あんきま三兄弟登場!それ内定って言っていいの!?

目次
はじめに
今回は、IT業界の闇とも言える「あんきま」(案件が決まらない)問題を実際に体験した3人のエンジニアの体験談をお届けします。木村さん、DJ、げんちゃんの3人は、それぞれ異なる形で「あんきま」の洗礼を受けながらも、最終的にはその状況を乗り越えてきました。
共通する背景:職業訓練校出身という縁
興味深いことに、この3人には共通点がありました。全員が職業訓練校出身だったのです。IT業界への転身を目指し、職業訓練校で学んだ後に就職活動を始めた彼らでしたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
木村さんのケース:社会人未経験からの挑戦
木村さんは社会人経験がゼロの状態でSES業界に飛び込みました。「何が何だかよく分からない状態だった」と振り返る通り、あんきまの危険性について十分に理解していませんでした。結果的にあんきまの会社に入社することになりましたが、この経験が後の転職活動における判断力を養うことにつながりました。
DJのケース:職業訓練校の先生に救われた
DJは最もラッキーなケースかもしれません。「給料は出ないけど研修は土日参加必須」という条件を聞いて違和感を覚え、職業訓練校の先生に相談しました。先生からの「やめときな」という一言で、あんきまから脱出することができました。
しかし、この判断にも代償がありました。就職が決まったという前提で各種手続きを進めていたため、急に1ヶ月間の空白期間が生まれてしまい、経済的な影響を受けることになりました。
げんちゃんのケース:上京への夢と現実のギャップ
最も過酷な体験をしたのがげんちゃんでした。地元でIT系の受託開発を2年半経験した後、上京への夢を抱いて東京にやってきました。友人と住むためのアパートも契約し、後に引けない状況での就職活動でした。
あんきまの会社で2〜3ヶ月を過ごしましたが、「営業さんが動いている感じがしない」ことに気づき、ついに見切りをつけることに。その時期はちょうどコロナ禍の始まりでもあり、「東京終わったな」と思うほど追い詰められていました。
貯金を切り崩しながら、土日のアルバイトや知り合いのウェブ制作で何とか生活をつないでいた期間は、まさに背水の陣での戦いでした。
その後の転職活動と成功
げんちゃんの逆転劇
げんちゃんはその後、「生活がかかっているので何でもします」という姿勢で就職活動を続け、ついに内定を獲得しました。最初の案件は武蔵小金井から神奈川方面への2時間通勤という過酷なものでしたが、満員電車に揉まれながらも頑張り続けました。
現在では安定した環境で働けるようになり、時には飲み会で物をなくしてしまうほど(笑)リラックスして過ごせるようになりました。
DJの華麗なる転職
DJの転職活動は劇的でした。Xでエンジニアコミュニティの情報を見つけ、転職活動開始からわずか数日で連絡を取りました。しかし、4月入社を希望していたため、法律上の退職手続きのタイムリミットギリギリの状況でした。
「今日の夜話せますか?」というやり取りから始まり、退職届提出まで実質タイムアタック状態。それでも無事に転職を成功させ、現在は安定した環境で2年近く同じ案件を担当しています。
学んだ教訓
1. 情報収集と相談の重要性
DJのように職業訓練校の先生に相談したことで、あんきまを回避できたケースがあります。一人で判断せず、信頼できる人に相談することの大切さが分かります。
2. 違和感を見逃さない
「給料が出ないのに研修参加必須」「営業が動いている感じがしない」といった違和感は、重要なサインです。この感覚を大切にすることで、早期に問題を察知できます。
3. 最後まで諦めない姿勢
げんちゃんのように困難な状況でも諦めずに行動し続けることで、最終的には良い結果につながることがあります。
現在の3人の活動
現在、3人は安定した環境で働きながら、同じような困難を抱える後輩エンジニアのサポートも行っています。げんちゃんは交流会に積極的に参加し、DJは本業と並行してクラブでのDJ活動も続けています。
まとめ
「あんきま」は多くのエンジニアが直面する可能性のある問題です。しかし、適切な情報収集、周囲への相談、そして諦めない気持ちがあれば、必ず乗り越えることができます。
もし現在同じような状況で悩んでいる方がいらっしゃれば、一人で抱え込まずに、経験者や信頼できる人に相談してみてください。きっと道は開けるはずです。