インフラエンジニアのための仮想化入門:Hyper-V/VMware経験から基本を解説

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1.Hyper-Vとは

・Hyper-Vとは、米Microsoft製の仮想化ソフトで物理マシン上に仮想のパソコン(仮想マシン)を作り出し、仮想のパソコン(仮想マシン)を実際のパソコンと同じように動かすことができる機能を指す。

・Hyper-Vの特徴

Hyper-Vには以下のような特徴がある。Windows Server上で動作するため、既存のWindowsベースのシステムとの親和性が高い豊富な機能を備えており、スケーラビリティや可用性に優れている高いパフォーマンスを発揮し、仮想マシンの処理速度が速い、セキュリティ面での配慮がなされており、安全性が高い

・Hyper-Vの機能

Hyper-Vの機能をいくつか挙げる

ハイパーバイザーの管理                                                 Hyper-Vでは、ハイパーバイザーの管理機能としてHyper-V マネージャーが用意されている。Hyper-V マネージャーはVMwareのvCenter Serverにあたるツールであり、無償で利用可能。。また、ターミナルとしてPower Shellを利用して管理を行う。

仮想マシンの再配置                                                  仮想化基盤の運用においては、ライブマイグレーションとして複数の物理サーバー間で仮想マシンを移動させる仕組みが有効となる。Hyper-Vでもライブマイグレーション機能が用意されており、効率的なシステム運用・メンテナンスが可能となっている。現場では仮想マシンを立ち上げ、そこから様々な機器へアクセスしていた。

Hyper-Vを使用するメリット

無償で利用可能                                                  Hyper-VはOSに標準搭載されているため、インストール不要、追加コストなしで利用できる。

 高いセキュリティ性能                                               Hyper-Vはセキュリティ面での柔軟性も高く評価されている。仮想マシンがホスト PC(物理PC)と分離されているため、データ漏洩や不正アクセスのリスクを低減できます。テスト中に仮想環境が破壊されても、ホストPCには影響がない。

Hyper-Vを使用するデメリット

Linuxとの相性                                                   Hyper-VはLinux環境での利用に制限があり、完全な互換性がない場合がある。

ハードウェアリソースの影響:                                              仮想サーバーのパフォーマンスはハードウェアリソースに依存し、リソースが不足するとパフォーマンスが低下することがある。実際に現場貸与PCのスペック不足で、フリーズを起こしたり機能せず再設定した苦い経験がある

2.VMwareとは

・VMwareとは、サーバーの仮想化を実現するソフトウェアである。

・VMwareの特徴

サーバーの仮想化以外にも、ネットワーク仮想化、VDI(デスクトップ仮想化)、仮想ホストを統合管理する機能など、様々な仮想化に関連する製品がラインナップされている。最近では大規模システムや基幹システムといった重要なシステムの仮想化も利用されており、高い信頼性や可用性・拡張性が売りとなっている。

・VMwareの機能

VMwareの機能をいくつか挙げる

 デスクトップ仮想化                                                  デスクトップ仮想化は、自分のコンピュータ環境をあらゆるコンピュータで使えるようにする技術である。VMwareのデスクトップ仮想化製品であるVMware Horizonを現場では利用してリモートアクセスして作業を行っていた。

サーバ仮想化                                                    サーバ仮想化は、1台の物理的なコンピュータ上に複数の仮想的なコンピュータを動作させる技術である。物理サーバの数を削減し、電力消費やスペースの節約ができる。

アプリケーション仮想化                                                 アプリケーション仮想化は、同じソフトウェアを異なるコンピュータでも使えるようにする技術である。VMwareのアプリケーション仮想化製品であるVMware ThinAppが挙げられる。

VMwareを使用するメリット

コスト削減                                                    従来では複数のサーバを用意する必要があったが、それが一つに集約でき機器を購入する必要がない。

耐障害性                                                      仮想環境は一つのファイルとして、バックアップを取得できる。仮に仮想環境が構築された物理サーバが故障した場合、バックアップファイルを別のハードウェアに移行すれば、運用の継続が可能。仮想サーバに重要なデータを保存しておくことで、万が一端末の紛失や故障などがあった場合にも情報流出などのリスクを下げられる。

VMwareを使用するデメリット

運用知識が必須                                                    物理サーバのスキルだけではなく、構築、運用、また必要に応じたカスタマイズやセキュリティ対策まで仮想化に関する専門的なスキルが求められるため、対応できる人材がいなければならず、企業によっては人材確保にコストや時間がかかってしまうこともある。

ハードウェアトラブル時の影響範囲が大きい                                           ここが一番大きな問題です。多数の仮想サーバを起動していると、対象の物理サーバが故障した時にすべての仮想サーバに影響が出る。障害といっても、サーバーリソースの不足・ネットワーク障害・配布イメージのトラブルなど色々なケースが想定される。

3.Hyper-V/VMware経験談

ここではHyper-V/VMwareを現場で利用した経験談を述べていく。まず、Hyper-Vについて利用した現場で共通していたのは全てセットアップ手順書が用意されていた。なので、知識は特に無くても問題ない。しかし、セットアップまでにやや時間を要したり、手順書通りにいかない場合があったのでそこは頭の片隅に置いておいて欲しい。セットアップ後は、CPU使用率やPCのスペックによってはフリーズをよく起こしていたので煩わしい経験をするかもしれない。続いて、VMwareについてはHyper-Vのように手順書はないがセットアップ自体は複雑なこともなくで容易であった。セットアップに時間を要した訳もなくフリーズすることは特になかったが、たまに指定のサーバにログイン出来ないことが少々あった。原因は不明だが、再起動すればログインできたので特に問題なく利用できたので、Hyper-Vよりは使いやすい印象ではあった。

参考文献

https://staff.persol-xtech.co.jp/hatalabo/it_engineer/446.html#_1