データセンターについて

データセンターとは、ユーザが設備や機器(サーバやネットワーク機器など)の導入を行い、保管するための施設です。
特長としては災害時にもサービスに極力支障が出ないような耐震構造であることや、自家発電装置など電力供給を常時行える環境となっています。
また、1箇所に複数の機器の設置が可能なため、余分なコンピュータリソースの必要がなく、コストの削減などにも繋がっています。
ここからは私が勤務していたデータセンターを基に紹介します。
上記で記述した特長に加え、大災害時にも備え、地方にバックアップセンターも稼働していたり、監視オペレータだけではなく、マネージドサービスと言われる委託の運用部隊も24時間365日体制で待機しており、お互い連携を取り、品質の高い運用を効率的に行っていました。
内部構造について
またフロア構造は3Fから6Fまでがデータセンターとして稼働していました。
各階は以下のような構造になっていました。
・6F – 「委託先の運用部隊(50名程)」※私はここに在籍、「委託元の運用部隊(100名程)」、
「ネットワークの専用部隊(5名)」、「建物の管理や設備を行う部隊(7名程)」、
「会議室(2部屋)」、「オペレーションルーム」
・5F – 「サーバールーム」(4箇所)、「テープ保管庫」
サーバールームには機器が設置されているサーバーラックが100台ほど設置されていました。
・4F – 「サーバールーム」(4箇所)
5F同様に機器が設置されているサーバーラックが100台ほど設置されていました。
・3F – 「エントランス(入口)」、「会議室」(4箇所)、「休憩室」、「喫煙所」、「仮眠室」、「食堂」
分業について
委託元や委託先で担当が分かれており、委託元はSLA(品質を定めた契約)であったり、1つの作業で発生する単価、運用やオペレータの工数に関することなど、契約や金銭に関わる部分を主に担当しており、
委託先は委託元から提示されたSLAに基づく運用を担当することになり、コストによって1ユーザを1つの部隊でまかせていたり、複数のユーザをまとめて受け持っている部隊であったり、用途により様々です。
1つの例としては複数のユーザを受け持っている部隊では更に「Windows」、「Linux」、「実機」などに分類し、それぞれの担当として業務を遂行します。
セキュリティについて
データセンターは人の出入りも非常に多く、我々従業員の他、契約されているユーザ、機器の修理などを行うベンダー、時には配送業者もデータセンターの中に入り、荷物の回収などをしていきます。
中に入る際には必ず届が必要になり、その届もユーザ→運用→建物の管理者→警備員と承認の手続きがあり、入館時は社員証(氏名、会社名)の提示(照らし合わせ)が必要になります。
更には入館した際にも申請のあった各サーバールームへのゲスト入館証に指紋認証を行い、鞄や携帯電話、スマートフォンの持ち込みも厳禁になっており、PCの持ち込み際にも厳重な申請書、承諾書をその場で記載頂くこととなっており、厳重なセキュリティになっています。
サーバールームについて
上記でも記述した通りとても厳重になっており、我々従業員でも携帯電話やスマートフォンなどの機器の持ち込みは出来ません。外部との連絡が必要な際には、委託元が用意した専用のPHSを貸りる必要があります。そのPHSはオペレーションルームで厳重に保管されています。
サーバールーム内は各種機器(サーバ、ネットワーク機器、ストレージ、PCなど)が設置され、施錠されているサーバーラックが複数並んでいます。配線は床下を通じて電力を供給してます。電力計なども複数設置され建物の管理者が定期的にチェックし管理しています。
オペレーションルームについて
オペレータ業務を遂行するために様々な監視PCが設置されてます。また監視に関わる部分以外でも貸し出し用PHSやUSBやサーバーラックの鍵などなくした際に事故扱いになるようなものが多数保管されています。入室も厳重で専用の指紋認証が必要になり、私用の携帯電話、スマートフォンは持ち込めません。サーバールームと同様に閉鎖的な空間となっています。
最後に・・・
データセンターは非常に強固なセキュリティで守られており、初期の段階では指紋認証を各サーバールームごとに何回も登録したり、部屋によっては私用の携帯電話やスマートフォンを持って入れなかったり、面倒な部分もあります。
ただ、別チームであっても扱っている機器が共通していたり、アプリケーションやミドルウェアが同じであったり、共通している部分も多く、横連携が取りやすく、情報交換もしやすく別チームの方々とも打ち解けられる場所だと感じました。
また、ユーザとのやりとりも多く、データセンター内で直接お話をすることもあるのでコミュニケーション能力が大切であるとも感じています。