「知らなきゃヤバいSESのリアル」給与ゼロの地獄から這い上がった話

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はじめに

IT業界で働くエンジニアの多くが経験する「暗黒期」。今回は、元バンドマンからエンジニアに転身したげんちゃんの体験談を通して、困窮時代をどう乗り越えたのか、そしてその後どう成長していったのかをお伝えします。

上京と初期の蓄え

げんちゃんは地元で実家暮らしをしながらコツコツと貯金を貯め、上京時には不要になった車を売却してその資金で東京生活をスタートしました。多くの人がとる堅実なアプローチですが、それでも東京での生活は甘くありませんでした。

困窮期間の実態

期間:約半年間の生活困窮

げんちゃんの困窮期間は約半年間。この間、以下のような状況で生活していました:

  • 家賃: 5万円
  • 固定費: ガス、電気、スマホ代
  • 支払い方法: 止められたらすぐに支払う自転車操業状態
  • 収入: 短期・日雇いアルバイト
  • 貯金: 徐々に切り崩し、最終的にほぼゼロに

主な収入源 – ライブスタッフのアルバイト

困窮期間中の主な収入源はライブスタッフのアルバイトでした:

  • チケットのもぎり
  • ビラ配り
  • 会場設営・解体作業
  • 照明機材の運搬(トラスなど重量物)
  • 深夜作業も含む肉体労働

ただし、これらの仕事は毎日あるわけではなく、週に1回あれば良い方という不安定さが生活をより困窮させる要因となっていました。

アルバイトの隠れたメリット

  • 弁当の支給:食費を浮かせる重要な要素
  • キューケンやキューベイなど:懐かしの弁当ブランドで空腹を満たす

住環境とコスト削減の工夫

シェアハウス生活の重要性

げんちゃんは当初、IT系の友人3人でシェアハウス生活をしていました。これは上京時の重要なコスト削減戦略の一つです。

現在では渋谷で4万円程度から住めるシェアハウスもあり、以下のメリットがあります:

  • 初期費用の削減
  • 都心へのアクセスの良さ(リモート減少に伴い重要性増)
  • 最低限の生活空間確保
  • 共同設備の活用(トイレ・風呂など)

技術的な挫折と成長

想定外の技術要求

案件に入った際、事前に聞いていた技術(ServiceNow)とは異なり、実際にはAWSを使ったインフラ業務が求められました。開発エンジニアだったげんちゃんにとって、インフラ領域は未経験の分野でした。

孤軍奮闘での学習

  • プロジェクト内に有識者がいない状況
  • プロパー社員も詳しくない状態
  • 独学で約半年間の学習期間
  • 自力で調査・実装を継続

この経験が現在の技術力の基礎となっており、「あの時一歩踏み出せていなかったら今の自分はない」と振り返っています。

現在の技術スタック

困窮時代を乗り越えた現在のげんちゃんの技術スタック:

  • フロントエンド: Vue.js(案件ごとに新規学習)
  • バックエンド: Node.js
  • その他: JavaScript全般

フロントエンド技術の移り変わりが激しい中、継続的なキャッチアップを心がけ、案件ごとに新しい技術要素を学習し続けています。

学んだ教訓と今後への示唆

1. リスク管理の重要性

  • 大金の現金管理
  • 生活費の計画的な管理
  • 緊急時の備え

2. 住環境の戦略的選択

  • シェアハウスの活用
  • 都心アクセス重視
  • 初期コスト最小化

3. 技術者としての成長マインド

  • 未知の技術への挑戦
  • 継続的な学習習慣
  • 困難な状況での粘り強さ

4. コミュニティの力

げんちゃんは現在、同じような経験を持つエンジニア同士の交流会に参加し、困っている人たちをサポートしています。「個人では到底できないことがチームなら実現できる」という実感から、コミュニティの重要性を強く感じています。

まとめ

エンジニアの困窮体験は決して珍しいことではありません。重要なのは、その困難をどう乗り越え、どう成長につなげるかです。げんちゃんの体験談からは以下のポイントが学べます:

  • 準備と計画の重要性(上京前の貯金、住環境の選択)
  • 困難な状況での粘り強さ(半年間の困窮期間を乗り切る意志力)
  • 新しい挑戦への積極性(未経験技術への取り組み)
  • コミュニティとの繋がり(経験を次の世代に還元)

IT業界で働く多くの人が似たような経験をしています。困った時は一人で抱え込まず、コミュニティや仲間の力を借りることも重要な生存戦略の一つです。