実務未経験者でも知っておきたい!開発現場でよく使われるITツール

導入
ITシステムの開発現場では、さまざまなITツールが使われています。
チームでの開発を前提としているものも多く、独学や大学の講義などではあまり触れる機会がないツールも少なくありません。
私が初めてプロジェクトに参加したときも、これまで一度も使ったことのないツールがたくさんあり、まずはそれらの使い方を覚えるところからのスタートでした。
もちろん、プロジェクトに参画してから学ぶことも可能です。
ただ、実務経験がない、あるいはまだ浅い段階では、システムの仕様を理解したり、自分の担当タスクを把握したりするだけでも大変です。そこに加えて、ツールの使い方まで一から覚えるとなると、なかなか負担が大きいものがあります。 (実際、私自身がそうでした。)
開発現場で使われるツールは、プロジェクトによって異なる部分はあるものの、用途としてはどの現場でも共通していることが多いです。
そのため、代表的なツールの基本的な使い方や概念を事前にキャッチアップしておくことで、実務プロジェクトへの参加も比較的スムーズに進められるようになります。
開発現場でよく使われるツール一覧!
- バージョン管理ツール(Git、GitHubなど)
ITのチーム開発では実質必須となっているバージョン管理系のツールです。
これらのツールがないと、同じファイルを複数人が同時に編集した際に、他の人の変更を上書きしてしまい、元に戻せないといった重大なトラブルが起こる可能性があります。
Gitで使われる用語がコミット(commit)、プッシュ(push)、プル(pull)など独特な用語が多く覚えにくいのが地味に厄介です。あらかじめ基本的な操作の流れを理解しておくと、実務で戸惑うことが減るでしょう。
- タスク・バグ管理ツール(Redmineなど)
こちらは、バグや未対応のタスクなどをチームで共有・管理するための、タスク管理/バグ管理ツールです。 私が参画していた現場では「Redmine」が使われていました。
たとえば、既存システムでバグを発見した際には、以下のような情報を記載し、Redmineの該当プロジェクトに登録します。
- バグの概要
- 発生日
- 発生した機能や画面名
- バグの詳細(前提条件、実行した操作、実際の結果)
- 原因や調査内容(わかる範囲で)
- 対応期日
Redmineでは、このようにして登録された情報を「チケット」と呼びます。チケットとは、作業の記録や依頼内容を管理する単位のことで、各タスクに対して発行される“作業カード”のようなものです。
チケットには、担当者、進捗状況、優先度なども設定でき、チーム全体で作業の状況を把握するのに役立ちます。ちなみに、私が担当していた現場ではチケットを作成して登録することを「起票」と呼んでいました。
- コンテナ型仮想化ツール(Dockerなど)
開発現場でよく使われるにもかかわらず、実務未経験の段階ではなかなか触れる機会が少ないのが「Docker」です。
Dockerの目的は、アプリの実行環境をコンテナという単位でパッケージ化し、どのマシンでも同じ動作環境を再現できるようにすることです。
開発メンバーの環境(OSやインストールされているソフトのバージョンなど)が異なると、「自分の環境では動くのに、他の人の環境では動かない」といった問題が起きがちです。Dockerを使えば、必要なソフトウェアや設定ごと環境をまとめて管理できるため、そうした環境差によるトラブルを防ぐことができます。
Dockerも「イメージ」「コンテナ」「ビルド」など、最初のうちは聞き慣れない用語や概念に戸惑うことがあるかもしれません。ですが、基本的な使い方(Dockerfileの書き方・読み方、docker buildやdocker runの使い方)を一通り理解しておくと、現場での作業がスムーズになるでしょう。
- 社内コミュニケーションツール(Slack、Microsoft Teams、Mattermostなど)
意外と軽視されがちなのが、チャットツールによるメッセージでのやり取りです。
リモートワークの普及により、対面で気軽に質問したり、ちょっとした確認を口頭で行ったりすることが難しい場面も増えてきました。こうした状況では、チャットツールを使ったコミュニケーションが非常に重要になります。
メッセージで質問や相談をする際には、読む相手の立場に立って、できるだけ簡潔かつ明確に伝えることを意識しましょう。たとえば、「何について」「どのような問題か」「自分が試したこと」などを整理して書くことで、相手も状況を把握しやすくなり、スムーズな対応につながります。また、画像やファイルの添付が可能な場合は、できるだけ利用した方が相手に伝わりやすく、文章も短くなり効率的です。(現場によってはファイルのアップロードが禁止されているので、現場に合わせましょう)
なお、チャットツールの使い方については以下の二つを意識しておくとよいでしょう。
- 特定の人物に対してメッセージを送る場合、メンション機能を使う。
(先頭に@をつけて「@名前」のようにメッセージを送ると相手に通知が行きます。メンション付きのメッセージしか通知をオンにしていない人もいるので必ずつけるようにしましょう。)
- プロジェクト全体に関連する話題は、個人とのDMではなくチーム全体が閲覧可能なチャンネルで行う。(情報共有のため)
まとめ
上で紹介した以外にも色々なツールがありますが、実務未経験者の方はとりあえず上の四つを押さえておけば大丈夫です。
未経験のうちは、技術よりもツールの操作やチームでのルールに戸惑うことも多いかもしれません。
しかし、事前に「どんなツールが、何のために使われているのか」だけでも知っておくと、理解・習得のスピードがグンと上がります。初めての現場は覚えることが多くて大変ですが、少しでも負担を減らすために事前準備を整えておきましょう!