遠隔作業指示を成功させるには?現地作業者との連携の秘訣

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1.遠隔(リモート)作業について

◆遠隔(リモート)作業は主にリプレース作業、機器の設定変更作業時に行う。遠隔(リモート)作業は対象機器にリモート接続が可能な時に行える作業なので、環境整備が必須となる。現地作業とは違い、移動時間削減、移動コストがないので作業者の負担が軽度で済むメリットがある。物理的な作業が発生した場合には、早急に対応出来ない、通信障害でリモートで機器のステータス確認が不可になる等で対応出来ないのがデメリットである。

2.現地作業について

◆現地作業は主に新規構築作業、リプレース作業、現地調査等で行う。遠隔(リモート)作業が行えない環境では必須な作業となり、現地に行くまでに様々な準備を行う必要がある。物理的な問題で何か不具合があっても早急に対応が可能、時間にゆとりがあればサーバーラック内のケーブル整線、ケーブルタグの確認等が行えるメリットがある。しかし、現地へ向かうまでの時間、現地までの移動コスト、不測の事態が発生した場合は滞在期間延長によりコストの増大等のデメリットがある。どちらの作業にもメリットやデメリットがあるが、作業内容に応じて上手く活用していきたい。

2.遠隔(リモート)作業までの準備

◆遠隔(リモート)作業にあたって下記の準備が必要となる。

・リモート(遠隔)接続が行うことが可能か客先に現状確認

まずリモート作業を行うためには客先にリモート環境が整備されているか、環境が無ければリモート接続を行っても問題がないか、環境整備に必要な要件をヒアリングする。

・リモート(遠隔)接続環境の整備

リモート(遠隔)接続に必要な要件として挙げられるのは、対象機器に対してssh、telnetの設定等がある。(設定方法は下記リンクにて記載)実際に現場で利用していたのは、ssh接続となる。telnetはセキュリティの観点から推奨はされていない。理由として暗号化されていない通信を行うため、パスワードや送信データが盗聴される可能性がある為。

・作業手順書の作成

作業手順書は、誰が行ってもミスなく作業精度が変わらないことを目的としている。なので、リモート作業(遠隔)を行う際は作業手順書は必須である。

・作業前日までに対象機器に対して疎通確認

リモート(遠隔)作業を行う前に、作業日までに事前に対象機器に対してpingが通るなどの疎通確認をする必要がある。作業手順書に記載している、現場もあるが無い場合は作業者が事前に確認する必要がある。

3.遠隔(リモート)作業と現地作業者との連携の秘訣

◆遠隔(リモート)作業を成功させるには、以下のポイントに注意する必要がある。

・遠隔(リモート)作業者と現地作業者それぞれに作業手順書を作成し、作業完了時には作業実績を記載する

基本的に作業手順書がない現場はないが、稀に簡易的な作業手順書でしっかり用意されていない現場があるのでここのフェーズで述べておく。手順書がしっかり用意していないと、トラブルが発生した場合に原因の特定と今後の作業の改善が厳しくなってしまう。また、作業完了時に作業実績を記載していない場合もトラブルが発生した際に、原因の特定が難しくなるリスクがある。

・作業前に遠隔(リモート)作業者と現地作業者で作業内容とタイムスケジュールを確認する

これを行う理由としては、両者の認識にズレが無いか、何かあった場合のフローを事前に確認することを目的としている。ズレが生じている状態で作業を行うと、作業ミス、障害原因になりかねないので未然に防いでおきたい。

・作業中は常に連絡が遠隔(リモート)作業者と現地作業者双方で取れるようにする

これは作業ミス、トラブル発生時に迅速に対応できることを目的として挙げた。仮に作業ミスを未然に防止し、ミスが起きても早急に対応、更にトラブルが発生しても被害を最小限に抑えることが可能となる。

・作業の一工程毎に影響が無いか作業前後に確認をする

これも上記と意図が重複してしまうが、仮に作業ミスを未然に防止や認識のズレを無くすことやトラブル発生時は直ちに作業中止の指示が可能等を目的としている。しかし、現地の環境によっては対象機器近くでは連絡が取れないケース(機器収納ラックの部屋は通信機器の持ち込みが不可)があるので作業前に確認しておきたい。こういった細かい確認を怠らずに、確実に行っている現場ではトラブルが少なく、例えトラブルが発生しても迅速に対応可能となる。遠隔(リモート)作業指示を成功させるには様々な視点から述べた。一貫して言えることは、事前の万全の準備とトラブルシューティング時のフローがとても重要である。上記のことが行えていればどんなシチュエーションでも迅速にかつ正確に対応可能となる。今後、遠隔(リモート)作業指示で作業を行う機会があればここで述べたことを参考にして欲しい。

参考資料

https://zenn.dev/satosama/articles/b13088c0e457b1