応用情報技術者試験は意味ない?難易度や取得のメリットについて解説

アイキャッチ画像

応用情報技術者試験は難易度が高いにもかかわらず「取得しても意味がない」と否定的な意見を耳にする場合があります。原因の一つは、司法試験や医師試験のように、資格がないと従事できない独占業務が存在しないためです。

ITエンジニアになるうえで必須となる資格はなく、知識よりもプログラミングなどの実務能力が重視される傾向があります。しかし、応用情報技術者試験は高度なIT人材であることをアピールする手段として、就職や転職活動において有利に働く資格といえます。

特にシステムエンジニアやインフラエンジニア、セキュリティエンジニアを目指す方にとって、価値ある資格です。本記事では、応用情報技術者試験が意味がないといわれる理由、取得することによるメリット、そして具体的な取得方法について解説します。

応用情報技術者試験とは

パソコンを使う笑顔の男性ビジネスマン


応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験のなかで、高度なレベル3に位置付けられています。

レベル1のITパスポートやレベル2の基本情報技術者試験に続く、次のステップとして位置付けられている資格です。

まずは、応用情報技術者試験の受験資格や難易度、合格率を確認してみましょう。

受験資格

応用情報技術者試験に特別な受験資格は設けられていません。年齢や性別、学歴、経験を問わず、誰でも受験可能です。

IPAのホームページには、本試験の対象は高度IT人材にふさわしい応用的な技能と知識を持ち、自らのキャリアの方向性を確立した者と記載されています。

ただし、これはあくまで受験を推奨する人物像を述べたものであり、実際には制限は設けられていません。ITパスポートや基本情報技術者試験を取得していなくても、直接応用情報技術者試験を受験することが可能です。

午前・午後試験を受験し、両方で合格基準点に達すればどなたでも取得可能な資格です。

難易度

笑顔で対話をする女性・ビジネスウーマン


応用情報技術者試験の難易度は高く、偏差値に換算すると65程度とされています。出題範囲が広く記述試験があるため、基本情報技術者試験よりはるかに得点しにくいと感じる受験生が多いです。

合格に必要な勉強時間の目安は、IT未経験者で約500時間、基礎知識を持つ方や現役エンジニアの場合は約200時間とされています。毎日2時間の学習を継続した場合でも、4〜9ヶ月かかるとされており、一朝一夕で取得できる資格ではありません。

合格率

応用情報技術者試験の合格率は、20%程度です。実務経験者や再受験者も不合格となるケースが少なくなく、特に未経験者や独学による合格は難しいといえます。

カリキュラムに沿った学習ができる予備校講座や通信教育を利用しない限り、一発合格は困難です。特に就業中の方は、平日の帰宅後や週末の限られた時間を活用するため、効率的な学習計画を立てることが重要です。

応用情報技術者試験は意味ない?

頭を押さえて悩む女性・ビジネスウーマン


応用情報技術者試験が「やめた方がよい」「意味ない」といわれる理由の一つは、資格を取得しても仕事に直結するとは限らないためです。

ITエンジニアには業務独占資格が存在しないため、実務経験やスキルが評価されれば、資格の有無にかかわらず転職市場で高く評価される場合があります。資格取得が必ずしも仕事に直結しない可能性があるため、学習への意欲を失う方が少なくありません。

応用情報技術者試験は、数百時間の勉強が必要とされるうえに、記述式問題への対策も求められる負荷の高い資格です。コストや時間が大きいにも関わらずキャリアアップが叶うとは限らず、コストパフォーマンスが低いと感じる場合があります。

そのため、ブログやSNS上では「取得しても意味がない」とする意見が散見され、資格の意義に関する議論が交わされる場面を目にします。

応用情報技術者試験の内容

テスト


応用情報技術者試験の対策を始める際は、詳細情報を把握することが重要です。出題形式や出題範囲は次のとおりです。

出題形式

応用情報技術者試験は、4月(春期)と10月(秋期)の年2回実施され、受験票記載の会場に赴いて受験します。午前試験は、四肢択一式のマークシート形式で実施され、150分間の制限時間内に80問を解答します。

記述式の午後試験は全5問のうちセキュリティ分野の1問は必須で、残りの計10問のなかから4問を解答します。

午後試験の制限時間は150分であり、すべての問題に時間内に解答するには、タイムマネジメント能力が求められます。なお、午前試験で基準点を下回った場合、午後試験は採点の対象となりません。合格基準は午前・午後試験ともに、正答率60%とされています。

出題範囲

ガッツポーズする女子大学生


応用情報技術者試験の出題範囲はテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野です。具体的には、インターネットの基礎知識やハードウェアの構造、データベースの操作、セキュリティ技術などが含まれます。

試験範囲の広さは基本情報技術者試験と同程度ですが、問われる内容はより深いため、学習に要する時間の増加が必要です。また、午後の記述試験は以下のカテゴリから4題を選択して解答します。

  • プログラミング
  • システムアーキテクチャ
  • ネットワーク
  • データベース
  • 組み込みシステム開発
  • 情報システム開発
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システムマネジメント


午前試験では、過去問と類似した形式で、数値や事例のみが変更された問題が出題されることがあります。午後試験においても、完全に同じ問題は出題されませんが、出題傾向を分析することは十分に可能です。

例えばデータベース分野では、与えられた事例をもとに正規化の手順やSQLのコマンドを記述する問題が頻出です。

これらの特徴から、応用情報技術者試験に合格するためには、過去問の反復学習が効果的な学習方法といえます。
 

応用情報技術者試験のメリット3選

ノート


応用情報技術者試験は、直接的に業務範囲を拡大する資格ではないものの、現在の職場での評価を上げ、就職や転職の後押しとなる資格です。

この資格を取得する意義は十分にあり、多くの場面で有効に活用できます。具体的なメリットは次のとおりです。

IT人材として一定の評価を得られる

応用情報技術者試験の合格者は、高いITスキルを有するとみなされ、プログラマーやシステムエンジニアとして一定の評価を得られます。

この資格の信頼性は、システム開発や情報セキュリティ、プロジェクトマネジメントなど、幅広い知識が問われる点とIPAが実施する国家資格である点です。

企業によっては、昇進の評価基準の一つとして活用され、新規プロジェクトのリーダーに抜擢される材料となることもあります。

また、デジタルトランスフォーメーション(DX)や情報セキュリティの推進とも親和性が高く、ITや通信業界に限らず金融や製造、小売など多様な業界でのキャリアアップにも貢献する資格です。

就職・転職で有利になる

回答する


応用情報技術者試験は、就職や転職活動で人材としての評価を高め、内定の可能性を高める資格です。主な就職先には、SIerや金融業界、各業種の社内IT部門、さらに官公庁や公共部門セクターなどが挙げられます。

大規模案件や公共事業においては、プロジェクトメンバーに応用情報技術者試験の合格者を一定数含めることを条件とする場合が少なくありません。

また、業種に関わらず社内にIT部門を持つ企業においては、採用時に有利に働く可能性が高い資格です。応用情報技術者試験の合格者は、業界特有のビジネス知見とITスキルを統合し、システム全体を俯瞰する力を備えていると評価されるためです。

これはすなわち、応用情報技術者試験で得た知識が実務に活かせると認識する企業の多さを意味しています。

テクニケーションでは、資格取得支援制度を充実させており、応用情報技術者試験の合格を目指すエンジニアをサポートしています。また、案件選択制により、自身のキャリアプランに合わせて資格活用が見込める案件に挑戦できる環境が整っています。

さらに、チーム制でベテランエンジニアのフォローを受けながら、実務経験を積みやすい環境も大きな強みです。単価開示により、自分の市場価値を把握しながらスキルアップに取り組めるため、将来的なキャリアアップや収入増加につなげられます。

資格取得を通じて価値あるエンジニアを目指したい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でご相談ください。

カジュアル面談はこちら

履歴書はもちろん不要。今のメンバーも
みんな最初は雑談からでした。
ぜひお仕事以外にも趣味や
好きなことのお話で繋がりましょう!

資格手当や報奨金の支給がある

応用情報技術者試験の取得者には、資格手当や報奨金が支給される場合があります。毎月の給与が増加することで、基本給の上昇と同様の効果があり、モチベーションの向上に効果的です。

また、試験合格者に対し、受験費用を上回る一時金を報奨金として支給する企業も存在します。

このような制度は、応用情報技術者試験に対する企業の信頼と期待度の高さの表れです。
資格手当や報奨金の支給要件を満たし、PMやシステムエンジニアに昇進すれば大幅な年収アップも期待できます。

私たちテクニケーションでは、応用情報技術者試験に挑戦するエンジニアに向けて資格手当を支給しています。資格手当があることで、資格取得の価値がしっかり評価される環境です。

また、案件選択制により、自分のスキルや目標に合ったプロジェクトに挑戦できるため、チーム制のサポート体制のもと安心感を持って成長できます。さらに、単価を開示しているため、自分の市場価値を正しく把握しながら納得して働ける環境もテクニケーションの強みです。

資格手当を活用してキャリアアップを目指したい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でお気軽にご相談ください。

カジュアル面談はこちら

履歴書はもちろん不要。今のメンバーも
みんな最初は雑談からでした。
ぜひお仕事以外にも趣味や
好きなことのお話で繋がりましょう!

応用情報技術者の資格はどのような職業に役立つ?

案内する教師


応用情報技術者試験は、IT業界の広範な知識が求められる職種に役立つ資格です。

マネジメントやストラテジなど、テクノロジーと直接関係しない分野も学ぶため、プログラミングを行わない上流工程やインフラ、セキュリティ関連の職種と親和性が高いとされています。

ここからは、応用情報技術者試験が役立つ具体的な職種と、その後の活躍イメージについて紹介します。。

システムエンジニア

システムエンジニアは、応用情報技術者試験の知識が特に評価される職種の一つです。クライアントの要望をヒアリングし、システムの要件定義や基本設計を担います。

応用情報技術者を取得すれば、マネジメントや経営の視点を取り入れた、実現可能性の高い提案ができる人材として評価されることがあります。

また、技術的な知識を基盤にPMやPLとの円滑なコミュニケーションが可能なため、プロジェクトの中核を担う存在です。さらに、システムエンジニアがより上位職のマネジメント職を目指す際にも、応用情報技術者試験は有効な資格です。

インフラエンジニア

パソコンをする男


二つ目に紹介するインフラエンジニアは、ITインフラの構築を担う職種です。

主な業務内容には、サーバーやネットワークの設計、クラウドインフラの運用、セキュリティ対策などがあります。応用情報技術者試験の出題内容と業務範囲は密接に関係しており、この資格の取得は業務に必要なスキルを有していると評価される根拠になります。

近年はオンプレミスからクラウドへの移行が進み、マイクロサービスアーキテクチャやクラウドコンピューティングの活用が一般的になってきました。

インフラエンジニアのニーズが高まるなかで、土壌となる知識を育むうえで重要な資格です。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、ITシステムの情報セキュリティ対策やインシデント対応、監査に携わる職種です。インフラエンジニアと同様に、応用情報技術者試験で習得した知識が業務に直接活かせる数多くない職業です。

具体的にはセキュリティポリシーの策定、リスクアセスメント、施策の費用対効果分析などに大いに役立ちます。

マネジメントや経営の知識をベースにインシデントを俯瞰し、情報セキュリティの専門知識を駆使して、効果的な対策を講じることができます。

ハッキングや不正アクセスは、対策を講じても次々に新たな手法が現れ、対応に苦慮する企業が後を絶ちません。

応用情報技術者の合格者は、セキュリティに特化した上位資格である情報処理安全確保支援士試験に挑戦し、専門性を高めることも一つのキャリア戦略です。

応用情報技術者試験の申し込み方

パソコン


応用情報技術者試験の受験を決めた方に向けて、申し込み方法を紹介します。インターネットから期限内に申請を行い、指定の期日までに受験料を支払えば、手続きは完了します。

具体的な申し込み方法の手順は次のとおりです。

情報処理推進機構(IPA)のウェブサイト

応用情報技術者試験の申し込みは、IPA(情報処理推進機構)のWebサイトから行う必要があります。メールアドレスを登録してアカウントを発行した後、ログインして必要事項を入力します。

応用情報技術者試験の申し込みは、個人のみが対象です。法人名義での申請や、インターネット以外の手段は受け付けられないため、注意が必要です。

また、ITパスポートや基本情報処理技術者試験を受験したときのアカウントは使用できません。応用情報技術者試験専用のアカウントを新たに作成し、従来のアカウントとは分けて管理する必要があります。

申し込み開始日

応用情報技術者試験の申し込み開始日は、試験日の約3ヶ月前が目安です。春期試験(4月)は1月、秋期試験(10月)は7月に申し込みが開始されます。正確な日程は、IPAの公式ホームページで確認してください。

申請期間は例年、およそ20日間です。

試験日の約2ヶ月前に申し込みが締め切られるため、事前にスケジュールを把握しておくことが重要です。年に2回しかない機会を逃さないよう、計画的に準備を進めましょう。

費用と支払い方法

応用情報技術者試験の受験費用は、税込7,500円です。

支払い方法は、クレジットカード、ペイジー(Pay-easy)、またはコンビニ振込のいずれかです。支払い完了後、試験日の約2週間前を目安に送付される受験票の到着を待ちます。

資格をとってキャリアアップを目指すなら

ビジネスマン


「評価基準が曖昧で自分が評価されているのかわからない」と感じるSESエンジニアは少なくありません。キャリアアップを図るうえで、応用情報技術者試験の取得は有効な選択肢です。

システムエンジニアやインフラエンジニア、セキュリティエンジニアなど、需要が高い職種への道が開ける数少ない国家資格です。自己研鑽とキャリアアップを結びつけるには、計画的な取り組みが欠かせません。

高還元SES


テクニケーションでは、応用情報技術者試験の取得を推奨しており、資格取得者には資格手当を支給しています。また、案件選択制により自分のキャリアビジョンに合わせて需要の高い職種に挑戦できる環境が整っているため、計画的にスキルアップとキャリアアップを目指せます。

さらに、チーム制でベテランエンジニアのサポートを受けながら、安心感を持って成長できるのも大きな強みです。

単価の開示により自分の市場価値を把握し、納得感を持って働ける環境で、応用情報技術者試験を活かしたキャリアを築きたい方は、ぜひテクニケーションのカジュアル面談でお気軽にご相談ください。

カジュアル面談はこちら

履歴書はもちろん不要。今のメンバーも
みんな最初は雑談からでした。
ぜひお仕事以外にも趣味や
好きなことのお話で繋がりましょう!