インフラエンジニアの資格 | 国家資格とベンダー資格についてそれぞれ解説

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ITエンジニアにとって資格の取得はキャリアアップを叶える有効な手段の一つです。主体的にコードを記述しないインフラエンジニアの場合はその傾向が顕著に見られます。

しかし「IT業界の資格は数が多すぎて自分に適したものがわからない」と頭を抱える若手が後を絶ちません。選択を誤ると実務に役立たない知識を余計に学ぶ羽目になり、時間やお金を無駄に浪費する場合があります。

この記事ではインフラエンジニアが取得したい資格の種類や選び方のポイントを解説します。

インフラエンジニアに資格は必要?

服装自由な会社で悩む会社員


インフラエンジニアに必須の資格はなく、未経験者でも仕事に就くことは可能です。しかし業務で欠かせないインフラやネットワークの知識を経験者と同等、またはそれ以上保有する証明として資格の取得は効果的です。

例えば未経験者でもAWSのベンダー資格があれば、AWS関連のプロジェクトに転職直後に抜擢される可能性が上がります。

なおインフラエンジニア向けの資格は、国家資格と民間企業が運営するベンダー資格に分かれます。

インフラエンジニアの仕事内容

サーバールームで作業する技術者


インフラエンジニアはインフラストラクチャの構築を守備範囲とするエンジニアの総称です。業務範囲に応じてサーバーエンジニア・ネットワークエンジニア・データベースエンジニア・セキュリティエンジニアに分かれます。

システム運用後の保守や企業内外の質問対応を担うカスタマーエンジニアを含める分類の仕方もあります。

サーバーエンジニアはサーバーの設計や構築、各々の機器の調達を担当する方たちです。コードを記述する機会はあまりない代わりにハードウェア関連の深い知識が求められます。

ネットワークエンジニアは社内外のネットワークを快適かつ効率的につなぐ設計や構築を担う方たちです。サーバーエンジニアと同様、基本的にコードは記述せず、トラフィックの量を考慮して安定的に稼働するシステム体制を整備します。

データベースエンジニアはユーザーの情報を保持して、要求に応じてレスポンスを返す際に必要なデータベースの構築を担う方です。データの保管やテーブルの設計、返却する情報の操作のためにSQLと呼ばれるプログラミング言語を自ら記述する場合があります。

セキュリティエンジニアは、情報漏洩や不正アクセスを未然に防止する安全性が高いシステムの設計や構築を担う方たちです。ファイアウォールやWAFなどを活用して、外部の第三者の接続を禁止するネットワークの構築を担います。

インフラエンジニアが取得するべき国家資格

ガッツポーズをする笑顔の男性


エンジニアの国家資格は、独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)が運営する情報技術者試験です。レベルや内容ごとに種類が分かれており、インフラエンジニアに役立つものは次のとおりです。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験はスキル標準のレベル2に位置付けられ、IT業界の登竜門と呼ばれる資格です。サーバーやネットワークの基礎的な知識を幅広く学べ、ビジネスとの関連を意識して習得できます。

合格率は平均40%近くを推移し、難易度は高い部類とはいえません。アルゴリズムとプログラミングの分野ではプログラミングの記法を理解する必要があるため、エンジニアにまったく関係ない仕事に就く方や文系の学生は苦慮する傾向が見受けられます。

未経験者が短時間で就職に役立つアピール材料を得たいケースに適した資格です。

応用情報技術者

応用情報技術者はスキル標準のレベル3に位置付けられ、一定の業務経験を積んだエンジニアを主たる対象にした資格です。サーバーやネットワークのテクノロジー関連以外にも、経営や法務、プロジェクトマネジメントなどビジネス方面の出題が多い傾向にあります。

午前試験の四肢択一式、午後試験の記述式に分かれ、午前・午後いずれも合格基準は60%です。基本情報技術者試験の上位資格に位置付けられますが、時間制限を踏まえて5題の設問に文章で答える午後試験がとても難しく、難易度は格段に上がると考えましょう。

ネットワークスペシャリスト

腕組みをする男性


ネットワークスペシャリストはスキル標準の最高位であるレベル4に該当し、高度IT人材として確立した専門分野をもつ方を対象とした資格です。

応用情技術者よりさらに難易度が上がり、選択式の午前試験・記述式の午後試験ともに2部構成です。取得者に期待される役割はシステム基盤の資源管理や効率性・信頼性・安全性を満たす開発プロジェクトの推進とされています。

下位人材を指導する能力や経験をもつとみなされ、取得者はPMやPLなど管理職のポジションで活躍する道が拓けます。IT業界で初めて働く方や経験が浅いエンジニア方がいきなり挑むと、難しすぎて挫折する可能性が高い資格です。

合格率は約15%と難易度はとても高いのですが、公的にネットワークのスペシャリストとみなされるため、キャリアアップの転職を目指す際に役立ちます。

データベーススペシャリスト

データベーススペシャリストはネットワークスペシャリスト同様、スキル標準のレベル4に該当する難易度が高い資格です。

取得者は設計から運用・保守まで、独力でセキュリティやパフォーマンスの向上を考慮したデータベースの構築が可能なスキルと知識を備えるとみなされます。選択式の午前試験・記述式の午後試験ともに二部構成、合格率はおおむね15%です。

合格には正規化や排他制御をはじめ、高度かつ難解な知識を十分理解して試験に臨まなくてはいけません。

インフラエンジニアに役立つベンダー資格

オフィスで働くエンジニア


OSや業界標準のサービスを提供するベンダー企業が自ら資格試験を運営している場合があります。企業や案件のニーズに合う資格をアピールすれば転職の際に十分役立ちます。インフラエンジニアの業務と関連性が高いベンダー資格は次の4つです。

LinuC

Linux技術者認定試験のLinuC(リナック)はアーキテクチャの管理からシステム開発、運用管理まで一気通貫で学べる資格です。

通常ベンダー資格は特定の製品やサービスを主体的に学びますが、この試験ではソフトウェアやハードウェアの種類に関わらず、ネットワークの構築に実践的に使える知識を習得します。

LinuCはレベル1・レベル2・レベル3・システムアーキテクトの4カテゴリに分かれ、ネットワークエンジニアのアピール材料にはレベル2以上の取得が望ましいといえます。

Linuxを用いたシステムの設計やネットワークの構築、問題解決ができる人材と同等のスキルを有すると評価を受けるためです。

AWS SAA

AWS SAA(AWS Certified Solutions Architect – Associate)は、Amazon Web Servicesのスキルを問われる資格です。

ソリューションアーキテクトを対象としてAWSを使用したシステムの設計や構築に必要な知識を習得可能です。難易度は4段階のうち下から2番目のアソシエイトに位置付けられます。

取得者はコストやパフォーマンス、セキュリティを踏まえて、企業のニーズに合致したAWSネットワークの構築を推進する人材と扱われます。

ITインフラストラクチャの構築環境がオンプレミスからクラウドに移行する企業が目立つなか、AWSの需要は増加の一途をたどっています。AWS関連の高いスキルをもつエンジニアは転職市場で引く手あまたです。

CCNA

パソコンを使う笑顔の男性


私たちテクニケーションでは、CCNAなどのインフラ系資格取得を目指すエンジニアを支援しています。資格取得支援制度を活用しながら、案件選択制で自身のスキルアップに直結するプロジェクトに参加可能です。

また、チーム制のサポート体制も整っており、ベテランエンジニアからのフォローを受けながら安心して技術を磨けます。さらに、単価開示により自分の市場価値を把握しながらキャリアを築けるため、資格の更新や知識のアップデートも意識しやすい環境です。

スキルアップをして成長したい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。

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ORACLE MASTER

ORACLE MASTERはDBMS(データベース管理システム)の一つ、Oracle Databaseを提供するOracle社の認定試験です。試験は4つのカテゴリに分かれ、下位からBronze DBA・Silver DBA・Gold DBA・Platinum DBAと並びます。

また、SQLのオブジェクト管理やデータ分析の知識の証明に役立つOracle Master Silver SQLが存在します。

これからインフラエンジニアやITシステムの運用担当者を目指す方はBronze DBAやSilver DBAがおすすめです。データベース管理者やミッションクリティカルな要件定義を担う方は、上の区分のGold DBA・Platinum DBAが適しています。

インフラエンジニアで資格を取得するメリット

ビジネスマン


「エンジニアの就職に資格は必要ない」「実務経験の方が重要だ」という意見を耳にします。しかし、未経験者が応募先にアピールする材料に有効です。

実際に実務経験がない方が資格を取得して選考に通過した事例は決して少なくありません。資格がインフラエンジニアに与えるメリットを確認しましょう。

スキルの証明になる

資格をもつ=一定のスキルを備えるとみなされ、応募先企業や面接官の評価が上がる傾向にあります。習得する知識の範囲には一つひとつ差があるとはいえ、国家試験の基本情報技術者以上の保有者ならばIT業界の基本は知っていると扱われます。

ベンダー資格の保有者は加えて特定の製品の操作方法にも長ける可能性が高い方です。

IT業界で働くためには業界特有の専門的な知見を頭に入れておかねばなりません。オファー側の視点に立つと同じ未経験者なら資格なしの応募者を避けて資格ありの方をオファーするのは自然な選択です。

キャリアアップにつながる

爽やかにガッツポーズするビジネスマン


資格の取得は年収アップや昇進・昇格の可能性を高める際にも効果的です。高単価または高度な裁量が認められるプロジェクトの通過角度を上げ、PM(プロジェクトマネージャー)やシステムエンジニアとしての参画を叶えます。

スキルが高い人材を抜擢するため、資格の取得をオファー要件の一つに据えるケースは珍しくありません。

SES企業に登録するとさまざまなクライアントの開発案件から自分の希望に合うプロジェクトに手を挙げます。

資格の取得者はより多くの案件情報をSESの営業担当から入手できます。希望条件に合致する良質なプロジェクトとマッチできる可能性が上がり、キャリアアップの実現に有利に働くでしょう。
私たちテクニケーションでは、資格取得を評価し、資格を活かせる高単価案件や裁量の大きいプロジェクトに挑戦できる環境を提供しています。

また、案件選択制により、自分のスキルや希望に合ったプロジェクトを選択できるため、キャリアアップを目指しやすくなっています。

さらに、チーム制でベテランエンジニアのサポートを受けることも可能なため、スキルを磨きたい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でお気軽にご相談ください。

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インフラエンジニアの資格を選ぶポイント

パソコン画面


インフラエンジニアが自分に合った資格を選ぶポイントは次の3つです。

  • 活躍したい領域を検討する
  • 現在の知識レベルを見極める
  • 市場のニーズを考慮する


それぞれについて、詳しく解説します。

活躍したい領域を検討する

サーバーやデータベース、クラウドなど将来的に活躍したい領域を見定めましょう。インフラエンジニアと一括りにしても業務範囲が膨大で、すべてをカバーするのは実質的には不可能に近いためです。

将来的になりたい姿が明確になった方が勉強に励むモチベーションを維持しやすいといえます。ただし現状では自分の興味や適性を判断できないと感じている場合は、ひとまず分野を絞らず広く学んで、徐々に特化領域を見つける方針でも問題ありません。

現在の知識レベルを見極める

ビジネスマン


自分が今どの知識レベルに位置するか見極め、資格の選択に役立てる意識が求められます。その際主観に陥らないためにITSSのスキル標準にあてはめて考えると効果的です。

初めてIT業界を目指す方や大学生、高校生はレベル1を目指してもよいですが、すぐ就職や転職したい方はレベル2を目指しましょう。

基本情報技術者試験に合格できる知識を持ち合わせていれば「自分はレベル2以上の力がある」と考えて問題ありません。

一定の実務経験をもちキャリアアップを目指す方はレベル3、マネジメントのポジションを狙う方はレベル4を目標に掲げるとよいでしょう。

市場のニーズを考慮する

自分起点で考えるだけでなく市場のニーズを考慮して資格を決めるべきです。取得したのはよいもののプロジェクトの数が少なく、仕事が見つからない事態を未然に防ぐためです。

DX化の進展著しい昨今、クラウドやセキュリティ、ネットワーク関連の求人は増加の傾向を見せています。国家資格は客観的にスキルを証明する材料には効果的な反面、実務との関連性が必ずしも見いだせない場合があります。
特定の製品の知識を習得するベンダー資格の場合、対象のソフトウェアを使う企業に就職すれば、即戦力とみなされオファーに結びつく可能性が高いでしょう。

インフラエンジニアでキャリアアップしたいなら

家でパソコンを使って勉強する男性


インフラエンジニアとして活躍したいと考えている方は資格を取得して就職する、または働きながら取得した資格をアピールして昇進や給与アップを狙う戦略がおすすめです。

しかし資格に対する企業の考え方は千差万別です。応募先が業務経験が重要と考えるスタンスでは評価されず、履歴書や職務経歴書の内容が充実しただけで成果が出ずに終わる可能性があります。

私たちテクニケーションでは、案件選択制により、自分のスキルや興味に合ったプロジェクトで実務経験を積みながらキャリアアップを目指せる環境を提供しています。

また、チーム制のサポートを受けながら、単価開示で自身の市場価値を正しく把握できるため、納得感を持って働けるのが強みです。

資格取得に加えて実務経験も大切にしたい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でお気軽にご相談ください。

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