【実践】HyperーVでの仮想マシン構築手順と設定のポイント

目次
【導入】
サーバー環境の検証や過初用途において、「仮想化」はもはや避けては通れない技術です。なかでも、Microsoft純正の仮想化プラットフォームである「Hyper−V(ハイパー・ブイ)」は、Windows Server環境に標準搭載されており、学習用にも業務用にも幅広く活用されています。
仮想マシンを活用することで、物理的な制限に縛られず、複数の OSを一台のPCで動かす事が可能となり、開発・検証・検証後の移行まで柔軟に対応することができます。
今回は、現役インフラエンジニアの視点から、Hyper−Vで仮想マシンを構築する手順と設定のポイントを実践的に紹介します。
初学者でも迷わないよう、操作画面ベースで丁寧に解説しますので、仮想化環境の学習の第一歩にぜひお役立てください。
【本文】
❶.Hyper−Vとは
Hyper−Vは、Microsoftが提供するハイパーバイザー型の仮想化ソリューションです。
以下のような特徴があります。
Windows ServerやWindows 10 Pro/Enterpriseに標準搭載
GUIでもCLI(Power Shell)でも操作可能です。
仮想スイッチによる柔軟なネットワーク構成
チェックポイント(スナップショット)機能あり
Linux OSにも対応
Hyper−Vを使えば、例えば「AD構築環境」「Linux検証環境」「仮想クライアント端末」など、複数の用途に応じた仮想マシンを柔軟に作成できます。
❷.Hyper−Vの有効化
AWSの学習だけで終わらせず、実務での活用を意識すると学習効果が高まります。
以下のような勉強方法、作業方法が有効です。
まずはHyper−Vを有効化する必要があります。
Windows 10/11Proでの手順:
「Windowsの機能の有効化または無効化」を開く
「Hyper−V」にチェックを入れる(管理ツール含む)
再起動で反映
🚨注意:BIOSで仮想化支援(Intel VT−xやAMD−V)が向こうになっているとHyper−Vが動作しません。事前にBIOS設定も確認しましょう。
❸.仮想マシンの作成手順(基本)
Hyper−Vマネージャーから、以下の手順で仮想マシンを作成します。
【手順1】仮想スイッチの作成(初回のみ)
Hyper−Vマネージャー→「仮想スイッチマネージャー」
外部ネットワーク(NIC)を使ったスイッチを作成
名前は「vSwitch01」など、わかりやすく命名
現場ルールなどを適用する際は、変更履歴等を確認できるようにする。
【手順2】新規仮想マシンの作成
右側の「新規」→「仮想マシン」をクリック
名前と保存場所を指定(例:WinServer2022)
世代は「第2世代」を推奨(UEFIサポート)
メモリ容量を指定(例:4096MBなど)
仮想スイッチを先ほどの「vSwitch01」に設定
仮想ハードディスク(VHDX)の作成(サイズは可変がおすすめ)
インストールメディア(ISOファイル)を指定
❹.起動とOSインストール
仮想マシン作成後、「接続」→「起動」ボタンで仮想マシンが立ち上がります。
あとは通常のOSインストール手順と同様に、
WindowsServerやLinuxをセットアップします。
🚨補足:マウスが仮想マシン内に閉じ込められる場合はctrl+Alt+←(左方向キー)
などで解放できます。
❺.仮想マシンの設定ポイント
以下の設定を状況に応じて調整することで、より実践的な運用が可能です。
【設定項目】 【ポイント】
メモリ 動的メモリを有効にするとリソース節約に有効
チェックポイント スナップショットのように使える。
構成変更する前に取得を推奨
プロセッサ数 仮想CPU(vCPU)の数を調整可能
性能と要相談
統合サービス 時刻同期やシャットダウンの連携に必要
自動有効
ネットワーク 複数NICや内部・プライベートスイッチの設定も可
実運用や検証で複数台の仮想マシンを使う場合、ネットワーク構成とチェックポイント管理は非常に重要です。
【まとめ】
Hyper−VはWindowsに標準搭載されており、コストをかけずに仮想化環境を構築・検証出来る非常にすぐれたツールです。
GUIでもPowerShellでも操作可能で、初級者から中級者へのスキルアップに最適なプラットフォームです。
ポイントを押さえて活用すれば:
⭐️インフラ検証環境の構築
⭐️ネットワーク構成の模擬検証
⭐️Windows Serverの機能テスト(AD.DNS.DHCP等)
⭐️トラブル時の再現・修復テスト
など、実務に近い検証環境で実践力を高める事ができます。
「仮想マシン構築」は、ただの技術スキルではなく、
【トライアンドエラーできる安全な実験環境】を手に入れるという意味でも大きな価値があります。
ぜひHyper−Vを使いこなし、仮想化スキルを業務に活かしてみてください。