Java Gold SE11対策：CyclicBarrier / CountDownLatch の使い方と違い
マルチスレッドで「複数の処理を同時に進めたい。でも途中で一度集まって、足並みを揃えたい」――
そんなときに使えるのが CyclicBarrier や CountDownLatch です。
それぞれ似た目的で使われますが、使い方や挙動が大きく異なります。
本記事では、「スレッドの待ち合わせ」をテーマに、
- 両者の違い
- Java Gold SE11 試験での狙われポイント
- 実際のコード例
を交えて解説します。
目次
何のために使うの？
たとえば、3人の作業者（スレッド）がバラバラに作業しているとして：
作業A → 作業B → 作業C
それぞれのスレッドが「作業A」を終えたら、次のステップに進む前に全員揃うのを待ちたい。
→ この「待ち合わせ処理」を実現するのが CyclicBarrier や CountDownLatch です。
CountDownLatch：一定回数カウントダウンするまで待つ
特徴
- 一方向にカウントするだけ。再利用できない。
- 「N回 countDown() が呼ばれるまで待機」する仕組み。
- 複数のスレッドが await() で待機し、あるカウントで一斉に解除。
サンプルコード
import java.util.concurrent.CountDownLatch;
public class LatchExample {
public static void main(String[] args) throws InterruptedException {
CountDownLatch latch = new CountDownLatch(3); // 🔢 3回のカウントが必要
Runnable task = () -> {
System.out.println(Thread.currentThread().getName() + ” 処理開始”);
try {
Thread.sleep(1000); // 擬似処理
} catch (InterruptedException e) {}
System.out.println(Thread.currentThread().getName() + ” 処理完了”);
latch.countDown(); // 🔻 カウント減らす
};
for (int i = 0; i < 3; i++) {
new Thread(task).start();
}
latch.await(); // 👈 ここでスレッド全員の終了を待つ
System.out.println(“全員完了。メイン処理へ”);
}
}
CyclicBarrier：複数スレッドの合流ポイント
特徴
- 再利用可能（cyclic） なバリア（待ち合わせ）。
- 指定スレッド数が await() に到達したタイミングで、一斉に次の処理へ進む。
- 到達時に実行される「バリアアクション（Runnable）」も指定可能。
サンプルコード
import java.util.concurrent.CyclicBarrier;
public class BarrierExample {
public static void main(String[] args) {
CyclicBarrier barrier = new CyclicBarrier(3, () -> {
System.out.println(“🔔 全スレッドが揃いました！”);
});
Runnable task = () -> {
System.out.println(Thread.currentThread().getName() + ” 作業中”);
try {
Thread.sleep(1000);
barrier.await(); // 🧍♂️ バリア到達を宣言
System.out.println(Thread.currentThread().getName() + ” 次の処理へ”);
} catch (Exception e) {
e.printStackTrace();
}
};
for (int i = 0; i < 3; i++) {
new Thread(task).start();
}
}
}
違いを比較
| 特徴 | CountDownLatch | CyclicBarrier |
| 再利用性 | ❌ 1回使い切り | ✅ 再利用可能 |
| カウント操作 | countDown() | await() で自動カウント |
| 主な使い方 | スレッドの終了待ち | スレッドの合流点 |
| バリアアクション | ❌ なし | ✅ 指定可 |
| 試験での狙い所 | await() のブロック | await() 後に一斉進行 |
Java Gold SE11でのポイント
- CountDownLatch の await() と countDown() の関係を問われる
→「N 回 countDown() されるまで await() がブロックされる」 - CyclicBarrier のスレッド合流／バリアアクションの発火タイミング
→「最後のスレッドが await() したときにアクション実行」 - InterruptedException や BrokenBarrierException の例外処理が必要
→試験では例外スローや try-catch の有無もチェックされる
まとめ
| 用語 | ポイント |
| CountDownLatch | 1回限りのスレッド待機処理。完了通知として使う |
| CyclicBarrier | 複数スレッドの同期ポイント。再利用可能で合流アクションも指定可 |
| await() | スレッドが「到達した」ことを示す。解除されるまでブロックされる |
| countDown() | Latch のカウントを1減らす。全カウントで待機スレッドが解除される |
