とは

スマホを見て考える男性ビジネスマン


SESエンジニアが請負契約や準委任契約で働いている場合、本来はクライアントが具体的な指示を出すことは、違法となります。

もしクライアントが指示を出し、SESエンジニアがその指示にしたがって業務をすることになると偽装請負にあたり、労働基準法違反となるのです。

偽装請負が発覚すると、クライアント企業は労働基準監督署からの指導が入り、是正勧告を受ける可能性があります。さらに、違反が悪質な場合は、企業名の公表や契約の見直しを求められることもあります。

SESエンジニアにとっても、本来受けるべき労働者としての権利(残業代の支払い・福利厚生など)を受けられないリスクがあるため、注意が必要です。

SESで働きやすさを実現するために

男女2人のビジネスマン


SESエンジニアとしての残業の拒否は、契約内容や工夫次第で可能です。ただし、クライアント企業やSES企業の方針に左右される場合もあります。

法律や契約内容を正しく理解をして、状況に応じて円滑に残業拒否の交渉をしましょう。また、偽装請負には気をつけましょう。

高還元SES


エンジニアの単価に対する還元率が高い高還元SES企業であるテクニケーションでは、エンジニアのキャリアや労働環境の改善に注力しており、働きやすい環境が整っています。

準委任契約でエンジニアと契約を結び、安定した案件制も押さえながら社内で労働時間を管理し、ワークライフバランスを重視した職場環境が特徴です。

さらに単価給与連動制によって、エンジニアがプロジェクトに直接貢献した分だけの報酬を得られるため、エンジニアのモチベーションが高く維持されます。また、案件選択制やチーム制により、個々の効率的なスキルアップが可能です。

これにより、クライアントへの提供サービスの質も高く、プロジェクトの効率と成果の向上につながっています。

テクニケーションでは、エンジニア一人ひとりの希望に寄り添い、ワークライフバランスを大切にした環境を提供しています。理想のキャリアを実現するための第一歩として、ぜひカジュアル面談であなたの働き方についてお聞かせください。

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